花江夏樹SPICE初インタビュー 「デジモンの世界が広がっていくように頑張りたい」
花江夏樹 撮影:中田智章
『デジモンアドベンチャー』『デジモンアドベンチャー02』の続編として制作が続いている『デジモンアドベンチャー tri.(以下デジモンtri.)』主人公である八神太一を演じる声優・花江夏樹がSPICEに初登場。デジモン世代である彼が演じる太一とは、そして間近に迫った『DIGIMON ADVENTURE FES.2017』、舞台版である、超進化ステージ『デジモンアドベンチャー tri.〜8月1日の冒険〜』について、更には趣味のことまでを語ってもらった。
――『デジモンtri.』も第4章が上映、9月30日(土)に5章が上映開始というところまで進んできましたが、丁度最初の『デジモンアドベンチャー』が始まった頃は花江さんがドンピシャの世代だと思うんですが、子供の時にデジモンとはどう関わっていましたか?
最初に出た液晶のおもちゃは、周囲のお兄ちゃんたちはやってたんですけど、僕は持ってなかったんです。アニメを見て、その後新しく出たやつを買ってもらいましたね。アニメは休みの日に朝楽しみに見ていました。
――そういった子どもの頃に見ていた作品の続編に今出ているということで、当時の花江少年に声をかけるとしたらなんといいますか?
その頃は声優になるなんて考えてもいなかったので、凄いことしてるよ!って言いますかね(笑)。
――『デジモンtri.』に出演するにあたり、過去作を見返したりしましたか?
子どもの頃の記憶しかなかったので、久しぶりにBOXを買って全話見直しました。やっぱりどことなく当時の太一の面影を残したいなとは思っていたので、太一を中心に見てましたね。
――久々に見たデジモンアドベンチャーはいかがでした?
やっぱり、あの頃と変わらず面白かったです! 大人になった今の目で見ると突っ込みどころも多かったですけど(笑)。物語がポンポン進むので、それは見ていて面白いなー!って。
撮影:中田智章
――主人公・太一役に選ばれたときはどう思われましたか?
とにかく、びっくりしました。太一はデジモンでは元気でリーダーシップを持っている子供だったんですが、『デジモンtri一』1章の太一はちょっとウジウジしているというか、大人になっていろんなことを考えてるじゃないですか。でも、オーディションのときは「いくぞ!アグモン!」とか昔のままの太一の台詞が多かったので、自分にできるかなっていうドキドキがありましたね。
――個人的には久々にアグモンと再会するシーンが好きで、あのシーンで花江さんが演じていても太一は太一なんだなと思ったんです。
あそこでやっとデジモン始まったな!って感じがしましたよね。
――自分なりの太一像や役柄の解釈などはお持ちでしょうか?
基本的には子どもの頃、デジタルワールドで冒険した思い出が一番の宝物として心にしまってあると思うんです、そこをまず大事に役作りをしていますね。久しぶりに会ったとは言えアグモンはパートナーなので、もちろん大事にしてるし、ピンチになったときは心配するし。そういうのは常に心がけていますね。
――tri.の太一は少しウジウジしてるというお話もありましたが、悩んだり葛藤したりしている彼に共感する部分はありますか?
大人になって色々考えちゃうのは当たり前のことだと思うので、周りの人を巻き込んでまでもう戦いたくない!って言う気持ちも分かるんです。でも僕としてはもっとかっこよく行けよ!って気持ちはやっぱりありますけどね(笑)。
――さて、改めて4章までを振り返っての感想をいただければ。
毎回思うのは、前の章を超えられるのかな?って事なんです。進んでいくほど面白くなってきてるし、ストーリーも深まっている。それはやりがいがありますね。
――5章も間もなく上映開始ですが、意気込みなどあれば。
昔の太一の勇気が徐々に戻ってきてる気がするんです。特に5章の太一は凄いかっこいんですよ!だから僕もこれまで以上に気合を入れてアフレコしました。収録前に監督に「この5章にデジモンアドベンチャー tri.の太一の全てを象徴する台詞があるので、ここはしっかりやってくれ」って言われた部分があって。そこは特に頑張りました。
撮影:中田智章
――そして今年も『DIGIMON ADVENTURE FES.2017(通称:デジフェス)』が行われます。昨年の感想はいかがでしたか?
去年は一昨年と違って、きちんとtri.の上映が始まった状態で皆さんの前に立てたので、よりファンの方に受け入れてもらえたって感じがありました!作品のスピンオフのストーリーを舞台上で18人のキャストで公開アフレコしましたが、それも作品が始まっていたからこそできた企画だな、と思いましたね。
――選ばれし子どもとデジモンのキャスト18名が初めて揃ったイベントだったんですよね。質問コーナーでもパートナー同士で突っ込んだりフォローしたり、キャラクターの役柄そのまま、とてもいい関係が見られました。
舞台に登場するときも、それぞれパートナー同士でペアで出たのですが、それぞれ出方にも個性があったり、やりとりが微笑ましかったり、楽しかったです。ああいうのいいですよねー!
――今年はどんなことが楽しみですか?
今年はより楽しんでいこうかなと!最初ほど緊張してないので(笑)。もちろんお仕事として舞台に立ってお話するんですけど、1デジモンファンとしても楽しみたいなと。
――好きな企画を実現できるとしたら、何かやりたいことはありますか?
そうだなぁ……デジヴァイスで対戦したいですね!(笑)。こないだtri.のキャラソンアルバムのリリース記念のお渡しイベントがあったんですけど、みなさんデジフェス行きますって言ってくれて。凄く期待されているんだなと。ファンの皆さんには、イベントに来て楽しい思い出だけを持って帰ってもらいたいので、僕らも頑張りたいですね。
――デジモンファンの方達って義理堅いというか、一途に応援し続けてくれている方が多いイメージがあります。
年配の男性から若い女の子まで、世代を超えてファンが多い作品だと思いますね。男女比も半々くらいな気がするし。
撮影:中田智章
――そんな『デジモンtri.』が舞台化もされますが、いかがですか?
超進化ステージ「デジモンアドベンチャー tri.~8月1日の冒険~」 (C)本郷あきよし・東映アニメーション (C)舞台「デジモンアドベンチャー tri.」製作委員会
(メインビジュアルを見ながら)なんか太一現実味ありますね!太一って分かるギリギリのラインのリアルを攻めてる感じがしていいですね。
――花江さんはデジモンだけではなく、出演された作品が舞台化されることも多数あると思うんですが、声優の目線から見てご自身出演アニメの舞台化というのはどう思われますか?
僕としては舞台は作品としてまた別のものだと思っています。アニメとは別の楽しみ方、別の表現があるので、純粋に一つの作品として見たいなって思いますね。実際舞台を見ていると、自分もアニメで演じたシーンも出てきたりするので、そういうときは親心が急に芽生えてしまうというか……「頑張れ!」とか「いやーここ大変だったよね!」とか言いたくなっちゃいます(笑)。
――舞台化でどういった点が気になりますか?
やっぱりデジモン達の表現をどうするのかは気になるところですよね!メインビジュアルでは思いっきりオメガモンに乗ってますが、舞台上で乗れるのかな……?って(笑)。
――太一も『デジモンtri.』で成長して大人になった部分と、子どもの頃と変わらない部分があると思います。花江さんの中には、大人になっても変わらないこと、捨てきれないものとかあるんでしょうか?
どうでしょうかね……。ゲームかなぁ。ゲームはずっとやってますね。
――最近やられているゲームは?
僕ずっと『リーグ・オブ・レジェンド』っていうのをやってまして、ちょっと他のゲームやったりしてたんですけど、最近帰ってきてずっとやってます(笑)。『ニーア・レプリカント』も面白かったですね。
――いつもゲームは好きっておっしゃってますもんね。
ゲーム好きですね!わりと洋ゲ―とかオンラインゲームが好きで、コンシューマーはそんなにやらないんですけどね。
撮影:中田智章
――自分でゲームのプロデュースをされるとしたら、作ってみたい作品とかありますか?
そうですね、今オンラインゲームのMMOってちょっと廃れてきてる気がするんです。小学生から中学くらいまでが全盛期だったんですけど、その頃の懐かしい感じをもう一回体験したいですね。
――『ラグナロク・オンライン』などでしょうか。
そうですね、『リネージュ2』とか、MMORPGの切り札的なものを作ってみたいですね。やっぱり人と人との交流がMMORPGでは主流だったと思うんですよ。チャットが凄い盛り上がるとか。そういうのをもう一回やりたいですね。
――花江さんもネット上で知り合った仲間、というのもいらっしゃるんですか?
いますね、今も凄い付き合いありますし。
――まさにデジタルワールドですね。
そうですね!(笑)
――世代的にはネットで知り合うのが当たり前になってきてますよね。
下手すればソッチのほうが多いかもしれないですね。
撮影:中田智章
――花江さんは声優としての活動のほかにも沢山の活動をされています。ここ数年で活動の幅が広がったと思うんですが、ご自身ではどんなふうに感じられていますか?
僕もこんな幅広くやらせてもらえるようになるとは思ってなかったんです(笑)。僕はどちらかというとアニメや声優としての仕事が好きなんですが、でもありがたいことに色々やってみませんか?というお声掛けが増えてきて。正直最初は不安もあったんですけど、やってみた中で自分にあっているものや楽しいと思えるものもたくさんあって。それがきっかけになって活動の幅が広がっていくのは本当にありがたいですね。
――とても忙しいと思うのですが、健康管理などは大丈夫ですか?
むしろ生活リズムが朝方になったので、おじいちゃんみたいに早寝早起きで健康的になってきました(笑)。ネットゲームをやるとどうしても深夜帯に人と遊ぶことが多いんですけど、最近は生活時間が変わったので一人でやることも増えましたし。
――今後挑戦してみたいことなどありますか?
今後やってみたいことはですね……仕事とは全然関係ないんですけど、僕マスクが好きで。
――マスク。
ガスマスクとかペストマスクみたいな禍々しいものや、スチームパンクも好きなんで、そういうアイテムを自分で作ってみたいです!スチームパンクの世界観の作品があったら出たいですね!
――マスクが好きって凄いですね。
海外でオーダーメイドで作っている職人さんに注文したりしますしね。家にペストマスク3つくらいありますよ(笑)。
――デザインフェスタとかもありますし、花江さん企画のアイテムとか出店できたりすると面白いですね。
そうですね!時計とかデザインして出してみたいですねー!
――デジモンも進化していきますが、花江さんもご自身が進化して好きなものに一日だけなれるとしたら、何になりたいですか?
うーん、美女ですね……(笑)。絶世の美女になって街に出て、チヤホヤされたいな……(笑)。
撮影:中田智章
――では、最後にメッセージを。
こうして長く続いている作品に参加させていただいているのは今でも不思議な感じなんですけど、『デジモンアドベンチャー tri.』これから5章、6章と続いていく中で、もっともっとかっこいい太一をお見せできると思います。これからもデジモンの世界が広まるように頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!
インタビュー・文:加東岳史 撮影:中田智章
日時:2017年7月30日(日)
会場:オリンパスホール八王子
出演: 花江夏樹/三森すずこ/田村睦心/吉田仁美/榎木淳弥/
池田純矢/M・A・O/荒川美穂/坂本千夏/重松花鳥/
山口眞弓/櫻井孝宏/山田きのこ/松本美和/竹内順子/
徳光由禾/森下由樹子/宮崎歩/AiM/松澤千晶
公演日程:2017年8月5日(土)~8月13日(日)
会場:Zepp ブルーシアター六本木
原案:本郷あきよし
監修:東映アニメーション
<出演>
松本岳 橋本祥平 上村海成 小松準弥 野見山拳太
オレノグラフィティ ほか
(声の出演)坂本千夏、山口眞弓、重松花鳥、櫻井孝宏、山田きのこ、竹内順子、松本美和、徳光由禾
(東映アニメーション、ポリゴンマジック、イープラス)
<情報>
価格:¥7,800(税込/全席指定)
※未就学児童入場不可
2次プレオーダー受付:2017年5月30日(火)12:00~6月5日(月)18:00
一般発売:7月2日(日)10:00~
2017年9月30日(土)より劇場上映開始