櫻井孝宏、洲崎綾らを‟駆除系”が大挙襲撃？　劇場アニメ『BLAME!』初日舞台あいさつ

5月20日、劇場アニメ『BLAME!』の初日舞台あいさつが新宿ピカデリーにて開催され、霧亥役の櫻井孝宏、サナカン役の早見沙織、タエ役の洲崎綾、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督が登壇した。

『BLAME!』は、講談社『アフタヌーン』にて1997年から2003年に連載され、『シドニアの騎士』で第39回講談社漫画賞を受賞した弐瓶勉氏のデビュー作。『BLAME!』。人類が“違法居住者”として駆除・抹殺される暗黒の未来を舞台に、無限に増殖を続ける超巨大な“階層都市”で探索者･霧亥（キリイ）が孤独で危険な旅路を征く姿を描く。

劇場アニメ『BLAME!』 （Ｃ）弐瓶勉・講談社／東亜重工動画制作局

初日を迎えたことについて、櫻井は「どういう映像になるか？ ずっと完成を楽しみにしてましたが、ようやく大きなスクリーンで見られる時が来て、しかもこれだけ多くの方に足を運んでいただき、ご覧いただけてニヤニヤ笑みがこぼれます（笑）」と喜びをあらわに。早見は、「私もニヤニヤしてます（笑）。『BLAME！』って劇場の大きなスクリーンで、大迫力と素敵な音で見ていただくのにピッタリの作品だと思います。どのように感じていただけるか？」と続いた。洲崎も「（櫻井が）隣でニヤニヤしてるけど、私は内心でニヤニヤしてます。これだけ多くの方が来てくださってホッとしちゃいます。期待以上のものがギュッと詰まってる作品になっていると思います！」とアピール。

また、瀬下監督は、同作がフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭 2017、デンマークのヴィボー・アニメーションフェスティバル 2017など海外の映画祭に招待されていることについて、「名誉どころの騒ぎじゃないです！ ありがたくて、まだ受け止めきれていません。夢かも（笑）。メンタルが弱いので、（海外での評価は）あまり考えず……。今日、来てくださってるお客様に少しでも楽しんでいただけたらと思っています。『がっかりされたら…？」と昨日は眠れなかったんです」と心境を明かした。

劇場アニメ『BLAME!』 （Ｃ）弐瓶勉・講談社／東亜重工動画制作局

また、同作は、画のない状態で先に音声を収録するプレスコ方式を採用している。収録を振り返り、櫻井は「行動やアクションを伴うシーンは、みんなでディスカッションしながら作りました。走っているならどんなペースでどんな気持ちなのか？ 止まって振り返るなら何歩で止まるのか？ みんなで話しながら、ト書きを頼りに、両監督からの指示を聞きながらやっていました」と述懐。早見は「セリフがひとつで、ト書きがバーッと書かれているのが4ページ続いたりとかもありました（笑）。プレスコだと会話のテンポ、雰囲気が大事で、その場の空気感でしか生まれないものが出てくるけど、サナカンは難しいセリフが多いし、テンポよく掛け合うキャラじゃないんですね。逆に、ひとりの空間を確立することに意識を向けていました」と振り返る。洲崎は「画がない分、距離感を掴むため、通常よりも耳を大きくして、他の役者さんの声を注意深く聞くようにしていました」と答え、それぞれに収録時の工夫を明かしていた。

そんなキャストのようすについて、吉平副監督は「（声を聴きながら）目を閉じると（画がなくとも）キャラクターが動いてて、興奮しました」と賞賛。瀬下監督も「舞台演劇のリハーサルのようでしたね。サナカン役の早見さんは役への入り込み方がすごくて、場面を完全に支配してました！ 見ていただくと、目に焼き付くと思います」とコメントしていた。

作品の魅力については、櫻井が「『ハードSF』という言葉に対し、縁遠い、とっつきにくいイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、そこにこそ、この作品の面白さあると思います。人間ドラマも描かれていて、クールな冷たい世界で生きている人々のドラマでもあり、ぬくもりや体温がちゃんと伝わると思います。CGアニメーション映画の面白さが詰まった作品になっています」とアピール。吉平副監督は「『マッドマックス』のような爽快で派手なアクションもあり、普遍性を持った人間ドラマでもあると思います」、瀬下監督は「スタッフがみんな、前のめりになって大事に作った作品です、ぜひ何度も繰り返し“体験”していただければ嬉しいです」と熱弁をふるった。

そして、舞台挨拶の最後には、早見が「ちょっと待った！ 私はサナカン。お前たち、ネット端末遺伝子を持たない人間を排除する！」と、突如宣言。劇中に登場する‟駆除系”約20匹が登場して襲い掛かり、会場は盛り上がりを見せていた。

劇場アニメ『BLAME!』は２週間限定で公開中。