酒蔵で読書を楽しめる! 日本酒×本の意外な出会い『くらもと古本市』をレポート

レポート
2017.6.14
蔵元ショップ「セラ真澄」 会場風景

蔵元ショップ「セラ真澄」 会場風景

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新宿から特急あずさに乗り、2時間半。信州・上諏訪の地で日本酒と本がコラボレーションしたブックイベント『くらもと古本市』がはじまった(会期:2017年6月6日〜6月19日)。本イベントでは、諏訪を代表する5つの酒蔵(舞姫・麗人・本金・横笛・真澄)が会場となり、新刊から古本、リトルプレス、本にまつわる雑貨などが販売される。全国各地の本屋による選りすぐりの商品は、テーマごとに分かれて各蔵に陳列されている。期間中は、諏訪五蔵を渡り歩き、日本酒の試飲を楽しむ「酒蔵めぐり」にも参加可能だ。全国的にも珍しい、お酒と読書が同時に楽しめるイベントの魅力を、開催初日の現場からお届けしよう。

くらもと古本市vol.8 ポスター

くらもと古本市vol.8 ポスター

酒蔵の一角で、本好きと酒好きが出会う

2013年からはじまった『くらもと古本市』は、今年で8回目を迎える。イベント開催のきっかけを作ったのは真澄(宮坂醸造)の蔵元夫人で蔵元ショップ「セラ真澄」のプロデューサーである宮坂公美氏。年々、諏訪の街から個人経営の書店や酒屋が減っていく現状をうけて、住人同士の交流が途切れないよう、人が出会う場所を作って地域を盛り上げたいと考えたという。宮坂氏は「酒蔵というと、今でこそ職人以外立ち入り禁止のような雰囲気になっていますが、戦前は絵描きや書家が出入りしていた場所。宿代わりに酒蔵に泊まって、その見返りに作品を制作してもらうこともありました。いわば、文化サロンのような役割を果たしていたんです」と話す。「セラ真澄」の空間を利用して、ブックカフェのようなイベントができないかと思っていたところ、上田市にあるVALUE BOOKS(バリューブックス)が協力することになり、『くらもと古本市』が誕生した。

真澄 会場風景

真澄 会場風景

3回目からは真澄以外の四蔵も参加。普段は酒造りをしている社員の方々がレジに立ち、物販を担当している。また、舞姫や横笛では、一般人が通常立ち入れない酒蔵の二階を特別に開放し、秘密の部屋のような空間で本を探すことができる。

舞姫 二階 会場風景

舞姫 二階 会場風景

「お酒の本」から「本の本」まで
全国の本屋から酒蔵に集った本

毎年出店者が変わる『くらもと古本市』では、バリューブックスの担当者が全国各地の書店に声かけをして、北から南まで、普段はなかなか行けないような本屋からの参加を募っている。今回は長野県内をはじめ東京、神奈川、愛知、新潟、山梨県の合わせて15の書店が集まった。蔵ごとに売られる本のテーマも毎度異なる。今年は舞姫が「読書のための屋根裏部屋」となって、ハンモックでくつろぎながら読書を楽しめる場を提供している。ここでは、本好きのためにセレクトされた「本の本」が集められ、読書や本に関連した書籍や雑貨、Tシャツなどを販売している。

舞姫 エントランス

舞姫 エントランス

舞姫 会場風景

舞姫 会場風景

「三百圓書店」がテーマの麗人(れいじん)では、文字通り300円均一の古書が売られている。ベストセラー本からマニアックな専門書、大型本までヴァリエーション豊かな品揃えだ。

麗人 エントランス

麗人 エントランス

麗人 会場風景

麗人 会場風景

本金(ほんきん)は「酒本に酔う」という酒蔵らしいテーマ設定で、お酒に関するエッセイや漫画、日本酒の案内本が揃っている。酒蔵めぐりの良いお供になる一冊が見つかりそうだ。

本金 エントランス

本金 エントランス

本金 会場風景

本金 会場風景

「本と本屋とあなた」をテーマにした横笛には、日本各地の書店から届いた本が置かれ、店主の個性が光る本のセレクトになっている。珍しい古本や海外の絵本もあり、タイトルを目で追うだけでも楽しめるだろう。

横笛 エントランス

横笛 エントランス

横笛 二階 会場風景

横笛 二階 会場風景

横笛 二階 会場風景

横笛 二階 会場風景

真澄では「本屋とコーヒー」をテーマに、店内には日替わりでコーヒーショップが参加し、中庭を眺めながら一息つける席も用意されている。リトルプレスの稀少本や写真集、アート関連の書籍が多く、表紙や装丁デザインにもこだわった本が揃う。

真澄 エントランス

真澄 エントランス

真澄 会場風景

真澄 会場風景

真澄 日替わりのコーヒーショップ

真澄 日替わりのコーヒーショップ

お酒も本もハシゴできる

『くらもと古本市』スタッフの飯田光平氏(バリューブックス社員)は、「諏訪は町中に酒蔵が密集している、全国的にも珍しい場所。たくさんの本の中からお気に入りの一冊を選ぶように、ちょっとずつ各蔵のお酒を味わいつつ、気に入ったものを見つけてほしい」と話す。また、池上幸恵氏(バリューブックス社員)は「お酒目的のおじさん達が、ふらっと古本市を冷やかして帰っていくことも。ほろ酔いのお客さんが見られて面白い」と、酒蔵で開催されるイベントならではの特徴を語った。

諏訪五蔵では、「酒蔵めぐり」クーポン(1,800円)を購入すると、試飲用のグラスと手さげセットがついてくる。本探しと試飲を交互に楽しんだ夜は周辺の宿泊施設を利用し、上諏訪の温泉にゆっくり浸るのも良いだろう。

真澄 飲み比べ

真澄 飲み比べ

本や日本酒にまつわる、
ワークショップやイベントも充実

今回新たに『くらもと古本市』の会場になったRebuilding Center Japan(リビルディングセンタージャパン)では、「DIYの1ページ目」というテーマを掲げ、DIYに関する古本を取り扱っている。会期中は、店内のカフェで酒粕を使ったメニューを提供するほか、6月17日と18日にはブックスタンドを作るワークショップも予定されている。

Rebuilding Center Japan 店内

Rebuilding Center Japan 店内

Rebuilding Center Japan 店内

Rebuilding Center Japan 店内

また、6月17日には日本酒を題材にした映画の上映会も開催されるとのこと。イベントは随時更新されていくので、公式ホームページをチェックしてほしい。

都心からも比較的アクセスの良い上諏訪は、日帰りも可能だが、土日や連休を使った小旅行にもオススメだ。ほんのりお酒の匂いが漂う蔵の中で読書ができる『くらもと古本市』は6月19日まで。

イベント情報
くらもと古本市 vol.8

会期:2017年6月6日(火)〜6月19日(月)
会場:諏訪五蔵(中央本線 上諏訪駅より徒歩10分)入場無料
運営:くらもと古本市実行委員会 
公式ウェブサイト:http://kuramoto.valuebooks.jp
協賛:真澄 VALUE BOOKS
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