舞台「警視庁抜刀課 vol.1」中村優一インタビュー 仕事や特撮への純粋で熱すぎる想いを語る
中村優一 舞台「警視庁抜刀課vol.1」切通弥役
『仮面ライダー響鬼』、『仮面ライダー電王』に出演していた中村優一と、『仮面ライダーディケイド』に出演していた井上正大の “平成ライダー”2人をW主演として迎える 舞台「警視庁抜刀課 vol.1」が5月26日(金)~6月4日(日)までCBGKシブゲキ!!にて上演される。
警視庁銃刀特別対策課(通称:抜刀課)は妖しい力を宿した「刀剣」を取り締まる、刀のスペシャリストたちが所属する場所。その抜刀課に勤務する切通(中村優一)と架光(井上正大)のコンビを中心に、「妖刀」に魅入られた人々を救う物語だ。本作において大きな注目ポイントとなる殺陣を指導するのは、これまで1000を超える時代劇で刀を握ってきた殺陣における第一人者・青木哲也氏。舞台本番までは約一ヶ月あるが、すでに殺陣の稽古は始まっているとのこと。
今回SPICEでは、警視庁最強の剣士・切通を演じる中村優一に、そのキャラクター性や殺陣稽古の話、そして中村が過去に出演した“特撮”への想いを熱く語ってもらった。
中村優一
「冗談が通じないってところは僕と似ています」
――中村さんが舞台『警視庁抜刀課 vol.1』で演じられる“切通 弥(きりどおし わたる)”はどんな人物ですか?
警視庁の銃刀特別対策課に勤務する警察官です。ただ、銃ではなく刀で戦って犯人を捕まえます。性格は、刀一筋というか、刀が本当に大好きな人です。基本的にクールで笑わないというところが、逆におもしろい役柄ですね。
――原作イラストでは目がキリッとした感じですね。
そうですね。でも刀に関しては緩いというか。刀を買うために「金を貸してくれ」とか、「ボーナスで払うから」なんてことも言うし。ただ切通自身も過去に色々なことを経験していて……。
――過去が気になりますね。舞台では描かるんでしょうか?
おそらく少しはあると思いますが、具体的にはまだ原作でも描かれていないので、どんな過去があるのかはわかりません。僕も楽しみにしているところです。
――切通と中村さん、似ている面や違う面を教えてください。
僕には、彼にとっての刀のようにものすごく「何かを好き」っていうところがあまりないので憧れます。ひとつ趣味でもあればいいなって思うんですが、今は仕事が大好きなので、家でもずっと台本を読んでいたりします。一度俳優を休業していますし、復帰できてこうしてお仕事をいただけるってことは本当にありがたくて幸せなことだと感じています。一つ一つを精一杯頑張りたいので、仕事以外で今夢中になれることはありませんね……。あとは笑わないとか冗談が通じないってところは僕と似てます。プライベートではあまり人と接しないで、一人でいることが多いです。
――外出よりも、家にいることが多いですか?
多いですね~! 最近は家でKis-My-Ft2のDVDを見てます。玉森くんが好きです。
――男性アイドル、ですか……!
男性が好きってわけじゃないですよ!? 男性アイドルのキラキラしているところはとても魅力的ですね。自分もキラキラしたいな、そうならないといけないなっていうような気持ちです。
――憧れの面が強いのかもしれませんね。
癒しですね。良い影響を受けられたらいいなと。
中村優一
――原作を読まれて、気になったシーンやキャラクターはいましたか?
源九郎義経と武蔵坊弁慶の背景はすごく気になりますね。2人の過去や、なぜ現代に存在しているのかってところも含めて、まだまだ謎の部分が多いので早く原作の続きが読みたいです。それと、刀を通してストーリーが進むという設定はすごくおもしろいなと思っています。
――原作者の斎藤岬先生とお会いしたそうですが。
殺陣稽古を見に来てくださりました。原作者さんにこういう場に来て頂けるってとてもありがたいことですね。でもまだ全然お話できていないので、これから会う機会があれば、そこでアドバイスをいただけるといいなと思っています。
――今回の舞台では殺陣のシーンがたくさんあると思いますが、殺陣は得意ですか?
ここまでがっつり刀を持つお芝居は初めてです。殺陣師の青木哲也さんから多くのことを学びたいなと思います。僕も今年で30歳になるので、刀を使うということはこれからどんどん増えていく気がしますし、時代劇なども挑戦してみたいです。約一ヶ月間の稽古でたくさん刀に触れて、刀に慣れて、自分のスキルを上げようと思っています。
――すでに殺陣の稽古が始まっているとのことですが手ごたえは。
大変ではないですが、まだまだ刀に慣れていない感じが出てしまっていますね。そういうところは今後なくしていきたいです。
中村優一
「『電王』は自分の人生ががらっと変わった作品です。」
――今回共演されるキャストについて伺います。キャストの中でプライベートでも親交のある方や、過去に共演したことがある方はいますか?
井上(正大)くんとは何度か共演しているのですが、同じシーンは今までありませんでした。井上くんが出演している舞台も見に行って、そこで一緒に写真を撮ったりはしているんですが、同じ作品でお芝居をがっつりやるのは初めてです。僕は特撮が大好きなので、ディケイドとタッグを組めるというのはすごく嬉しいなという気持ちですね!
――中村さんと井上さんの“平成ライダー”W主演ということでも話題の本公演ですが、他の出演者にも特撮経験者が多いように感じます。
伊藤(陽佑)さんですか?
――乾 小町役の藤木かおるさんも『鎧武』に出演されていたそうです。
そうだったんですね! 僕と井上くんはタッグですが、デカレンジャー(伊藤さん)が僕たち警察の敵にいるという構図もおもしろいですよね。デカレンジャー=“刑事”なのにそっちかいっていう(笑)。
――特撮と舞台との共通点や違うと感じるところってありますか?
全部違う気がします! ただ『警視庁抜刀課』という作品で言えば、切通もヒーローのような存在だなぁと。かっこいいセリフや、お芝居しながら動き回るっていうのはある意味で特撮っぽいところですね。違うところは……変身しないところかなぁ(笑)。
――出演されていた『仮面ライダー電王』が今年で10周年ということですが、今だから話せることや、嬉しかったことなど当時の思い出をお願いします。
『響鬼』の時はライダーの役ではありませんでした。自分の演じるライダーがあるってすごく羨ましかったので、『電王』でライダーの役をやらせていただいたのは本当に嬉しかったです。自分が出演する前までの放送も毎週楽しみに見ていたので、あのおもしろい世界観にこれから僕が入るのか、とドキドキしていました。
デネブ役の声優である大塚芳忠さんとの共演もめちゃくちゃうれしくて……! 僕は小さいころから、大塚さんが声で出演されている夕方のテレビ番組を毎日見て育ったので、最初は相方というよりもその役の印象が抜けなかったんです(笑)。
あと楽しかったことといえば“憑依”ですね。デネブの他に、佐藤健くんのウラタロスは1度演じました。本編ではなく『電王』と『キバ』の映画だったんですが、憑依して外国の方を口説いてました。
中村優一
――当時と今を比べて、お芝居などで変わったところはありますか?
『仮面ライダー3号』っていう映画で俳優復帰した時、現役当時にも現場にいた方々には「声が低くなった」って言われました。自分ではよくわからないんですが……。そうかなぁ? 20歳で変声期も過ぎてるし、さすがにそこから声は変わらないだろって思うんですが!(笑) 特撮の白倉(伸一郎)プロデューサーには本当に色々救っていただきました。『電王』は自分の人生ががらっと変わった作品ですが、この作品がなかったら俳優として仕事もできていなかったと思います。10周年だし、東映さん、何かやってくださいって感じですね(笑)。
――たくさんの声があれば叶う可能性も……? また特撮に出たいと思いますか?
そうですね。もともと特撮が大好きで、戦隊シリーズも平成ライダーもずっと観て育ってきました。何かきっかけがあれば、もちろん出演したいです。あと先日も映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』を見に行きました! 春休みで子どもたちが多い中、大人一人で行ったので……ちょっと恥ずかしかったです(笑)。
――今のお子さんたちにも『電王』を知ってもらえるとうれしいですね。
今放送しているものだけでなく、どんどんシリーズを遡って見てくださる人たちも多いみたいです。特撮やライダーは、レンタルビデオショップでもずっと置かれていますよね。それってすごく幸せなことだなと思います。
――最後に、ファンに向けてのメッセージをお願いします。
舞台「警視庁抜刀課 vol.1」はこれからお芝居の稽古が始まり、殺陣の練習もますます本格的になります。ゼロノスとディケイドのタッグや、デカレンジャーが刑事じゃないとか(笑)、戦う描写もたくさんあるかもしれないですし、特撮ファンの皆様にも楽しんで頂ける場面があると思います。キャスト一同頑張っていきますので、ぜひ見にきてください!
舞台「警視庁抜刀課vol.1」切通弥役 中村優一
舞台「警視庁抜刀課 vol.1」は、5月26日(金)~6月4日(日)全14公演をCBGKシブゲキ!!にて上演予定。
取材・文=松本裕美 撮影=中田智章
会場:CBGKシブゲキ!!
原作:斎藤岬「警視庁抜刀課」(月刊バーズ連載中/幻冬舎コミックス)
脚本・演出:大和田悟史
出演:中村優一、井上正大、星元裕月、岩田華怜
伊藤陽佑、山本一慶
殺陣師:青木哲也