GLAY、「見つけてくれた」YOSHIKIへエールも ツアーファイナル・千葉公演をレポート

レポート
音楽
2017.5.29
GLAY・TERU

GLAY・TERU

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『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2017-Never Ending Supernova-』 2017.5.16(tue) 千葉・市川市文化会館

今年結成30周年、メジャーデビュー23周年となるGLAYが5月16日、千葉・市川市文化会館にて『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2017-Never Ending Supernova-』のファイナルを迎えた。このツアーはもともと『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016“Supernova”』として2016年1月にスタート。その後、復興支援を含む追加公演が加わり、さらには10公演が追加。延べ1年半、全49公演(5月24、25日の石川・金沢歌劇場での振り替え公演、および追加公演を含めると全51公演)にも及ぶロングランツアーとなった。そのファイナルであり、しかもGLAYが市川で公演を行うのは10年ぶりとなる。

超満員の会場は開演前から熱気充満。待ちきれなくなったオーディエンスが場内に流れるSEに合わせて手拍子を始めると、あっという間にそれは2100人の大きな手拍子に。ハッピーな雰囲気の中、その手拍子に促されるように客電が落ち、ステージにメンバーとサポートドラマーのTOSHIが手を振りながら登場。会場は大歓声に包まれた。

「ウォ~オ、オ~」とTERUが歌い出し、「市川、行くぞ!」と叫んで、ライブは『ファイナルファンタジーXIV光のお父さん』の主題歌にもなっている最新配信曲「the other end of globe」から幕開けした。アコースティックギターを掻き鳴らしながら歌うTERUの歌声があたたかくダイナミックに伸びていく。続く「THE FRUSTARED」では、1曲目で広がった爽やかさを一瞬でかき消すような、怪しげな世界観が出現。HISASHIのソリッドなギターとTAKUROの大人っぽいカッティングギターの絡みもスリリングだ。

GLAY

GLAY

「市川! ただいま! いやもう、1曲目2曲目からすごいね! ファイナルだもんね。ファイナルと言っても追加公演もあるけど(笑)。でももともとファイナルのつもりで市川(市文化会館)を2日間切ってあるんで、ファイナルの気持ちで盛り上がっていこう! 今日はね、新旧織り交ぜて、新曲ももちろんやっていきますけど、懐かしい曲もお届けしますんで、楽しんでいきましょう!」(TERU

その言葉通り、今回のセットリストは新曲からお馴染みの定番曲まで、多彩な曲が並んでいた。そんな中、新曲達が“今のGLAYだからこそ出せるテイスト”を光らせていたのはもちろん、例えば「BE WITH YOU」や「SOUL LOVE」といった20年近く前からの不動の定番キラーチューン達も全く色あせない……どころか、より輝きを増していたのは、バンド自体が結成30年経った今なお進化し続けているからだろう。だからこそ、どの曲も常にアップデートされ、新鮮な感動を与えてくれるのだ。これも定番中の定番曲である「MERMAID」では、TAKUROJIROが向き合ってギターとベースを弾いたり、TERUがステージ両脇に突き出た客席に近いスペースで歌ったりと、魅せ場も満載。会場を沸かせた。

中盤ではTAKUROによるMCも。1993年に市川のライブハウスに出演した際、X JAPAN(当時X)のYOSHIKIに声を掛けられ、それが今に繋がったと話すTAKURO。「そんな俺達を見つけてくれたYOSHIKIさんが今日まさに(頸椎の)手術をするということで、千葉県館山出身のYOSHIKIさんに地元のみんなからも声を届けてくれますか? でもあんまりね、しんみりしたことが嫌いな人なんで、やっぱり届ける言葉はアレしかない」。そう言うと、TAKUROは「We are!」とシャウト。それに対して何の打ち合わせもないまま「X!!」と応え、両手でX印をつくるオーディエンス。なんという阿吽の呼吸っぷり。HISASHIも「We are!」と叫んで、オーディエンス「X!!」。TERUも「We are!」「X!!」。何も知らずにこの場面から観た人は、一瞬、会場を間違えたと思ったかもしれない……が、これだけ熱のこもったシャウトなら、きっとYOSHIKIのもとに祈りが届いたに違いない(翌日、手術無事成功のニュース)。ちなみにJIROは「We are!」「X!!」の後に「We are GLAY!!」とシャウト。MCも無事着地した。

「FRIEDCHICKEN&BEER」「WORLD END」とアッパーなナンバーを2連打した後は、聴かせるゾーンへ。その前にTERUがこんな話をした。「今度出るアルバム『SUMMERDELICS』には収録されないんですけど、(音源で)発表する前に、みんなで同じ空間で愛情を注ぎ込んで大きなバラードにしていきたいと思える曲が誕生しました。僕らのこれからのテーマでもある、みんなと一緒に生きていきたいという想いでお届けします」。その言葉に続けて披露された音源未収録の新曲「あなたといきてゆく」は、包容力のあるロッカバラード。生まれてあまり時間が経ってない現時点でも十分沁みるいい曲だったが、これが今後どんなふうに育って行くのか、また1つ楽しみが増えた。

後半は再び勢いを加速。「XYZ」の前にはTERU指導のもと会場がコーラスの練習を。このツアー中はずっと2声のコーラスでやってきたようだが、TAKUROが「今日は3声でやってみようか」と提案して、会場が男性パート、中間パート、女性パートの3声に分かれて練習。それを合わせると綺麗なハーモニーになり、「すげー気持ちいい! なんで今までやらなかったんだろう? なんで最後の最後(のファイナル)に言うかな」とTERUが独り言のようにつぶやき、笑いを誘っていた。「HIGHCOMMUNICATIONS」では上げた左手に右手をクロスさせるお馴染みの“振り”で一体化。定番曲「誘惑」ではこの日何度目になるのか、メンバー全員がステージ最前列まで出てきて演奏。JIROはジャンプしながらベースを弾いて魅せる。4月25日の金沢歌劇場ではドクターストップがかかり出演できず、その体調が心配された彼だが、もはやそんなこともだいぶ前のことに思えるほどステップも軽やかだ。これまた定番曲の「ピーク果てしなく ソウル限りなく」では、TAKUROが下手へ、HISASHIが上手へ。オーディエンスは両手をワイパーのように左右に振ったり、前に降ったり。その盛り上がりはとっくにピークを越えている。

GLAY

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本編ラストの前には、これまでタイトルだけ告知され詳細が待たれていたGLAYの2年半ぶりとなるオリジナルニューアルバム『SUMMERDELICS』のリリース日が、TERUの口から発表された。「7月12日にアルバムが出ます! 今年の夏はGLAYのアルバムと共に楽しい思い出をたくさん作ってください」。会場に歓声が上がる。「そんな『SUMMERDELICS』の中から」とTERUがコールして放たれたのは、20th Anniversary year第3弾シングルにもなっている「HEROS」。骨太のロックナンバーが熱くあたたかく本編を締め括った。

アンコールは、HISASHI作詞作曲のHISASHI色濃厚な「彼女はゾンビ」から。2番のAメロをHISASHIが歌うところもポイント高し。この曲では途中“ゾンビを探せ”のコーナーが挟み込まれ、ゾンビを探す呪文が“アレキサンドロス”に決定すると、そこから[Alexandros]のヒット曲「ワタリドリ」をメンバー全員で演奏! TERUがワンコーラス歌ったところで再び「彼女はゾンビ」にリターンという展開に。楽曲自体トリッキーなら、展開もトリッキーだ。JIRO曲「SHUTTER SPEEDSのテーマ」ではAメロのJIROボーカルに加え、間奏でJIROのベースソロ、HISASHIのギターソロ、TAKUROのギターソロと、それぞれ個性を発揮するのも楽しい見どころ聴きどころになっていた。そこから「彼女の“Modern…”」へ……となれば、さらなる盛り上がりは言うまでもない。

ニューアルバム『SUMMERDELICS』の内容について触れたMCでは「夏にピッタリだし、2年半の間にシングルとしてリリースされた曲も収録されていますけど、その他に新曲も半分入っていて、全14曲というボリュームなので、楽しみにしててほしいと思います」とTERUが話し、そのアルバムに収録される新曲「lifetime」を披露。ずっと支えてくれたみんなへの感謝と、またこうやって会えたら……という願いを込めて書いたという「lifetime」はハートフルなミディアムチューンで、早くも“名曲”の予感。長く愛される曲になるだろうと確信した。そしてラストは、これもニューアルバム収録曲で北海道新幹線開業イメージソングにもなっている「Supernova Express 2016」。熱狂渦巻く中、全23曲を歌い終えたTERUが叫んだ。「ありがとう! 市川! また会おうぜ! またGLAYがここ市川に帰ってくるまで、行ってきまーす!!」。「いってらっしゃーい!!」とオーディエンス。しかしそんな最後の挨拶を交わした後も、アンコールはいつまでも鳴り止まなかった。

今回のツアーで期待にいっそう拍車がかかったニューアルバム『SUMMERDELICS』を7月12日にリリースした後、GLAYは9月23日から全23公演23万人を動員する大型アリーナツアーに出発する。こちらも楽しみにしよう。
 

取材・文=赤木まみ

セットリスト
『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2017-Never Ending Supernova-』
2017.5.16(tue) 千葉・市川市文化会館
1. the other end of the globe
2. THE FRUSTRATED
3. DIAMOND SKIN
4. ASHES-1969-
5. BROTHEL CREEPERS
6. BE WITH YOU
7. May Fair
8. SOUL LOVE
9. MERMAID
10. FRIEDCHICKEN & BEER
11. WORLD'S END
12. あなたといきてゆく
13. 時計
14. XYZ
15. HIGHCOMMUNICATIONS
16. 誘惑
17. ピーク果てしなくソウル限りなく
18. HEROES
[ENCORE]
19. 彼女はゾンビ
20. SHUTTER SPEEDSのテーマ
21. 彼女の“Modern…”
22. lifetime
23. Supernova Express 2016

 

ライブ情報
『SUMMERDELICS』予約購入者限定ライブ
LSG Presents GLAY ARENA TOUR 2017 “SUMMERDELICS”前夜祭 ~微熱(A)girl Summerdelics~

9/19(火)Zepp DiverCity
■エントリーカード配布CD店舗他詳細はこちらをご確認下さい。
https://gdirect.jp/special/cdlive_summerdelics
■GLAY Official Site G-DIRECT (https://gdirect.jp/store/) でもシリアルナンバー配布中!
【シリアルナンバー配布期間】2017年5月25日(木)0:00~7月11日(火)23:59
エントリー受付期間】2017年5月25日(木)12:00 ~ 7月12日(水)23:59
https://gdirect.jp/special/cdlive_summerdelics

GLAY ARENA TOUR 2017 “SUMMERDELICS”
ツアースケジュールはこちら⇒http://glay.jp/summerdelics
※公演詳細&発売情報は特設サイトで随時更新。

Red Bull Air Race Chiba 2017 GLAYスペシャルライブ
ライブ開催日:6 月 4 日(日)
ライブ開催場所:大会会場(千葉県立幕張海浜公園)内特設ステージ
※詳細はこちら http://rbar.jp

 

リリース情報
ニューアルバム『SUMMERDELICS』
【発売日】2017年7月12日
【商品形態】

 

Special Edition

Special Edition

■    CD only盤/¥3,000(本体)+税
品番: PCCN-00028
・    CD/SUMMERDELICS
■    CD+2DVD盤/¥5,000(本体)+税
品番: PCCN-00027
・    CD/SUMMERDELICS
・    DVD/Single Track Only Live @函館アリーナ
■    5CD+3Blu-ray+グッズ 盤 (G-DIRECT限定Special Edition)/¥22,963(本体)+税
■    品番:LSGC-0002
◆    豪華BOX仕様
【SUMMERDELICS収録楽曲】
品番: PCCN-00028/PCCN-00027/LSGC-0002
【Single Track Only Live @函館アリーナ収録楽曲】
品番: PCCN-00027-2 (DVD)/ LSGC-0002-2 (Blu-ray)
【VIDEO GLAY 7収録楽曲】
品番:LSGC-0002-3 (Blu-ray)
【GLAY Documentary】
品番:LSGC-0002-4 (Blu-ray)
【HIGHCOMMUNICATIONS TOUR Supernova 16.3.4 ロームシアター京都収録楽曲】
品番:LSGC-0002-6 (CD)
【HIGHCOMMUNICATIONS TOUR Supernova reprise 16.11.10 下北文化会館
収録楽曲】品番:LSGC-0002-7 (CD)
【HIGHCOMMUNICATIONS TOUR Never Ending Supernova 17.5.4 足利市民会館収録楽曲】
品番:LSGC-0002-8 

 

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