竜星涼 インタビュー 「伝統を大事にしながら、新しい挑戦を」一粒で二度おいしいヒーロー『Bros.マックスマン』の魅力とは
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竜星涼 撮影=岩間辰徳
勉強も運動も苦手なアナウンサーがヒーローとして活躍する異色のアクション映画『Mr.マックスマン』のシリーズ第2弾『Bros.マックスマン』が公開中だ。前作ではひょんな事から特殊能力を身につけたアナウンサー谷口正義(まさよし)がマックスマンとなったが、今回は正義の弟でテレビ局新人ADの英雄(ひでお)がニューヒーロー・Bros.マックスマンとしてテロ組織と戦う。
新たな主人公・英雄を演じるのは、『獣電戦隊キョウリュウジャー』のキョウリュウレッド役などで知られる俳優・竜星涼。今回のインタビューでは、本作の魅力である“アメコミと戦隊ものの融合”“コメディ”そして、竜星自身が思い描くヒーロー像を語ってくれた。
伝統を大事にしながら、新しい挑戦をしていきたかった
竜星涼 撮影=岩間辰徳
――撮影はいかがでしたか?
作品自体も、コメディーなので演じていて楽しかったですし、知っているメンバーが多かったので“お祭り映画”という感じで楽しんで撮影しました。
――シリーズの第2弾作品ですが、撮影チームの中に入るのは緊張しましたか?
緊張するのが普通なんですが、入りやすかったです。千葉(雄大)ちゃんとは10代の頃に一緒に作品もやっていますし、久保田(悠来)さんや丸山(敦史)さんたち戦隊ヒーローとかライダーチームの方も多かったので。それに、スタッフの方々にもよく知っている人が何人かいて、そういうつながりでまた一緒に作品をやれるというのが、嬉しかったです。
――前作では、千葉さん演じる兄の正義が主役でしたね。
そうですね。千葉ちゃんと兄弟って設定はすごい無理くり感を感じましたけれど(笑)。まぁ顔的に似ているのかな?と思ったり「弟が大きく育った」というパターンかなと思いながらやっていました。
――アメコミ的なヒーローと戦隊ものがうまく融合している作品だと思いました。
アメリカンコミックだと、中身の人間がもっとフューチャーされていて、あたかも普通にいる人間たちがヒーローになっている感じが強いと思うんです。だから僕はそういうところをもっとヒーローものでやれたらと思っていたんです。
竜星涼 撮影=岩間辰徳
――なるほど。竜星さんの意見が盛り込まれたシーンはありますか?
(ポスターを指さしながら)某アメコミヒーローみたいな感じに見えますが、マスクを脱いでいますよね。マスクを脱ぐ提案を、(撮影)直前に言ってシーンを作ってもらいました。
――マスクを脱ぐシーンは新鮮でした。
本当にヒーローが脱いでいるのは初めてだと思うんです。伝統を大事にしながら、新しい挑戦をしていきたかったんです。
――どうして、あのシーンでマスクを脱ぐことを思いついたんですか?
最初にいただいた台本を読んで「ちょっともったいない」と感じたんです。マスクをしているので、ほとんどアフレコ状態だったんです。でも、コメディですし、変身した後に見た人が「ちゃんとこの人がやっているんだ」と伝わることが、この作品においては大事にしたかったところなので。
――マスクを脱ぐだけではなく、スーツを着たままでアクションもされていますね。
コメディですが「かっこよく」というのはあると思うんです。コメディ要素に触れるところが多いからこそ、全部やった“その一生懸命さ”がかっこいいこともあると思ったんです。
竜星涼の思い描くヒーロー像とは
竜星涼 撮影=岩間辰徳
――苦労したところや、エピソードはありますか?
本当は、自分が全部演じたかったんですが、スーツアクターの方にお願いする部分も多かった。自分は声をアフレコするんですが、そこが苦労しました。
――例えば?
僕にとっては、続編でそれなりの人が出て、お祭りのような作品だと思っていたので……アフレコで、笑いのほうに行こうとしたんですが、監督が止めにかかるんです(笑)。でも、自分がやったヒーローネタをちょこっと入れたりとかはOKでした。
――それは、ファンも嬉しいですね。
マックスマンを観て好きになってくれてもいいし、そうじゃない戦隊ファンの方も“2度おいしい”小ネタみたいなものが入っています。僕は『獣電戦隊キョウリュウジャー』のセリフなんかを入れていました。自分の中でやっていて「これはダメだろう」とおふざけでやったのが、実際に使われていたのに驚きました
――戦隊ものは、変身シーンも見どころのひとつですよね。
変身のシーンは、観ている方がぞくぞくするところだと思います。今回は。そこにちょっとコメディの要素もある。(千葉との)兄弟の変身シーンは、お互いの性格が出ています。キメのポーズは、ずっと(ヒーローものを)やっていたからなのか、なんとなくオマージュをエフェクトとしてエディットしています。気持ちよかったですね。
竜星涼 撮影=岩間辰徳
――英雄の変身シーンは独特ですよね。
現実味があって、愛を叫びますからね。なかなか愛に生きるヒーローなんだと思いました。
――竜星さんが同じように叫んで変身できるとしたら、なんと叫びますか?
僕だったら……なんだろう(笑)。(しばらく悩んで)そうだ!ヒーローものを小さい時から見て真似して遊んでいたんですけど、実は「変身」って言ったことないんです。なので、それを言ってみたい。それが自分のヒーロー像かもしれないです。ちゃんと「俺、これから変身するんだぞ。だから、変身するまで攻撃するなよ」ってね(笑)。
――竜星さんの思い描くヒーロー像とは?
「何も言わずかっこいい」のが日本のヒーロー像だと思うんですが、実際の人間はそこに葛藤や情熱があります。“強い奴がかっこいい”のではなく、“一生懸命さ”がかっこいいというが、僕にとってのヒーローです。
――今後やってみたい役は?
ヒーローものなら、ヒーローはいろいろとやったので、悪役をやってみたいですね。でも、『バットマン』に出てくるジョーカーみたいな、応援される悪役のほうが街を歩きやすいかな(笑)。
――ヒーローもの以外では?
もっとシュールな、コメディタッチなものをやってみたいですね。普通の芝居とは、少し間の取り方が違うんですよ。あとは、素直でまっすぐな役が多かたので、ひねくれたダメ男とか、やったことが無い役がいいですね。その分、調べたり勉強が必要ですが、やりがいもあるし、そこから知らなかった世界を見ることもできるので。苦しみながら楽しみたいです。
竜星涼 撮影=岩間辰徳
――では最後に、これからご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。
第2弾では、マスクをオフにして“新しいヒーロー像”をお届けできると思います。とっても痛快で面白い作品ができたと思います。本当に特撮好きな方だと、ぼくを含めて共演者の皆さんが出演されたヒーローものとは「全然違うじゃん!」と思える、ハッピーで楽しめて、笑えて、最後は「自分もヒーローになりたい」と思って帰ってもらえる作品になっているんじゃないでしょうか。
竜星涼 撮影=岩間辰徳
映画『Bros.マックスマン』は公開中。
取材・文=Hirayama Masako、撮影=岩間辰徳
竜星涼 直筆サイン入り『Bros.マックスマン』ポスターを1名様に
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竜星涼、内田理央/千葉雄大(スペシャルサンクス)、山本美月(スペシャルサンクス)
久保田悠来、青木玄徳、丸山敦史、松島庄汰、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)
なだぎ武、ケンドーコバヤシ、高橋裕二郎、要潤、鈴木杏樹、大和田伸也
監督:増田哲英
脚本:福田卓郎
音楽:P.P.M(梅野悠大)
企画プロデュース:佐々木基
プロデューサー:田中裕樹、角田朝雄、吉村周
制作協力:東映東京撮影所
製作:西新、藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:片岡秀介
企画制作:テレビ朝日
制作:テレビ朝日、KATSU-do
製作:テレビ朝日、吉本興業
配給:KATSU-do
公式HP:http://www.bros-maxman.com/
公式Twitter:@maxman_movie
(C)2016『Bros.マックスマン』製作委員会