THE BEETHOVEN コンセプトシングル「CIRCUS CIRCUS」をメンバーが解説<前編>
THE BEETHOVEN
5月10日(水)に約2年ぶり通算5枚目となるシングル「CIRCUS CIRCUS」を2-TYPE発売するTHE BEETHOVEN。Psycho le Cemu/DaccoのYURAサマ(Dr)。メトロノーム・ADAPTER。の福助。(G)。元ドレミ團、現怪人二十面奏のマコト(Vo)。人格ラヂオの那オキ(B)。元花少年バディーズ、現The Benjaminのミネムラアキノリ(G)と、ヴィジュアルシーンの歴史を担い続けてきたメンバーらが集まり誕生したドリームバンドだ。彼らは、同作品を手に、発売後すぐ『THE BEETHOVEN主催ツアー「CIRCUS CIRCUS」』を実施。結成日となる5月31日には、TSUTAYA O-WESTを舞台に『THE BEETHOVEN 4th Anniversary ONEMAN「Classical×Circus」』と題したワンマンライブを行う。シングル「CIRCUS CIRCUS」は、“サーカス”をテーマに据えたコンセプト作品。今回メンバーに、A/B-TYPEに収録した「Sorrow The CLOWN」と「Burluesque Script」の魅力について語っていただいた。
◆シングルの表題曲となった「Sorrow The CLOWN」は、YURAサマの手による夜中の見世物小屋的な雰囲気を持った楽曲。
YURAサマ : 「Sorrow The CLOWN」は真夜中に繰り広げるサーカスをイメージして作りました。作った時点で意外と分数が短かったので尺を伸ばそうとも考えたのですが、この曲に関しては逆に無駄を削ぎ落とし、いろんな要素を濃密に詰め込んだほうが活きるし、そのほうが格好いいと判断。結果、3分を切る曲になっちゃいました。THE BEETHOVENは複雑なドラムが多いからこそ、「Sorrow The CLOWN」では簡単にしています。
ミネムラアキノリ:YURAサマのドラムがシンプルになったことで、逆に歌が際立ったからね。今回持ち寄った4曲の中でも一番キャッチーであり、初めてTHE BEETHOVENを知る人にも入りやすい曲という理由から、今回一曲目に持ってきました。
福助。:YURAサマの作る楽曲って、デモの段階では一番表情がつかみにくいんですよ。それでも“きっといい曲になるな”と思っていたら、まさに化けましたからね。
那オキ:確かにYURAサマの曲って、歌の入ってないデモ音源の段階では全体像がつかみにくい。ただ、聴いたときからまこっちゃん(マコト)の歌声が入ったら絶対に良くなるとは感じれてた。
マコト:今回の作品は“サーカス”をテーマにすべての作詞を行いました。ただし、一口にサーカスと言っても、いろんな切り口を持った曲芸師たちがいる。「Sorrow The CLOWN」では、サーカスを代表するキャラクターでもあるピエロにスポットを当て、表立った笑顔の裏に隠された真実の心を。仮面(化粧)の下に塗り潰した孤独や傷など、いろんな心の素顔を投影。ピエロが抱く表と裏の表情を描きだしました。
◆A/B-TYPE共にC/Wへ収録。ミネムラアキノリが手がけた「Burluesque Script」は、切なさを抱いた激しい心の痛みが見える楽曲。王道ヴィジュアル系らしい表情もポイントだ。
ミネムラアキノリ:普段の活動の中で明るい曲ばかりを作っている反動もあって、THE BEETHOVENでは何時も暗めな楽曲を作ってるんですけど。今回は、ファンの子たちからもらっていた「拳を振り上げる激しい曲もTHE BEETHOVENで聞きたい」という声も反映させました。
YURAサマ:まさに、「THE BEETHOVENに於けるミネムラワールド」が反映された楽曲だなという印象でした。こういう怪しい雰囲気は、ミネさんだからこそ出せる持ち味だなと思えますからね。
那オキ:ヴィジュアル系って意外とジャンルがゴチャゴチャしてるじゃない。だけど、ミネムラの書く楽曲には「ヴィジュアル系音楽の核」となる要素がつねに根底にある。しかもミネの作る楽曲は、何時もベースラインが格好良くて曲にとても合う。今回も、ベースの弾きがいのある曲をミネさんが持って来たのが嬉しかったね。
ミネムラアキノリ:僕が音楽面で一番ヴィジュアル系寄りの表現をしていると思います。今の語りの中でも、ミネムラ、ミネ、ミネさんと短い中で表現が変わっていったように、そこへ那オキさんの曲に対するリスペクトを感じましたね(笑)。実際、那オキさんが入れるベースだからこそ、この格好良さが出たなと思ってるし、そこは毎回「流石だな」と関心を覚えます。
福助。:ミネさんも那オキさんも、持ってくる曲は何時も表現するのが難しいんですけど。ギタリストが作る楽曲という理由もあるのか、ミネさんの曲は何時も気持ち良くギターを弾けてますし、今回も楽しく弾けました。
マコト:歌詞はサーカス自体を広い視野で捉えたと言いますか、「バーレスク」(有名な作品のスタイルや精神を誇張や湾曲)した戯曲というテーマで書きました。これは、個人的な狙いもあってのことなんですけど。ミネさんがTHE BEETHOVENに加入して以降、彼がシングルの表題曲となった「奏想曲」「メドゥーサ」を作り続けてきたわけですが、そこへ「Burluesque Script」を加えたことで、ミネムラアキノリ三部作がこれで完結したなという手応えを僕は感じています。だからこそ、「メドゥーサ」からの流れも強く意識して歌詞を書きました。
触れた人たちを一瞬で虜にする「Sorrow The CLOWN」。これぞヴィジュアル系と言いたくなる「Burluesque Script」。THE BEETHOVENは、バンドが持つ魅力の両極をシングル盤の表題曲とC/Wへ示してきた。次回のニュースでは、A/B-TYPEそれぞれに収録した楽曲の魅力をお伝えしたい。
文=長澤智典
2017年5月10日発売
A
1 . Sorrow The CLOWN
2 . Burlesque Script
3 . MIND Theater
B
1 . Sorrow The CLOWN
2 . Burlesque Script
3 . 輪廻LINE