『六本木アートナイト』初心者に伝えたい! 一人ぼっちでも楽しいアートナイトのツボ&2017年の見どころ

コラム
2017.9.8
 Photo by Mika Ninagawa

Photo by Mika Ninagawa

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今年で8回目となる『六本木アートナイト 2017』が9月30日(土)~10月1日(日)にかけて開催されます。開催時期を春から秋に移して2年目となる今年のテーマは「未来ノマツリ」。今年は写真家・映画監督の蜷川実花さんをメインプログラム・アーティストに迎え、蜷川さんによる妖艶な極彩色の作品が各地に出現するほか、多彩なアーティストのインスタレーションやパフォーマンスで夜の六本木が盛り上がります。

いまや東京の芸術祭として広く認知されている「六本木アートナイト」。でも、夜通しでアートを感じようなんて大規模なイベントは日本ではほかにないだけに、未体験の人からは「ひとりで行っても楽しいの?」といった声や、「アートに詳しくないとノれないんじゃない?」といった不安の心配も聞こえてきます。そこでここでは「六本木アートナイト」経験者の私が、様々なギモンにお答えします!

【Q1】六本木アートナイトっていつやるの?

2015年までは春の週末に開催されていましたが、2016年からは秋開催に変更。今年は9月30日(土)~10月1日(日)に行われます。「アートナイト」と称されるだけに、最も盛り上がるのは土曜の日没から日曜の日の出までの「コアタイム」の時間帯(2017年は土曜17時27分から日曜5時36分を予定)。パフォーマンスやイベントはこの時間帯に集中して行われます。

ヤノベケンジ 《ジャイアント・トらやん》 ※2009年の様子

ヤノベケンジ 《ジャイアント・トらやん》 ※2009年の様子

【Q2】六本木アートナイトって美術館で行われるイベントなの?

六本木といえば国立新美術館や森美術館といった大型美術館のほか、ギャラリーも多いアートの集積地ですが、『六本木アートナイト』は六本木の街全体が舞台。六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館をはじめ、六本木交差点やけやき坂、さらには六本木商店街も巻き込んで多彩なアートが展示されます。

また、一言にアートといっても美術館で見るようなものばかりがアートではありません。デザインや音楽、全身を使ったパフォーマンスや観衆参加型のインタラクティブな体験もひとつひとつが芸術表現。聞いて楽しむ、動いて楽しむ、美術館の中ではできないようなアート体験が満載です。さらにコアタイムを中心にアーティストと直接関われるワークショップも用意されています。

椿昇 《ビフォア・フラワー》 ※2010年の様子

椿昇 《ビフォア・フラワー》 ※2010年の様子

【Q3】『六本木アートナイト』って芸術に詳しくなくても面白いの?

純粋にアートを見に行ってももちろん楽しめるし、そうじゃなくても十分楽しめるのが『六本木アートナイト』のいいところ。公式サイトの開催趣旨には「生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案と、大都市東京における街づくりの先駆的なモデル創出を目的に開催する、一夜限りの アートの饗宴……」と記されています。これを私の体験を踏まえてさっくり訳すと、「いろんなアートをいろんなところで見せて、夜の六本木で今までにないようなお祭りをしちゃおうよ!」ってこと。お祭りで屋台の行列を観るように、あるいは音楽フェスで未知のバンドに出会うように、知識がなくても自然な雰囲気の中でアートが楽しめちゃうイベントなんです。

また、ほとんどの作品が“タダ”で見られるという懐の広さ。普通だったら鑑賞料を取りそうな芸術作品を見たり、イベントに参加するのもフリー。費用面でもハードルが低くて、アートに詳しくない人には趣味への入り口にして欲しい機会。そういうところも『六本木アートナイト』の魅力です。

日⽐野克彦 《TRIP→プロジェクト》 ※2013年の様子

日⽐野克彦 《TRIP→プロジェクト》 ※2013年の様子

【Q4】“六本木のパリピ”ばかりで何だか騒がしそう……

ズバリ、クラブ帰りのような“パリピ”さんたちも会場には確かにいます(笑)。ですが、毎年60万人以上を集めるイベントなので、パリピはその中の少数派。

『六本木アートナイト』が特別なのは“一夜限りのイベント”ということ。メインオブジェをはじめ、この夜にお披露目という作品もあるので、これを見逃さないよう多くのアート好きが集まります。深夜になるとさすがに若者が中心ですが、芸術通のオジさまオバさまたちも眠い目をこすりながら夜の六本木を訪れるのです。そのほかにもフェスカジ風の若者、「いいね!」狙いのインスタ女子、お祭り好きの外国人、あるいは何も知らずにショッピングから流れてきたような家族連れなど、本当にさまざまな人たちがアートに親しんでいます。

西尾美也 《⼈間の家》 ※2014年の様子

西尾美也 《⼈間の家》 ※2014年の様子

【Q5】“ぼっち”で行くのはちょっと寂しいかも……

実は私、アートナイトデビューの時は一人ぼっちでした。今から5年前、職場の同僚のアートナイトの話題に乗れなかったことが悔しくて(笑)、その年に夜の六本木に一人で繰り出したのです。

六本木駅から何となく人の流れに乗りつつ六本木ヒルズに着くと、22時を過ぎた時間でもものすごい人だかり。メイン会場のひとつ、六本木ヒルズアリーナに辿り着くまでにもいろいろなアート作品を目にして、周囲のお祭りムードにだんだん気分が上がってきました。そして。アリーナで待っていたのはメインプログラムの巨大オブジェ。私が初めて行った2012年は草間彌生さんの「ヤヨイちゃん」と「リンリン」が会場を見下ろすようにドーンと展示されていて、草間カラーの水玉をまとったオブジェのスケールに圧倒されたのを覚えています。

草間彌⽣ 《愛はとこしえ、未来は私のもの!》 ※2012年の様子

草間彌⽣ 《愛はとこしえ、未来は私のもの!》 ※2012年の様子

それからずっと、まずは六本木ヒルズアリーナを目指すことにしていますが、ここはイベントも最も多い会場。今年もアートナイト恒例となった「深夜の盆踊り」やコアタイムのフィナーレを飾る「クラシックなラジオ体操」など参加型のイベントが多数。会場の一体感の中で体を動かせば、たとえ一人ぼっちでも気付けばノリノリに!

だいたいいつもその後は、公式サイトで気になる作品をチェックしつつ六本木の街をそぞろ歩き……。森美術館は朝6時まで、国立新美術館と森アーツセンターギャラリーなどは22時まで延長開館しているので、昼とは違った静寂に包まれた美術館の雰囲気を楽しんでいます。

齋藤精⼀ 《アートトラックプロジェクト ハル号 アケボノ号》 ※2015年の様子

齋藤精⼀ 《アートトラックプロジェクト ハル号 アケボノ号》 ※2015年の様子

【Q6】やっぱりオールナイトで起きていられるのか心配です……

一晩で何でもかんでも見ようと気張ると疲れてしまうので、休みを挟みながら軽い気持ちで回るのがポイント。途中で疲れた時には深夜でもやっている飲食店でひと休みしましょう。この日はスタバやタリーズも夜明け前まで営業しているので、一人じゃレストランやバーに入りづらいという人も大丈夫です。

でも、そうは言っても深夜のイベント。特に女性の“ひとりぼっち”ともなれば、帰る手段がないのは不安。「終電がないのだから絶対“朝までコース”なんでしょ?」という声も多いのですが、実は深夜に都内各地(渋谷、新宿、池袋、吉祥寺、国分寺、立川)へのバスが運行されています。しかも無料(!)で乗れるという主催者の優しさ。十分に寝溜めしててもやっぱり眠くなっちゃったという時は家の近くまでバスでフェードアウトという手も。(※カフェの深夜営業および深夜バスに関しては2016年まで実施されていたもの。今年の有無に関しては公式サイトをご確認下さい)

名和晃平/⻄畠清順/デイジーバルーン メインプログラム ※2016年の様子

名和晃平/⻄畠清順/デイジーバルーン メインプログラム ※2016年の様子

【Q7】2017年のアートナイトの必見ポイントは?

「六本木アートナイト」のテーマは「未来ノマツリ」。これまでヤノベケンジ、草間彌生、名和晃平らが務めてきたメインプログラム・アーティストを、今年は写真家で映画『さくらん』や『ヘルタースケルター』の監督としても知られる蜷川実花が担当。和と洋のさまざまなモチーフを蜷川さん独特の極彩色の世界に融合させた巨大インスタレーション『Tokyo Followers 1』が3つのメイン会場に現れるほか、街なかにも蜷川さんの作品が登場します。

また、今年の新たな試みとなるのが「東南アジア・プロジェクト」。芸術の世界でも発展目覚ましい東南アジアのアーティストがワークショップなど通じて、観衆とともに作品を作り出します。そのほか、 CALAR.inkによるテクノロジーを駆使したライブペインティングショー『During the Night -よるのあいまに-』、山本洋子(バルーンランド)によるバルーンアート『アジアの花』、atnr / koeosaemeによるアーティスティックなライブイベント『SOUND & VISUAL LIVE#1, #2』など、ここには書ききれないほど豊富なプログラムが予定され、今年も多彩なアート作品が一夜を彩ります。

最後に付け加えると……私がアートナイトに行くのは「お酒を楽しみながらアートに親しめる雰囲気がある」から。いつもはアート鑑賞とお酒ってあまり結びつきませんが、六本木の街で様々なアートに遭遇し、歩き疲れたらバーでビール片手にひと休み。隣の席の人と意気投合し、何が良かったか情報交換することもあったりして、“ぼっちアートナイト”を満喫しています。今年もどんな体験に出会えるか楽しみで、今から寝溜めしちゃってます!(笑)

イベント情報
六本木アートナイト 2017
 
会期:2017年9月30日(土)10時~10月1日(日)18時
<コアタイム>9月30日(土)17:27【日没】~10月1日(日)【日の出】05:36
※コアタイムはメインとなるインスタレーションやイベントが集積する時間帯です。
場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
入場料:無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画は有料)
■一般の問い合わせ先
ハローダイヤル:03-5777-8600
公式サイト:http://www.roppongiartnight.com/2017/
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