ラトル&ベルリン・フィルによるベートーヴェン交響曲全曲演奏会決定!
2016年5月、サントリーホールで全五公演
2001年、サー・サイモン・ラトルがウィーン・フィルとともに、日本も含めた世界数カ国でベートーヴェンの交響曲全曲演奏会を展開したことをご記憶の方も多いだろう。その後に発売された「21世紀最初の、ウィーン・フィルによるベートーヴェンの交響曲全集」は、ラトルの指揮のもと彼が持ち込んだ古楽奏法と、オーケストラの持つ伝統の力とが生み出したケミストリーが魅力的なレコーディングとして今も賞賛されている。
それから約15年の時を経て、満を持してサー・サイモン・ラトルが「ベルリン・フィルとのベートーヴェン」を日本で披露する機会が訪れる。2016年5月、サントリーホールを会場に全5公演の、ベートーヴェン交響曲全曲演奏会が発表されたのだ。ラトルとベルリン・フィルの来日では、マーラーやシュトラウスを軸としたプログラミングが多かったため「ベルリン・フィルのベートーヴェンが聴きたい」と感じていただろうファンの皆さまが待ち望んだ、最高の機会の到来である。
サイモン・ラトルはストラヴィンスキーの鮮烈な演奏で広く知られるようになったこともあり、そのキャリア初期から近現代の作品に強いイメージがある。近現代の作品を積極的に取り上げて成果を残してきた彼が、ではベートーヴェンを軽視していたかといえばそれはむしろ逆なのだ。若くしてバーミンガム市交響楽団に就任した際には「彼自身の解釈に納得できるまでベートーヴェン演奏は待ってほしい」と申し入れをしたほどに、真摯に取り組んできたのだ。そしてベートーヴェン以前の音楽へのアプローチを作り上げた上での最初の成果であるウィーンとのレコーディングが、時代を画する一組として高く評価されているのは前述のとおりだ。
また、2002年にベルリン・フィルに就任して以降のラトルがベートーヴェンを取り上げていないかといえばもちろんそんなことはない。放送もされた2013年のヨーロッパコンサートにおける「田園」は圧巻だった、日本でも2005年にNHKホールを響きで満たした巨大な「英雄」は印象的だった。そしてベルリンの壁開放25周年記念のような記念碑的な機会を捉えては何度となく第九の演奏も行っているのはご存じの方も多いだろう。そうして2002年からこれまでに蓄積されてきた経験もあって、今の彼らだからできる、新しい「ベルリン・フィルのベートーヴェン」は出来上がりつつあるのだ。
サー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団はまずこの10月に、本拠地で交響曲全曲演奏会を行う。そしてその同じプログラムを日本に持ってくるというわけだから、今回の来日公演が彼らの集大成のひとつとなることはもう疑いようもない。例によって例のごとくの入手は困難を極めることと予想されるけれど、これほどに如何なる万難を排しても臨みたい公演があるだろうか。
今からその日が待ち遠しい!と、ファンとしては素朴に言いたいところだがまずはの入手である。の一般発売は12月19日(土)から、各種先行受付はそれぞれのプレイガイドほかのご案内を参照していただきたい。
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また、今回の交響曲全曲演奏会の注目のポイントの一つとして、交響曲第九番に日本の誇る新国立劇場合唱団が参加することも挙げたい。三澤洋史の指揮のもと、オペラにコンサートにその圧倒的な合唱の力を示してきた新国立劇場合唱団にとってもベルリン・フィルとの共演は記念すべきものとなることだろう。
TDKオーケストラコンサート2016
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演
指揮:サイモン・ラトル
◆2016年5月11日(水) 開場18:30 開演19:00 サントリーホール
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」
◆2016年5月12日(木) 開場18:30 開演19:00 サントリーホール
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」 第1番 ハ長調 Op.138
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 Op.36
ベートーヴェン: 交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」
◆2016年5月13日(金) 開場18:30 開演19:00 サントリーホール
ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 Op.93
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」
◆2016年5月14日(土) 開場13:30 開演14:00 サントリーホール
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 Op.60
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
◆2016年5月15日(日) 開場14:30 開演15:00 サントリーホール
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付き」
ソプラノ:イヴォナ・ソボトカ、メゾ・ソプラノ:エヴァ・フォーゲル、
テノール:クリスティアン・エルスナー、バス:ドミートリ・イワシェンコ、
合唱:新国立劇場合唱団 <合唱指揮:三澤洋史>
※5/15公演は休憩がございません。開演時間に遅れますと、途中入場ができない場合がございます。予めご了承ください。
招聘・制作:フジテレビジョン
問合せ:クラシック事務局 0570-012-666(平日12:00~17:00)
※年末年始12/30(水)~1/3(日)休業。
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/events/berlin-phil/index.html