Suicaのペンギンからチーバくんまでが大集合 『さかざきちはる おしごと展』をレポート

レポート
2017.7.31
 左:ペンギン、チーバくんを描く(2017年)右:ペンギン、てんちゃんを描く(2017年)

左:ペンギン、チーバくんを描く(2017年)右:ペンギン、てんちゃんを描く(2017年)

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市川市芳澤ガーデンギャラリーにて『さかざきちはる おしごと展』(2017年7月1日〜9月24日)が現在開催中だ。本展覧会は、Suicaのペンギンやチーバくん、カクカクシカジカ(ダイハツ)などのキャラクターデザインを手がけたイラストレーター・さかざきちはるによる、5年ぶりの大型個展である。日頃から馴染みのあるペンギンやチーバくんの描き下ろしイラストをはじめ、フリーランスとして独立する以前の貴重な水彩画も公開されている。会場の空間設計は、東京藝術大学の美術学部デザイン科(空間・設計研究室)が手がけ、広々とした空間に、子供がくつろげるスペースも設けてある。150点以上の愛らしい作品が集う会場より、本展の見どころをお伝えしよう。

エントランス

エントランス

会場風景

会場風景

会場風景

会場風景

「ブルブル線」と「ベジェ曲線」
味わいの異なる線の魅力

さかざきちはるの描くキャラクターが持つ特徴の一つが、線の描き方である。作品の一つ一つをよくみてみると、ペンギンの輪郭はブルブル震えたような輪郭線で、チーバくんには、つるっとしたなめらかな線が使われている。自著『イラストのこと、キャラクターデザインのこと。』(2011年1月発行 ビー・エヌ・エヌ新社)に詳しく書かれているが、「ブルブル線」は手描き感を活かし、温もりを感じやすくしているのに対し、「ベジェ曲線」は、線を均一の太さにすることで、シャープで無機質な印象を与えているという。それぞれのキャラクターによって異なる線の質感にも、ぜひ注目してほしい。

ペンギンシリーズに使われているのは「ブルブル線」

ペンギンシリーズに使われているのは「ブルブル線」

ペンギンたちのイラストパネルには、ペンギンに関するちょっとしたトリビアが書かれている。また、シルクスクリーンのペンギン作品には、ペンギンが様々な場所へ遊びに行く様子や、色々な職業人に扮した姿を見ることができる。ペンギンがチーバくんを絵筆で描いたり、てんちゃん(作家の愛猫)をパソコンで描いたりしているイラストは、本展描き下ろしの新作だ。今回の展示では、さかざきちはるによる手書きのタイトルやキャプションが添えられているのも、見どころになっている。

ペンギンと美の巨匠たち(2010年)

ペンギンと美の巨匠たち(2010年)

左:COOL JAPAN(2012年)右: HOT JAPAN(2012年)

左:COOL JAPAN(2012年)右: HOT JAPAN(2012年)

そば打ち名人(2014年)

そば打ち名人(2014年)

チーバくんの誕生過程や、新作のカレンダーを発表

2017年1月11日に誕生10周年を迎えたばかりのチーバくん。今では千葉県のPRマスコットキャラクターとして多くの人に愛されるチーバくんの生まれた経緯を知ることができる。鼻の位置や色、目の大きさなどの試行錯誤を繰り返した過程を見ていると、ますます愛着がわいてくる。

展示ゾーンには、チーバくんが会場に遊びに来た際に記入したアンケートも公開中だ。さらに、これまでは横向きや正面の姿を中心に見せていたチーバくんの新しい表情として、新作カレンダーのイラストが展示されている。

ピーナッツの花が咲いたよ(2018年7月)

ピーナッツの花が咲いたよ(2018年7月)

また、東京藝術大学のデザイン科とのコラボレーション作品として、全国の都道府県の形をチーバくん仕様にしたパズルは、大胆に形状変化した姿が印象的だ。

絵本作家としてのさかざきちはるに目を向ける

キャラクターデザインとしての活躍はもちろんのこと、さかざきちはるの「言葉」の世界もまた、魅力的な一面だ。会場には、これまでに手がけた絵本が置かれ、自由に閲覧できる読書スペースも設けている。回文を使った絵本では、ユーモアに溢れる文章とイラストレーションの共鳴が笑いを誘う。

展示風景

展示風景

カクカクシカジカから「白黒さんいらっしゃい」プロジェクトまで

ダイハツのCMに登場した白いタートルネックに黒メガネをかけたシカのキャラクター『カクカクシカジカ』のコーナーでは、表情豊かなキャラクターがプリントされたTシャツが展示されている。

また、ギャラリー入口や、展示室内の至るところに猫のあしあとを見かけることができる。これは、さかざきちはるの愛猫「てんちゃん」の足あとで、会場内を自由に動き回っている様子を表現しているとのこと。

会場風景

会場風景

2017年4月にオープンしたばかりの「白黒さんいらっしゃい」というサイトでは、全国の白黒猫をあつめて、さかざきちはるによってイラスト化するというプロジェクトが現在も進行中だ。会員番号0000番は、てんちゃん。会場には12匹の猫の似顔絵がそろい、それぞれの性格やチャームポイントが記されている。

展示風景

展示風景

大学卒業後からフリーランス時代の貴重な作品も

展示別室では、さかざきちはるが藝大を卒業した後の水彩画が飾られている。実際の陶器や食器をモデルにしたり、柄や形を変えたりして再構築して描いているが、唯一「蛙陶器」だけは、作家自身の空想で描いたものだという。

蛙陶器(2000年)

蛙陶器(2000年)

さらに、一般販売はされていない貴重なSuicaのペンギンカレンダーも必見。四季折々の行事や日本の名所を楽しむ姿を、じっくり堪能してほしい。

Suicaのペンギンカレンダー(上段:2013 下段:2014年)

Suicaのペンギンカレンダー(上段:2013 下段:2014年)

文房具屋「ぷんぷく堂」とのコラボレーショングッズ

市川市八幡にある文房具屋「ぷんぷく堂」とコラボレーションした展覧会オリジナルグッズは、「そえぶみ箋」と「測量野帳」の二種類が発売中だ。どちらも、ペンギンがチーバくんの絵を描くイラストが使用されている。ちょっとしたお土産にも喜ばれそうなデザインだ。

ぷんぷく堂とのコラボレーショングッズ

ぷんぷく堂とのコラボレーショングッズ

『さかざきちはる おしごと展』は2017年9月24日まで。夏の休暇には、たくさんの可愛いキャラクターに囲まれて、ほっこりする時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

イベント情報
さかざきちはる おしごと展

会期:2017年7月1日(土)〜9月24日(日) 休館日:月曜日、9月19日(火) ※9月18日(月)は開館
会場:市川市芳澤ガーデンギャラリー
開館時間:9:30〜16:30(最終入館16:00)入場料金:一般500円 中学生以下 無料
http://www.tekona.net/yoshizawa/
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