四方八方から役者!新派版「黒蜥蜴」、喜多村緑郎「賛否両論いただく覚悟」

三越劇場 2017年6月公演 花形新派公演「黒蜥蜴」ゲネプロより。左からタンゴを踊る河合雪之丞と喜多村緑郎。

三越劇場 2017年6月公演 花形新派公演「黒蜥蜴」ゲネプロより。左からタンゴを踊る河合雪之丞と喜多村緑郎。

6月1日に開幕する六月花形新派公演「黒蜥蜴」の公開ゲネプロが、本日5月31日に東京・三越劇場で行われた。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には喜多村緑郎、河合雪之丞、春本由香、秋山真太郎、永島敏行が登壇した。明智小五郎を演じる緑郎は「初挑戦したタンゴは日本舞踊に通じるところもありました。早替えや変装などもあり、激しい立廻りや歌舞伎の所作もあります。今までの新派にはない、何でもありの“ちゃんこ鍋”のような作品になりました。ケレン味たっぷりで『こんなの新派じゃない』と賛否両論いただく覚悟もあります」と真摯にコメントした。

黒蜥蜴を演じる雪之丞は「役者もスタッフも、目の回るような大変な舞台でございますけれども、その分、お客様に楽しんでいただけると思っております。劇場のあちこちを走り回っています。どこから人が出てくるかわからないので、ご注意ください」と観客に呼びかけた。

昨年2016年に新派に入団したばかりで、今回、岩瀬早苗を演じる春本由香は「古典ではなく新しく作り上げていく作品でしたので、アクションシーンなど初めてのことだらけで大変ですけれども、足を引っ張らずにがんばりたいです」と述べる。続いて雨宮潤一を演じる劇団EXILEの秋山は「新派初参加ですが、まさかこんなに体力を使うことになるとは想像していませんでした。先輩方の教えを乞うて稽古で培ってきたものをお客様に観せていけたらと思っております」と意気込みを語った。

片桐刑事を演じる永島は「銭形警部役の永島です」と出だしから笑いを誘う。「最近、豊洲に360度から観られる劇場が完成しました。この90年以上の歴史がある三越劇場は動かないんですけれども、役者が360度から動き回って、お客様参加型の芝居に仕上がったのではないかなと思っております。絶叫マシンではないですけど、あっという間に終わる芝居になるんじゃないでしょうか」と期待を煽った。

本作は江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を原作とし、齋藤雅文が脚色・演出した新派版「黒蜥蜴」。ゲネプロでは、永島演じる片桐刑事の独白に始まり、悪党が集まる怪しげな仮面舞踏会のシーンが繰り広げられる。雪之丞が演じる、“この世の美しいものをすべて手に入れたい”と渇望する女盗賊・黒蜥蜴が妖艶な舞を踊ると乱闘が始まり、秋山演じる雨宮が体を張って黒蜥蜴をかばう。

黒蜥蜴出現の噂は明智探偵事務所にも届いていた。緑郎演じる名探偵・明智小五郎の元に、とある依頼が舞い込む。それは春本演じる岩瀬家の令嬢・早苗と、黒蜥蜴が狙っている宝石「クレオパトラの涙」を警護してほしいという依頼だった。早苗を誘拐しようと目論む黒蜥蜴と、それを懸命に阻止しようとする探偵・明智との騙し合い、トリックの連続からは目が離せない。さらに、緑郎と雪之丞が二人で踊るタンゴのシーンや変装・早替りも見どころとなっている。

後半は、大阪・新世界の歓楽街を舞台に、明智と黒蜥蜴が四方八方から襲ってくる悪党たちと激闘する立廻りが展開する。道具を使った派手なアクションを交え、逃走劇が目まぐるしく繰り広げられるほか、歌舞伎の所作“だんまり”による場面も。

終盤にかけて、探偵と盗賊という敵同士でありながら次第に惹かれあっていく明智と黒蜥蜴。壮絶な対決の果てに迎える結末を、ぜひ目撃してみては。上演時間は途中休憩を含む約3時間。公演は、6月1日から24日まで。

三越劇場 2017年6月公演 花形新派公演「黒蜥蜴」

2017年6月1日(木)~24日(土)
東京都 三越劇場

原作:江戸川乱歩
脚色・演出:齋藤雅文
出演:喜多村緑郎、河合雪之丞、春本由香、秋山真太郎、永島敏行 ほか

ステージナタリー
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