蕨野友也の背中についていく 舞台『デルフィニア戦記』ゲネプロレポート

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2017年1月20日(金)より舞台『デルフィニア戦記』の公演が始まった。1993年の第1巻刊行からファンに愛され続ける茅田砂胡(かやた すなこ)のファンタジー小説を原作とし、若き国王ウォルや謎の少女リィをはじめ、魅力的なキャラクターたちが織り成す壮大な波乱万丈ストーリーだ。

主演は『仮面ライダードライブ』敵幹部「ハート」役を演じて話題になった蕨野友也(わらびの ともや)。見た目も中身もウォルに酷似していると高評価を得てのキャスティングだったそうだ。(※インタビュー記事
国を追われた王(ウォル)は流浪の中、謎の少女リィと運命的な出会いを果たすが、そのリィ役を演じるのは佃井皆美(つくい みなみ)。『仮面ライダー鎧武/ガイム』にて仮面ライダーマリカの変身前と変身後の両方を演じるなど、彼女が得意とするアクションをこの舞台でも存分に披露している。

幽閉された育ての父を開放し、玉座の奪還を狙うウォルの元には、続々と強力な仲間たちが集う。
ウォルに忠誠を誓うラモナ騎士団の団長・ナシアスを細貝圭(ほそがい けい)、ウォルの従兄弟バルロを林剛史(はやし つよし)、ウォルの幼馴染イヴンを山口大地(やまぐち だいち)ら舞台、TV、特撮、映画などで多岐にわたる活躍を見せている若手俳優が演じる。

さらに三田村賢二(ドラ役)、大原康裕(ブルクス役)、小林勝也(フェルナン役)など実力派大物俳優らの存在は、この舞台に重要な深みを与えている。特にウォルの出生の秘密を握る大沢逸美(カリン役)の熱演には、涙なしには観られないだろう。
ウォルたちの敵役として立ちはだかるのはペールゼン役の山本亨(やまもと あきら)。「悪役にも悪役の“正義”がある」と語る山本は、一国の命運をめぐる物語をドラマチックに演じる。

この舞台ではスクリーン映像や回り舞台、可動するセットなど特徴的な演出が多数採用されている。地図や旗、さらに森の中を馬で突き進んでいく描写がスクリーンに映し出されたり、演者の立ち位置の高低差によって場面の変化を描いており、主体がコロコロ変わる戦場のシーンでも観客は十分に状況を理解することが出来る。

異世界から落ちてきたずば抜けた戦闘力を誇る少女・リィが、ウォルやその仲間たちを戦闘でも精神的にも彼らの支えになって戦うシーンはとても印象的だった。原作ファンのみならず、初めてこの作品に触れる方でも夢中になって見入ってしまう……そんな心地よい没入感を楽しめる舞台に仕上がっていた。


囲み取材レポート

ウォル役:蕨野友也
本日初日を迎えるに当たりまして。ほぼ初舞台といってもいいくらいですが、こんな素晴らしい劇場で演じさせていただくと言うことで、緊張感ももちろんありますし、みなさんと一緒にやれることを誇りに思っております。最後まで一生懸命頑張っていきたいと思います。

リィ役:佃井皆美
「ついにきたか!」と言う感じです。稽古が一ヶ月ちょいあったんですが、本当にあっという間で……。なんか夢みたいですね。自分でもびっくりするくらい緊張しているんですけど、楽しみに来てくださる皆様のためにも本当に精一杯やらなきゃなと言う気持ちでいっぱいです。

ナシアス役:細貝圭
稽古はあっという間でしたが、キャスト同士がすごく仲良いんですよ。年齢差はあるんですが、その中でも年齢を超えて仲良くこの座組みとして一ヶ月間稽古して来たので、早くお客さんの前で演じたいなと思っています

ペールゼン役:山本亨
みんなで稽古して来たものを、お客様にぶつけたいと思います。怪我なく千秋楽まで努めたいです。原作のファンの方に喜んでいただけるように一生懸命演じたいと思います。

 

――稽古を重ねる中で、苦労した点、もしくは見どころを聞かせてください。

蕨野:原作の世界観を演出家の児玉明子さんが大いに描いてくれているという部分です。ファンの方たちの期待を裏切らないものになっていると思います。

他にも魅力的なポイントと言えば、非常に立ち回りが多い舞台になっているというところです。僕自身も初めての立ち回りということで……動ける先輩方がたくさん周りにいらっしゃるので、色々ご指導をいただきながら本日を迎えることができました。そういったところもお客様に楽しんでいただけたらなと思っています。

 

――稽古中の印象的なエピソードはありましたか?

蕨野:立ち回りをしたことがなかったので。実際に稽古場で殺陣師に教えていただいたんですが、最初の5回剣を降っただけでもう立てないっていうようなことがありました。食いついていかないといけないのに立てなくて、筋肉痛が毎日続くような生活を送っていて。でも先輩方に必死についていかないといけないというところから、僕は始まっています。これからご覧いただく方には「蕨野は成長した」っていうところを見せられると思いますし、僕以外の皆さんもたくさん動いてらっしゃるので、しっかりと見ていただきたいなと思っています。

佃井:ペールゼンさんとウォルが戦うシーンは手に汗を握るようなシーンです。(稽古中でも)見ていて「うわあああ!」ってなりました!

細貝:蕨野くんが先ほど「立ち回りが初めてで、舞台の経験はなくて」って言っているんですが、現場では全然そんな感じはなくて。あまり言葉で引っ張っていくタイプではなく、背中を見て僕らがそれについていくっていう――素晴らしい座長だなと。立ち回りだって、初めてとは思えないくらい圧倒的な強さで素晴らしいなと思いました。

山本:ある日、稽古が進むにつれて、蕨野くんに無視されたんです。冷たい感じだったんですよ。「あれ? 無視された? ……蕨野ぉ」みたいに思ったんですが、よく聞いたら「親の敵役」というか。そういうので内面から作っていかれていると思うので。ウォルとしての稽古場の佇まいとか、稽古していくうちに(役が)中に入って来たんだなと思って。それはすごく素晴らしいことだと思いますし、お客様に伝わるし。僕もそうありたいなと思ってます。それが印象的でした。

 

――お芝居のシーンでそれぞれが演じている役柄の一番課題となった部分、あるいは見せ所を教えてください。

蕨野:小林克也さん演じるフェルナン伯爵の最期ですね。そこは原作のファンの方たちも投票で1、2位を争うくらい印象的なシーンということで。僕自身も小説を読んで、気持ちを込めてしっかりと演じられるようにと思いました。そこが見所ですね。

佃井:私はもともと原作ファンだったということもあって、リィが本当に大好きで。客観的にも大好きだったんですが、それを改めて自分が演じるってなった時に、「リィ」っていうイメージだけではできないことがいっぱいありました。イメージだけで演じていた部分もあったのですが、そこをもっともっと深く追求していくのが大変だったし、楽しかったです。リィを通して見る世界や人間がものすごく新鮮に感じる時があり、鳥肌が立つような気持ちですごく楽しいなって思いました。

細貝:ラシアスで言えば、親友であるバルロとの対立ですね。今まですごくお互いを信頼して来た仲間と対立し、戦わなければいけない、刺し違えて死んでしまう命の取り合いになってしまうかもしれないラシアスの気持ちの揺れとかはすごく考えました。

山本:ペールゼンは権力者になりたかったのではなくて、彼なりの正義があったと思うので。その5年間国をちゃんと治めてきた人間としての手腕みたいなものがバックに流れて見えれば、見ていただければありがたいなと思います。


舞台『デルフィニア戦記』は1月29日(日)まで天王洲 銀河劇場にて公演中。

公演情報
舞台『デルフィニア戦記』第一章
 
日程:2017年1月20日(金)~1月29日(日)
会場:天王洲 銀河劇場 (東京都)

原作:茅田砂胡(C★NOVELS/中公文庫)
脚本・演出:児玉明子
音楽:未来古代楽団(砂守岳央・松岡美弥子)

<出演>
ウォル:蕨野友也/リィ:佃井皆美/ナシアス:細貝圭/イヴン:山口大地/バルロ:林剛史/ガレンス:須藤公一/シャーミアン:綾那/ドラ:三田村賢二/ブルクス:大原康裕/カリン:大沢逸美/フェルナン:小林勝也/ペールゼン:山本亨 他

 

 

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