青柳翔への「もうちょっと面白みがあってもいい」発言に爆笑 AKIRA、小林直己が独自の役作りを語る映画『たたら侍』初日舞台挨拶
5月20日、映画『たたら侍』が公開初日を迎え、東京・新宿バルト9での舞台あいさつに主演の青柳翔(劇団EXILE)をはじめ、AKIRA(EXILE/EXILE THE SECOND)、小林直己(EXILE/三代目J Soul Brothers)、田畑智子、石井杏奈、甲本雅裕、宮崎美子、でんでん、早乙女太一、佐野史郎、笹野高史、津川雅彦、原作・脚本・監督の錦織良成氏、エグゼグティブプロデューサー・EXILE HIROが登壇した。
『たたら侍』は、戦国時代の島根・奥出雲の村を舞台に、生まれた時から伝説の鉄“玉鋼”をつくることを宿命づけられた男・伍介(青柳翔)が、葛藤や挫折を通して”真の侍”へと成長していく姿を描いた時代劇。EXILE HIROが初プロデュースを務めた作品でもある同作は、第40回モントリオール世界映画祭の最優秀芸術賞をはじめ、世界各国で19個の賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ている。
初日を迎え、錦織監督は「本物の日本映画を、という思いで作りました」と、HIROは「時代劇ですけど現代の僕らに通ずるところがたくさんあります」と作品への思いを語る。また、AKIRAは「この映画はたくさんの海外の映画祭でも上映して、さまざまな方に見ていただきましたが、今日、日本での初日が一番緊張する」とコメント。さらに「僕自身、たくさんのことをこの映画から学びました」と感無量なようす。
また、青柳演じる主人公・伍介の母親を演じた宮崎は「本当に生真面目で緊張感もあり」と青柳の人柄をたたえつつも、「でも、もうちょっと面白みがあってもいいかなって」と本音をもらす一幕も。この言葉に、青柳含む登壇者からは爆笑が起こっていた。
青柳翔
同作が第40回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞を獲得したことが話題に上ると、青柳は「海外は反応がストレートで。そのなかで評価していただけたのは素直にうれしかったです。日本の美しさや伝統を受け入れてくれた気がした」と笑顔を見せていた。
AKIRA
小林直己
そして、同作が映画初プロデュースとなったHIROは「錦織監督に想いをのせ、キャスト、スタッフに支えられて最高の映画ができたと思います。本物をどうやって表現するか、強い思いで監督と動き出したことがここにつながっているんだと感じます」と語り、錦織監督が「HIROさんに『若い人に時代劇は難しいのでは?』と話をしたとき『いや、本物を作れば若い人もきっと分かってくれる』と力強い言葉をもらいました。EXILEファンだけでなく多くの世代の皆さんに届けばこんなにうれしいことはありません」と、熱い言葉で締めくくっている。
舞台挨拶とは別に、青柳、AKIRA、小林直己、石井杏奈は作品についてのミニインタビューにも応じている。
『たたら侍』のみどころやお気に入りのシーンについて、主演の青柳は「山陰地方の美しい景色が映像として表現されています。それに、刀の材料となる玉鋼を作るシーンは職人さんたちの強い想いが乗ったシーンなので印象深かったですね」とコメント。AKIRAは「映画のテーマ『JAPAN PRIDE』をもとに、日本の美しさを表現した映像美やメッセージが込められているところだと思います」、小林は「主人公・伍助の表情です。葛藤が現れる顔に青柳さんの役者としての深みを感じ、学ばせていただきました」とそれぞれに思いを明かす。また、主人公・伍介の許嫁・お國を演じた石井は「ラスト付近の雨のシーンです。撮影も大変でしたが迫力がすごくて。あとは舞のシーンも注目してもらいたいですね。朝日や夕日をバックに踊る、お國ならではの世界があります」と語る。
役づくりについて、苦労した点をたずねられると、青柳は「時代劇の主人公ではあるけれど、強くて敵を倒す役ではないので、その点はとても難しかったです。自分の演じ方で見え方も大きく違ってくる役柄なので」と説明。AKIRAは監督からは侍のなかの侍を演じてほしいと言われました。そのため侍のあり方を表現するために、真剣を使って稽古をしました。苦労しましたが、刀の怖さであったり、刀を抜くということの精神を学ぶことができたと思います」とエピソードを語った。また、小林は「僕は村長の息子として、その地に生まれてその地でいつか死んでいく役です。土地の空気をまとうために、撮影前に現地に多く行くようにして裸足で山を歩いたりしましたね」と、独自のアプローチを明かしている。石井は「舞を覚えるのに苦労しました。撮影前に何度も練習日を作りたくさん踊りました。常に筋肉痛で大変でしたが、素敵な経験になりました」と振り返る。
最後に、EXILE ATSUSHI作詞と歌唱、久石譲が作曲した主題歌「天音」についてもコメント。青柳は「『たたら侍』の世界観やメッセージをすべて包み込んでくれるような曲で、映画が終わった後、メロディーが頭から離れない、どこか懐かしくもあり暖かくもあるすてきな曲だと思いました」、AKIRAは「久石譲さんとATSUSHI君ならではのコラボレーションで、本当に壮大なスケール感を出している、映画を何倍にも引き立ててくれる曲です。ハリウッドプレミアのときには、楽曲にお客さんがよいしれていたような光景もありました。世界の方々に、海を越えて日本語で届くすばらしい主題歌です」、小林は「この映画で伝えたいメッセージそのものです。主人公伍助はとにかく人生に迷い、失敗を繰り返す。そうした人間の歩みや成長、親と子、世代の継承などがしっかりと込められています」、石井は「日本人でよかったと思わせてくれる。TSUSHIさんの歌声によってその気持ちがさらに大きくなります。歌詞にも映画の世界観が反映されていて、曲を聞くとまた映画が見たくなりますね」と、それぞれが映画を締めくくる楽曲への想いを語った。
映画『たたら侍』は上映中。
監督・脚本:錦織良成
1300年の時を経て今日まで伝わる、唯一無二の鉄「玉鋼」を生み出す技「たたら吹き」。伝説の地・奥出雲でその伝統を守ることを宿命づけられた男が、侍にあこがれて旅に出た。のちに人はその若者を「たたら侍」と呼んだ。日本伝統の匠の技と気高い精神を継承することの大切さを、美麗で雄大な映像と共に描き出す。戦乱の世に、ひとりの未熟な青年が過ちを繰り返しながら生きる道を探し続ける物語。