黒柳徹子に聞いた! ~黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ第31弾『想い出のカルテット~もう一度唄わせて~』
黒柳徹子
黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ第31弾『想い出のカルテット~もう一度唄わせて~』が、2017年9月からEXシアター六本木にて上演される(10月には大阪巡演あり)。本作は2011年、2014年にも上演され、今回は3年ぶりの再演。また、名優ダスティン・ホフマンが監督して映画化もされた名作だ。
物語の中心となるのは、かつてオペラ「リゴレット」で共演したことのある元オペラ歌手の4人。作曲家ヴェルディ生誕を記念するホームでのコンサートで、再び「リゴレット」の四重唱を披露しようとするが……。笑いあり、時には涙と感動ありの作品に仕上がっている。この舞台について、主演を務める黒柳徹子から話を聞いた。作品への想いや見どころについて語っていただいた。
――『想い出のカルテット~もう一度唄わせて~』への思い入れについてお聞かせください。
2011年に演出を担当してくれていた高橋昌也さんが前回の公演前に突然亡くなってしまって。「我ながらに演出がうまくいった」っておっしゃっていたので、昌也さんが亡くなられた後にも1回(2014年)、昌也さんの演出でやりました。
いろいろな四重唱の中でもこの公演で歌う「リゴレット」は1番きれいと言われているんです。だから、それをまた歌えるっていうのはいいなと思いますね。昔一緒に歌っていた4人が偶然また一緒になって、昔歌っていた楽曲をまた歌うっていうストーリーは、すごくうまくできているなと思います。過去に有名だったオペラ歌手だけど弱みがあるという設定なんです。でも、その弱みはオペラに興味がない人にも面白く感じられるんじゃないでしょうか。
――ダスティン・ホフマンさんは自ら監督して映画化しましね。
ダスティン・ホフマンさんは、この作品が舞台で上演されていることを知らなかったのでしょうか。というのも、以前に「徹子の部屋」にダスティン・ホフマンさんが来られたんですよ。私が歌っている場面の写真を見せたら「歌っているところなんてあるの?」って、すごくびっくりされていましたもの(笑)。
舞台のほうは音楽を中心にしているんですけど、映画のほうは恋愛を中心にされていましたね。私は舞台の方がうまくできているんじゃないかなと思いました(笑)。舞台で私の役と団時朗さんが演じる役が、9時間だけ結婚して別れたっていうエピソードも非常におもしろい。
――前回とほぼ同じメンバーでの再演となりますが、カンパニーの空気はいかがですか?
茅島成美さんは芸達者です。出たり入ったりが多くて、最後には歌もあるので1番大変だと思います。役もとても合っていますね。
団時朗さんはこれに関して言うと、最後の歌のシーンのときは、とにかくかっこいいですね。びっくりしちゃうくらいかっこいいです。あんなかっこいい団時朗さんを見たのは初めてです(笑)。
鶴田忍さんは前にも舞台で一緒にやらせていただいたことがあります。鶴田忍さんは茅島成美さんとも夫婦役をやっていたことがありますよ。
――コメディと言いつつも「リゴレット」の曲の内容やそれぞれの人生の生き方など、切なかったりしますよね。
そうですね。だから、ダスティン・ホフマンさんが恋愛の話に持っていったのもわかる気がします。
――舞台版と映画版、それぞれに良さがあると思われますが、舞台版の一番の魅力は何だと思いますか?
4人で歌っているところですね。華やかで贅沢だと思います。落ちぶれたとまではいかないですけど、全盛期の当時よりは少し劣って、年を重ねて家族もいない。でも、そんな中でもやっていこうという人間の強さがあります。昔の輝くような生活に比べたらそういうのはなくなったけど、でも今ここで4人が出会わなくちゃもっと哀れだったのかなと。
――ご自身が演じられるジーン・ホートンという役についてはどう思いますか?
ものすごく有名なソプラノ歌手だったんですけど、声が衰えてしまって……。彼女としてはにっちもさっちもいかない状況ですし、すごく悲劇的なことだと思います。実際問題、自分がそうだったら本当にかわいそうですよね。
――最後に作品の見どころについて教えてください。
4人しか出演していないという点でしょうね。舞台によってはすごくたくさんの方が出演していることもあるじゃないですか。でも4人だけの舞台だって、早替わりをはじめ、面白いことはいくらでもできますよ。お互いの昔を今やっとわかりあって、それぞれの幸せをみんなで見ることもできる。それがとてもうまくできている作品と思います。
取材・文=瀧澤 唯
■訳:丹野郁弓
■演出:高橋昌也
■演出補:前川錬一
■出演:黒柳徹子 茅島成美 団時朗 鶴田忍
■会場:EXシアター六本木
■日程:2017年9月29日(金)~10月15日(日)
■企画・製作:株式会社パルコ
■問合せ:<に関するお問合せ>
サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
■会場:森ノ宮ピロティホール
■日程:2017年10月17日 (火) ~2017年10月18日 (水)
■主催:朝日放送/サンライズプロモーション大阪
■問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00〜18:00)