P★リーガー列伝 Vol.18「博多のミラクルファイター 松永裕美」
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松永 裕美(まつなが・ひろみ)プロ©P★LEAGUE実行委員会
BS日テレ『ボウリング革命 P★LEAGUE』のレギュラー放送が、2015年4月で10年目を迎えた。P★LEAGUEの「P」にはPretty(キュート)、Performance(魅せる)、Passion(情熱的な)、Power(力強い)、Perfect(300点GET)という5つの意味が込められている。 出場するP★リーガーは、その5つのキーワードを象徴するかのように、技術、体力、美貌を兼ね備えた女性アスリートばかりだ。SPICEでは、P★リーガーに単独インタビューを敢行。今回は、P★LEAGUEの絶対的女王といえばこの人「博多のミラクルファイター」松永裕美プロの登場だ。
――P★LEAGUEでは4連覇(第29戦~32戦)を含め過去12度の優勝。公式戦でも昨年はポイントランキングとアベレージランキングの2冠女王となるなど、女子トップボウラーとして大活躍されています。
ありがとうございます。でも、去年は体調もあまりよくなかったしイップスもあったりして、いいボウリングができなかったですね。今年はもっといいボウリングができるように頑張りたいです。
――「イップス」というのは、アスリートが突然いつもの動きができなくなるという?
そう、もう長いんですよ。きっかけは産休明けの復帰戦だから、もう10年くらい前になるのかな? 足が出ない、手も出ない、タイミングが合わない、みたいな。最初は訳がわからなかったんですけど、いろんな人に相談していたら「それ、イップスだよ」と。
――当たり前にできていたことができなくなってしまった?
そうです。「どっちの足から出していたっけ?」と初心者のようになってしまって、ポンと飛んじゃうんです。復帰したばかりのときはボールを後ろに飛ばしちゃったりして(苦笑)。そのときは、さすがにボウリングをするのが怖かったです。すごく悩んだし。
――どうやって克服したのですか?
やっぱり、いろいろやってみましたね。立つ位置を変えたり、アプローチを短くしたり、とりあえず前にボールを投げなきゃいけないので、3歩でも4歩でもいいから前に振ろうと。昔の映像を見たらわかると思うんですけど、今とは全然投げ方が違いますね。今も試行錯誤しつつイップスとつきあってますよ。
――でも、公認トーナメントで12勝もしていますし、2012年にはポイント、賞金、アベレージの三冠女王にもなっていますよね。
そう考えたらすごいですよね(笑)。三冠女王のときは大丈夫だったんです。たまにひょいと出てくるんです。どこかが痛いとなったときに出てきたり、ちょっとしたことや精神的なことでも出てくるんですよ。
――そんななかでもP★LEAGUEでは「博多のミラクルファイター」というキャッチフレーズそのままに、ぶっちぎりの優勝回数をあげている……。
ありがたいことに。うまいこと自分でまとめられているんですよね。自分の投げたいところにボールを運ぶことだけを意識しながら投げたり、試合のときでも「これは練習だ」と思いながら投げたり、あまり深く考えず「大丈夫、大丈夫」と言いながら投げたり。とにかくマイナスイメージにとらえないようにしていますね。
――イップスはトッププロならではの悩みかもしれませんね。
繊細な人がなるんだよと言われるけど、「私、意外とアバウトなんだけどなあ」って(笑)。
――長いあいだ賞金ランキングの上位をキープし続けている松永プロですが、生涯獲得賞金は一体どれくらいになるのでしょうか?
わからない! 数えたりしないし、あんまりお金、お金とは思わないんですよ。考えるのはタイトルだけ。私はプロテストに合格してすぐに結婚、出産したんですけど、結婚するにあたって親やボウリングの師匠に「プロになったばかりなのに」と怒られて、「休む代わりに復帰したら絶対に10勝しろ」と言われたんです。それで私も「絶対に10勝するから、今は子どもを産ませてくれ」と言いきって。
――それがタイトルにこだわる理由なんですね。
約束は絶対に守るタイプなので、練習して。今は師匠がボウリング場の社長なので、そこで契約してもらって、自分の好きなときに好きなだけ練習できる。すごくいい環境なんですね。その期待を裏切らないように、自分は成績を出すのみだったので。10勝までの道が決められていたから、とにかく一所懸命でしたね。
――10勝したとき(2014年の東海オープン)は達成感があったのでは?
そうですね。そうなんですけど……その10勝目も寝違えて首を痛めてしまって、予選がボロボロだったんです(苦笑)。160、170スタートで本当にボウリングやめようかなというくらい。でも予選だけは一所懸命投げようと思って投げたんですけど。さすがに10勝あげられると思っていなかったので、変な気分でしたね。だから本当にツイていたなと。
――「10勝」という約束を果たし、次の目標は?
うちの師匠は15勝、20勝と伸ばせというんですけど、最初の10勝に力が入っていたから……。もちろん優勝はしたいんですけど、また違う感じのプレッシャーというか。勝って当たり前のように思われているのが、また重たくて。うーん、難しい! ひと壁来ているのかもしれないですね。たぶん、その壁が壊れたときに自分のパフォーマンスがまた上がるんじゃないのかなと思います。
――ちなみに、トーナメント賞金を一番獲得した年は……。
トーナメント優勝の最高額はROUND1(ラウンドワン)Cup Ladiesの400万円なので、それに優勝した年(2010年)が一番多かったと思います。900万近くいったかなあ。すみません、あまりお金に興味がないから(笑)。
――「お金じゃない」。なんかカッコいいですね。
いや、もう本当にタイトルを1つでも多くと思って投げているだけですから。20勝まではしたいと思いますけど、そこまですごく遠いなという気はします。10勝までは勢いでいっている感じがあるので。P★LEAGUEも、それこそ勢いでしたしね。とりあえず年に1回、優勝したいなという気持ちはあるので頑張ります!
――P★LEAGUEでの目標は?
シーズンチャンピオンになりたいですね。1回なっているんですけど(第4シーズン)、そこに至るまでがすごく大変ですから。3戦ごとにシーズンチャンピオンを決めていくので、各試合でポイントを取っていかないとチャンピオン決定戦に出られないんです。だから決定戦で投げられる位置まではいきたいです。
――目標を「シーズンチャンピオン」とサラッという人は少ないかもしれません。
すみません、目標が高すぎましたね(笑)。あとは、やっぱりパーフェクトの300を出したいですね。去年も同じグループで投げたキム スルギプロが290を出して(第63戦1回戦)すごく湧きましたから、300を出した日にはね。もう、すごく盛り上がると思うし、それが達成できるのが自分だったらいいなって、すごく思います。テレビで観ている方にお届けできたらいいなと、いつも思っているんですよ。
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