ULTRA RECORDSが放つメロウ系EDMの新星デュオ・MAKOにインタビュー

インタビュー
音楽
2017.1.23

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デヴィッド・ゲッタ来日公演のサポートアクトとして、初来日したマコ(MAKO)。2人の不思議な接点からEDMとの出会い、デビューアルバム『Hourglass』についてなど、クラシック音楽にも精通したメンバーのアレックスが熱弁してくれました。

ザ・チェインスモーカーズ、カイゴ、ロスト・フリクエンシーズに続くメロウ系EDMを担う新星として注目のマコ(MAKO)。

デヴィッド・ゲッタ公演のサポートアクトで急遽来日したメンバーのアレックス(写真右)が、クラシック音楽とEDMの出会いなど熱く語ってくれました。

――今回の来日はアレックス1人だけ。相方のローガンは?

ローガンはずっとマコをやりながら、本職は弁護士でもあるんだ。この話はあまりしたことないけど、じつは3年間ほど学校に行ってたのかな。今年の秋に弁護士になる試験に受かって、就職したばかり。彼は日本に来たこともあるし、日本が大・大・大好きなんだけど、今回は来られなかった(笑)。僕の方は日本は初めてだよ。

――アレックスも他に仕事を持っている?

僕は音楽だけ。マコの他にもCM、ビデオゲーム、映画、テレビ用の音楽を作ったりするけど、大半の時間はマコだけに費やしている。時々、2〜3ヶ月とか他の音楽制作をやって息抜きする感じかな。

マコとしてもビデオゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』の音楽のミックスを手がけたけど、創造性の刺激になるんだ。あのゲームとはこれからもコラボしていく予定だよ。

――名門校「ジュリアード音楽院」でクラシックを学んでいたそうですが、ポップミュージックに対する偏見などは?

確かに「ジュリアード」では、ポップミュージックなどに対するリスペクトや理解しようという気持ちは、あまり誰も持っていないよね。僕自身もローガンと出会うまではホルンのレッスンとクラシック音楽が全ての世界で、それに勝る音楽なんてないと思っていたからね。

でもクラシック音楽とエレクトロニックミュージックを上手く結びつける方法はあると思うんだ。ただ両方の音楽に精通していて、共通の言語を理解できる人があまりいないというだけで。

――ローガンのお父さんと、アレックスのお父さんが、そもそもルームメイトだったそうですが。

すごく奇妙なんだ(笑)。僕らが出会う前、25年とか30年前の話だよ。父親たちは大学時代のルームメイトだったんだ。ローガンのことは聞いていたし、存在は知っていた。けど、会ったことなくて、僕が学校を卒業してからLAに移住して初めて対面したんだ。

別に何かを期待していたわけじゃなくて、むしろローガンのお父さんが音楽業界の人だったから、その話を聞きたいと思っていたんだ(笑)。

ローガンはもうDJをやっていて、そこで初めて僕はエレクトロニックミュージックという音楽を知ったんだ。ローガンに連れられて初めて「EDC Las Vegas」を体験して、若い人たちのエネルギーや巨大なステージにぶちのめされたよ。すぐさま虜になったんだ。

――ファーストアルバム『Hourglass』は、これまでのマコのサウンドとはかなり違った方向性ですよね。

まったく違う方向性を打ち出そうというのは、当初から思い描いていたことだった。

EDMなどダンスミュージックの虜になってからしばらく経って、少しずつマンネリ化している気がしていたからなんだ。僕らはもうやりたいことはやり尽くした感があって、まったく違う新しいことに取り組む時期だと感じ始めていた。

ファンの期待などを考えると、すごく勇気のいること。でも、自分のやりたいことを追求するのは、いい音楽を作るうえで一番大切じゃないかと思うしね。このアルバムが上手く橋渡しをしてくれるんじゃないかと期待しているよ。少し時間はかかったけれど。

――所属レーベルのULTRA RECORDSからは何か言われたりは?

ULTRAは僕たちのやりたいように凄く自由にやらせてくれている。ダンスミュージックに特化したレーベルとしては、僕らの存在はちょっと異色と言えるかも。どうなるか様子を見守ってくれているんじゃないかな。

――アルバムタイトルに『Hourglass』(=砂時計)と付けたのは?

アルバムの制作中に、歌詞の多くが時の流れについて歌っていることに気づいたんだ。ノスタルジックな気分で過去を振り返っていたり、未来に不安を抱いていたり、今を最大限に生きることなどが何度もテーマとして曲に出てくる。だから時間を象徴する“砂時計”をタイトルにしたんだ。

――コールドプレイにも通じるヴァイブを持ったロック寄りの曲もありますよね。

コールドプレイのような音楽にはとてもインスパイアを受けるよ。僕が音楽制作する最大の理由は、聴く人の感情に訴えかけたいから。そういう曲を僕は聴きたいし、そういう曲をみんなに聴いてほしいと思っている。コールドプレイは、それを見事にやってのけている。

個人的には、スウェディッシュ・ハウス・マフィアもそうだと思うんだ。アバヴ&ビヨンドもそう。美しいアンサンブルでメッセージを伝えてくれる。僕らの目指すところはそれなんだ。

――EDMシーン全体の傾向としてテンポがスロウになってきているのは、マコの方向性とも一致するのでは?

確かにそうだよね。みんな新しいサウンドを模索している最中だし、ちょうど僕らもその方向性に近いよね。僕らは作詞・作曲、プロデュース、ボーカルも手がけているから、アプローチは少し違うけど、シーン全体がどうなるかは興味深いよ。

――カイゴやロスト・フリクエンシーズのような、他のメロウ系EDMについては?

彼らの音楽は大好きだよ。ああいうチル系のレイドバックしたサウンドは凄く気持ちがいいよね。僕らが作るか?となるとまた話は別だけど、彼らのシーンにおける影響力は大きいよ。僕はもうちょっとドラマチックなサウンドの方が好みかな。

――それってアレックスの性格とも関係ありそう?

そうそう、確かにそうだよね(笑)。

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ちなみに今回の来日中には、日本人アーティストと一緒にスタジオ入りしていたとか。これからマコの名前をあちこちで見かけることになりそうですね!

 

Mako
Hourglass 
Ultra Records
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Text by Hisashi Murakami

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