『たたら侍』AKIRAインタビュー EXILEとして、演技者として「オンオフができなかった」過去の葛藤を超えてたどり着いた今

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2017.5.15
AKIRA 撮影=岩間辰徳

AKIRA 撮影=岩間辰徳

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2008年に俳優デビューして以来、今年で9年目、来年には節目の10年を迎えるAKIRA。『ちゃんと伝える』で日本批評家大賞新人賞受賞後、主演ドラマ『GTO』、代表作のシリーズ『HiGH&LOW』など、幅広い役柄で活躍。最新出演映画『たたら侍』のキーマンとなる武士・尼子真之介役では抑えた演技を披露し、役者としてのキャリアを重ねている。インタビューにてAKIRA自身が「一番好きな映画」とも表現した初主演作『ちゃんと伝える』では、当時加入したてのEXILEでパフォーマーとしていることの自分と、撮影現場での自分にギャップを感じていたと心中を明かしていた。歩みを重ね、作品に貪欲に向き合い続けて数年――いつしか己の内面に目を向けるようになったAKIRAは、自分の成長そのままに「AKIRAを使いたい」と思われるような役者でありたいと語った。大人の男としての色香を漂わせながら、時折、ぎゅっと目を細め、屈託のない笑みを広げ誠実に言葉を尽くしてくれたAKIRAの、今の声をお届けしよう。

ハリウッドと日本 二つの時代劇を経験して

AKIRA 撮影=岩間辰徳

AKIRA 撮影=岩間辰徳

――ご出演の『たたら侍』はクラシックでありながら、新たな時代劇や日本映画の扉を開けたような印象を受けました。

僕も一番最初に台本を拝見したときは、またひとつ新しい時代劇のアプローチの仕方だと感じました。今まで、武士道精神や日本らしさを映し出す時代劇など、いろいろな作品があったと思うんです。ですが、『たたら侍』では「刀」というキーワードをもとに、『たたら侍』ならではの武士道精神であったり、日本の素晴らしさを語っている作品だったので、読んだときにはひとつ勉強になった感覚でもありました。

――劇中に出てくる日本独自の製鉄技術‟たたら吹き”など、初めて知ることも多かったです。

日本刀の材料である‟玉鋼(たまはがね)”(たたら吹きにより完成される唯一無二の鉄)もそうですよね。「なるほど、こういう視点もあるんだ」と思いました。

――演じた尼子真之介について、錦織良成監督よりオーダーはありましたか?

錦織監督には、「AKIRAさんには侍の中の侍を演じてほしい」と言われました。そこに視点を置いて、今まで自分がやってきた武将の取り組み方とは違う感覚では演じました。

――具体的に違うアプローチをされたんですか?

そうですね。青柳(翔)が演じる(村人の)伍介がいると、真之介はやっぱりヒーローというか、どうしても「侍の中の侍」と言うと、すごく偉大な人のように描かれがちなんです。けど、キャラクターを作る感覚にはしたくないなというのがありました。「刀を抜くこと=死を意味する」という台詞がありますが、自分の中ではその言葉を柱にして、「我慢する強さ」や、刀を抜かずして、解決するのが本来の侍なのではと。刀師と通じる部分のところで表現できたらと思って。具体的には、伍介のおじいさんである喜介さん(高橋長英)の背中こそが、今回の武士道精神だと捉えていたので、自分の中では目標のようにしていました。真之介も、喜介さんのような雰囲気を纏って、背中で何かしら伍介に感じてもらえるようにと、役を作っていったような気がします。

――『たたら侍』ではそんな「侍の中の侍」である真之介、一方、今年のはじめには映画『沈黙 -サイレンス-』で踏み絵を勧める役人と、期せずして武士の役が続いています。錦織監督とマーティン・スコセッシ監督の現場を経験するのは、とても貴重な機会だったのでは?

それはそれは、また全然違う経験でした!スコセッシ監督が求めていた時代劇は、宗教や人間全般を深く描く世界観でした。もちろん、撮り方も何もかも違いました。スコセッシ監督は僕が出ていたブロックだけでも、20テイクくらいやったんです。頭からお尻まで、カットは変わっているんですけど、丸々やるんですよ。

――長いシーンの間、ずっとカメラを回しているということですか?

そう、少なくとも僕のシーンはずっとやっていました。これまで僕の経験した映画の撮影では、台詞の途中から始めることが多いんですけれども、スコセッシ監督は全部通すんです。それでいて、「OK!」、「Beautiful!」、「Reset!」って言う。

――「Reset」とは、「もう1回」?

そうなんです(笑)。「OK!」、「Beautiful!」まで言っているのに、「Reset!」でもう1回始まる…というのを繰り返すんです。日本人の感覚だと、リハーサルで決まった芝居と同じことをやり続けないといけないんですけど、後々聞いたら、スコセッシ監督の「Reset!」は、「いいのが撮れた!違うバージョンをくれ!」ということで、毎回変えていいのがスコセッシ監督の手法だったそうなんですよ。

AKIRA 撮影=岩間辰徳

AKIRA 撮影=岩間辰徳

――刺激的ですね。ハリウッド版と日本版の時代劇に出演してみて、共通する部分は何かありましたか?

リアリティを追求する点は通じています。錦織監督は「黒沢映画のようなリアリティのある時代劇を作りたい」という思いがあり、スコセッシ監督は、本当に当時に忠実で細部の美術にまでこだわっていたんです。そういった意味ですと、錦織監督も一緒だなとすごく感じていました。

‟いちAKIRA”としての年輪を太くしていくこと

AKIRA 撮影=岩間辰徳

AKIRA 撮影=岩間辰徳

――映画初主演『ちゃんと伝える』で取材させてもらったときに、園子温監督が「EXILEのAKIRAでいるな」という類の愛の鞭があった、という話をされていたのがすごく印象的だったんです。


『ちゃんと伝える』は僕も一番好きな映画で、それは、もう、今でも覚えています(笑)。「お前、何だその歩き方」みたいなことを逐一言われていました(笑)。当時、僕は映画の現場にも慣れていなくて……。ちょうどEXILEに僕らが入って新体制になって、グループ自体も駆け出しでした。両方忙しかったので、オンオフができていませんでした。『ちゃんと伝える』では、僕とは真逆のものすごく素朴な北史郎という青年を演じていました。自分の中で史郎の気持ちや表情は作れていても、体の癖がついていてしまっていたりして、歩き方がEXILEのときの、ちょっとダンサーな自分が出ていたりしたんです。本来であれば、何カ月もその役の姿で行動の癖をつけていくのが当たり前ですけど、どうしてもEXILEが大事な時期だったので、ついEXILEな僕が出てしまっていたというか(笑)。

――今となってはEXILEのAKIRA、俳優や撮影現場でのAKIRAと、完全に違う顔になっているんですか?

あの当時や少し前までは……、いい意味でEXILEEXILE、俳優は俳優だとしていました。今でもそうですけど、俳優の現場のときは極力自分たちのグループの話は出さないようにしたり、行動もそうしていて。

――そうなんですね。行動というと?

踊らないとか、音が流れてもリズムに乗らないとか(笑)、単純に細かいことはあります。役者の現場にいると、ほかの俳優さんや女優さんはその道一本で勝負されている方が多いので、その方々に失礼がないようにと思っています。いちAKIRAとして丸裸でぶつかることがやっぱり一番リアルだし、そのリアルを追求するのがEXILEっぽいなっていうのも思っていて。自分がEXILEという鎧を捨てて現場にいることが、EXILEの名に恥じない自分で現場に出ていることにつながるので、そういう姿勢でいました。

――では、今は?

前はぶったぎらないとダメだったんですけど、最近はそれを持ちつつも、あえてリンクさせているというか。今、自分は35歳で、もっともっと本当は芝居の経験も積みたいんですけど、グループの活動もしているので、1年に1~3本出演させてもらえたら、すごくありがたい状況です。どうしても、ほかの役者さんと比べたら(演じるという)キャリアの差は開く一方で。どうしたら自分なりに役者として幹を太くしていけるかなと考えたときに、毎日が芝居のヒントと考えたらどうだろうと。EXILEEXILE THE SECONDの活動を全うしたり、ぶつかったりすることで、毎日いろいろ感じるものや発見があるので、‟いちAKIRA”としての年輪を太くしていくこと、人間を深くしていくことが、演技に深みを増していくことにつながると思いました。自分が求めるのは、未熟でも何か世の中の人たちに残るもの、自分がやった芝居は「オンリーだね」と言ってもらえるようなものになるためには、自分の生き様がいつもどこかに刻まれている姿勢だといいなと思っていて。目の前のことを着実にやり遂げて、芝居をできるときには自分の人間性がしっかり出るように、フル回転で役に投入させてと。いい意味で、今はリンクさせています。

AKIRA 撮影=岩間辰徳

AKIRA 撮影=岩間辰徳

――そう感じたきっかけはあるんでしょうか?

身内ですけど、自分が一番置かれている状況が近いのがHIROさんだったんです。HIROさんを客観的に見たときに、「こういう役をやってもらいたいな」っていうのがいっぱいあるんですよ。織田信長とか絶対似合いそうだし、マフィアの役も似合いそうだし!

――全部強めの役と言いますか(笑)。

爽やかな恋愛系のイメージはつかないですけど、強めのというか(笑)。

――HIROさんは『たたら侍』でエグゼクティヴプロデューサーを務められていますが、AKIRAさんには先ほどおっしゃった生き様という点で、ヒントを得た方だったと。

HIROさんは役者をやっていないじゃないですか。けど、以前、一緒にグループをやっていたときに、あるプロデューサーさんに「HIROさんって演技をやらないんですか?」って言われていたことがあったんです。それってHIROさんの人間性や地の力がにじみ出ているからこそ言われることだから、すごいなと。例えば、HIROさんに1シーンでも出てもらったら「強みが出るな」というようなことだと思うんです。そういう俳優さんもいいなあと感じています。もちろん芝居の現場での経験を踏むことも大事ですけど、HIROさんは日々をものすごく大事に生きている方なので、そこもひとつお手本にしてみようと思いました。これから「AKIRAを使いたい」と思ってもらえるような人であっていきたいですね。

■『たたら侍』主演・青柳翔(劇団EXILE)インタビューはこちら

映画『たたら侍』は5月20日(土)より、全国公開。

インタビュー・文=赤山恭子 撮影=岩間辰徳 スタイリスト=橋本敦(KiKi inc.) ヘアメイク=水野明美(H.M.C)

(デニムジャケット 96,000円、デニム 60,000円、セーター 120,000円、ベルト 36,000円、シューズ 参考商品 問い合わせ=ラルフ ローレン パープル レーベル(ラルフ ローレン)Tel 0120-3274-20)

プレゼント情報
AKIRA​サイン入り『たたら侍』プレス 1名様に
 
AKIRA 撮影=岩間辰徳

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作品情報
映画『たたら侍』
 
監督・脚本:錦織良成
エグゼクティヴ・プロデューサー:EXILE HIRO
出演:青柳翔、小林直己、田畑智子、石井杏奈、
高橋長英、甲本雅裕、宮崎美子、品川徹、でんでん、氏家恵、橋爪遼、安部康二郎、
菅田俊、音尾琢真、早乙女太一、中村嘉葎雄、佐野史郎、豊原功補、山本圭、笹野高史、
AKIRA/ 奈良岡朋子 / 津川雅彦
配給:LDH PICTURES
 
【あらすじ】
​1300年の時を経て今日まで伝わる、唯一無二の鉄「玉鋼」を生み出す技「たたら吹き」。伝説の地・奥出雲でその伝統を守ることを宿命づけられた男が、侍にあこがれて旅に出た。のちに人はその若者を「たたら侍」と呼んだ。日本伝統の匠の技と気高い精神を継承することの大切さを、美麗で雄大な映像と共に描き出す。戦乱の世に、ひとりの未熟な青年が過ちを繰り返しながら生きる道を探し続ける物語。
公式サイト:tatara-samurai.jp 

(C)2017「たたら侍」製作委員会
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