HEY-SMITH猪狩秀平がルーツから直近のUSツアーまで彼にとってのライブと「バンド」を語る

インタビュー
音楽
2017.4.4

──ディスク1の大阪府民共済SUPERアリーナで行われたツアー・ファイナルの映像を観させてもらいましたが、ものすごくいいライヴで本当に感動しました!

ありがとうございます。ほんま正直な話、ベストは尽くしたけど、振り返ったら、もっとできたと思っちゃいますね。

──47都道府県62公演を新体制で回った初のレコ発ツアーでしたけど、感触はどうでした?

新体制でお披露目ツアーもやりましたけど、レコ発は初めてですからね。1本1本、灰になるまでやってやろう!という気持ちで臨みました。途中で体が壊れて、もうツアー無理!となってもいいくらいの気持ちでやろうと。

──なぜそういう意気込みでやろうと?

う〜ん、かっこいい奴はずっとかっこいいなと思って。ステージの上だけじゃなくてね。瞬間瞬間でギリギリになる。そういう体験を自分もやってみたくなったんですよ。

──何かあったんですか?

自分の周りにそういうかっこいい奴がいたから。ここで名前を上げると、本人が調子にノルから言わないですけど(笑)。

──誰ですか?

●●●●●です。こいつはかっこいいをどんどん更新してるなって。去年は一緒にいる時間も長くて、めっちゃ会ったんですよ。それでかなり影響を受けました。

──では、灰になるまでやってみた実感は?

いや、もうほんとに死ぬかと思いました(笑)。10月ぐらいからスケジュールがタイトすぎて、喉は治らないし、体も動かなくなって。

──万全の体調ではなかった?

万全だったのは最初の2、3本じゃないですか(笑)。

──マジですか!

ははははは、そこからはズタボロでした。その間にイベントやフェスにも出たし、万全ではなかったけど、かっこいいことをやれてる実感はありましたね。

──猪狩君が思うかっこいいの定義は?

何て言ったらいいかわからないけど、ジャーン!と弾いてるだけでかっこいいかどうかみたいな。

──ステージの立ち姿だけでも、存在感があるミュージシャン?

そうそう! そういう奴は普段からかっこいいんですよ。

──猪狩君個人ではなく、バンド自体のカタマリ具合はどうでしょう?

良いときと、悪いときと交互にありますね。またあいつあんなミスしやがって、またあいつあんなかっこ悪いことしやがって!と思うときがありますからね。

──そうときはどうするんですか?

むかついたら、イチイチ全部言います。おまえのここが気にくわないって。でも2回、3回同じことをやられたら、言わなくなる自分もいて。そういう自分も寒いと思うから、頑張って良くなるまで言います。ミスはそこまで気にしないけど、練習せずにいきなりチャレンジする奴とか、ほんとむかつくんですよ。アドリブでやりたい気持ちもわかるけど、練習してかっこいいものを見せた方がかっこいいけどねって。その言い合いもありましたね。

──なるほど。ファイナルは会場の規模感や観客の盛り上がりを含めて、かなりスペシャルな内容でしたね。

結果そう受け取ってもらえたなら、良かったです。当日は全く緊張しなかったですね(笑)。とりあえずいい感じで歌おう、演奏しよう、ぐらいのノリでした。

──ステージから火がバンバン上がったりと、いろいろ仕掛けもありましたけど、あれもやりたかったこと?

全部自分で考えましたからね。火が出る中でリフとか弾いてみたかったんですよ(笑)。

──それは猪狩君が大好きなスレイヤーのイメージとか?

そうそう。マーシャルも訳わからんくらい並んでたでしょ? メタル・バンドのズクズクというリフの中で、火がドーン!みたいなことはやってみたくて。

──はははは。何にグッと来たって、猪狩君が登場したときにパンテラの俗悪Tシャツを着ていたことですよ。心の中で「ありがとう!」と思いました。

はははははは。

──今年、ちょうど俗悪25周年ですからね。でもなぜあの日にパンテラ俗悪Tシャツを?

スレイヤーのTシャツにするかどうか、迷ったんですよ。あのジャケじゃないですか? あの日はそういう気持ちだったんですよ。

──ほんとに(笑)?

ほんまですよ。お客さんをしばいたる!という気持ちだったんですよ。

──『俗悪』のジャケのように、観客の横っ面をぶん殴ってやろうと?

はははは、そういう気持ちでしたね。

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