カワイイは最強、全面服従! 「逃げ恥」に続け、ヘタレ男子マンガ

コラム
2017.2.8

画像を全て表示(6件)

今回の担当は、Reader Storeのコミック担当カワチです。日々面白いマンガを探し求めているなかで、「やだ、この作品面白すぎ……」「なんでこの作品みんな知らないの?」という名作をご紹介。さてさて、『マンガを掘りつくせ!Manga Diggin’』第2回で取り上げたいのはズバリ“ヘタレ男子マンガ”です。

 

ドラマで大ブームの“ムズキュン”作品

昨年末、ドラマも原作も大団円を迎えた『逃げるは恥だが役に立つ』。恋ダンスが社会現象になり、SNSやニュースで「逃げ恥」関連の情報を見ない日はないほど盛り上がりましたね。『回転銀河』から海野つなみ先生のファンだった私としては嬉しい毎日でした。

しかし、なぜここまで“逃げ恥フィーバー”になったのか? それは出演する俳優さんをはじめ、脚本・演出・音楽など素晴らしい要素がたくさんあったからだと思います。ですが、中でもドラマ側がSNSなどで使用していた“ムズキュン”、この言葉の要因となったヘタレ男子・津崎平匡(つざきひらまさ)さんという存在が、世の女性たちの心を鷲掴んだからだと思います。

ここ数年、実写化されたマンガ原作の作品では『壁ドン』や『ドS』など圧倒的に立場が強い男性や、キラキラした王子様系キャラに女性が惹かれる、という傾向が多く見られました。それを覆してくれたのが「逃げ恥」の平匡さんでした。年齢=彼女ナシ歴で30代半ばまでこじらせてしまった平匡さん。しかし、システムエンジニアとしてそれなりのキャリアを持ち、ルックスも悪すぎるわけではない。家事代行を頼むほど余裕のある暮らしを送る彼は、女性経験のあるなしは置いといて、そこそこハイスペックなんです! ではなぜハイスペックなのに未婚・彼女がいないのか? それは一言でいえば“ヘタレ”だからです。

自分に自信がない、好きになってもらえない、そんな自尊感情が低い人のことを、ここでは“ヘタレ”と呼ぶことにします。一見すると「しっかりしろよ」と言いたくもなりますが、悪いことばかりではないんです。例えば、かわいくて歌もダンスも上手い……そんな完璧なアイドルより、ちょっと歌が下手だったり、何か苦手なところがあったりするアイドルのほうが応援してあげたくなりますよね。完璧すぎるより、ちょっとダメなほうが母性本能をくすぐるのです。さらに、そんなヘタレだからこそ純粋で、一度恋に落ちれば一途に想い続ける……これは萌えざるを得ない。みくりちゃんも言ってました、「カワイイは最強!」と。全面服従です。

 

書誌情報
『逃げるは恥だが役に立つ 1巻』
 

海野つなみ (著) 
講談社

Reader Storeで試し読みができます。 >>Reader Storeとは?
試し読みはこちら

 

イケメンなのに30過ぎても童貞

ではここで、平匡さんと同じように30歳オーバーの童貞が出てくるオススメのコミックをご紹介します。

30過ぎなのに8年も彼氏ナシ。同僚が婚活で結婚を決めたのを知って焦り始めた亜希子は、自身もお見合いに参加するも、相手は中学時代のイケメン同級生・市原だった……! 売れ残っているのが不思議なくらいハイスペックな市原だが、なんだかんだで亜希子とお付き合いすることに。しかしある日、市原は亜希子に童貞をカミングアウトして――。この市原くん、顔がイケメンなだけじゃなくてファッションも素敵だし仕草や行動もスマート。まぁ、これだけスペックが高ければ彼女がいたこともあるので女性がダメってわけではないのですが、最後まで致せていないウブな一面がある。手を繋ぐだけで赤くなってしまうなど、いちいち反応がカワイイんです。そんな女性に奥手なヘタレ男子の市原くんは、亜希子を家族に紹介した際に小言を言う母親と姉に対して強く批判して彼女を守るなど、“やるときはやる“イケメンっぷりを発揮します。はたして市原くんは亜希子と結ばれるのか!? 大人のピュアな恋愛物語が読みたいなら、こちらがオススメです。

 

書誌情報
『カレは女とシたことない。』
 

都陽子 (著)
祥伝社

Reader Storeで試し読みができます。 >>Reader Storeとは?
試し読みはこちら

 

幼馴染を一途に想い続けるヘタレ王子

書誌情報
『銀盤騎士 1巻』
 

小川彌生 (著)
講談社

Reader Storeで試し読みができます。 >>Reader Storeとは?
試し読みはこちら
 

続いてご紹介するのは、『銀盤騎士』(小川彌生/講談社)。『きみはペット』の小川彌生先生が描く本格フィギュアスケート&ラブコメディ。健康雑誌の編集をしている千登勢の幼馴染は、フィギュアスケートのスター選手・雉子波心。イケメンだけど実はヘタレな彼の活躍の裏には、千登勢のかけるある“おまじない”が関係していて――!?

この雉子波心くんこと、“ここっぺ”。平匡さんと比べてしまうと、若くてイケメンだし、まるで氷上の王子様……と、かなりスペックは上がりますが、実はアニメのキャラクターを描くのが趣味のガチヲタ! さらに方言まるだしだったり(それを隠すために喋らないクールキャラという設定)、メンタルが弱かったりと隠された一面を持っています。そして幼馴染のせーちゃん(千登勢)が好きなのになかなか進展しない……というヘタレ男子。そんな彼がスター選手として活躍できるのも、好きな女の子の前では弱い面を見せたり、彼女に近づく男に嫉妬したりとスター選手である前に、恋するピュアな男の子だというところに胸を撃ち抜かれます。せーちゃんといる時にだけ見せる、ちょっと天然でやわらかい表情に思わずうっとり。ヘタレ王子はフィギュアの王座も好きな女の子も手に入れることができるのか!?  恋愛要素だけでなく、フィギュアスケートの描写がしっかりしているところも本作の魅力です。

 

今回は「逃げ恥」に続くかもしれない2人のヘタレ男子をご紹介しました。彼らは女性に対して奥手な面はありつつも、仕事が出来たり、やるときはやる男前な面があったりと、悪い面ばかりではありません。ガツガツくるS系男子や王子様キャラに少し飽きてきた女性が、純粋で一途なヘタレ男子に惹かれ“自分のことしか知らない”独占欲を味わいたいという思いも、この“ムズキュン”フィーバーの裏には隠れているのかもしれません。あなたの周りのヘタレ男子くんも、よくよく見てみれば掘り出し物件かもしれませんよ?

シェア / 保存先を選択