『スカーレット・ピンパーネル』ビジュアル撮影レポート vol.3(全3回) 久保貫太郎、久保田秀敏、多和田秀弥、東 啓介、藤田 玲、則松亜海
1997年フランク・ワイルドホーンが作曲を手掛け、NYブロードウェイで初演されたミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』が、再び上演される。昨年秋、世界で活躍する演出家・ガブリエル・バリーがこの公演の為に来日して潤色・演出を務め、フランク・ワイルドホーンによる新曲も加えられた世界初の新バージョンとして上演され好評を博した。今回は、前回演出補として参加した石丸さち子が演出に加わる。
パーシー 石丸幹二、マルグリット 安蘭けい、ショーヴラン 石井一孝という主要キャスト3名は続投となる為、更に深く掘り下げた演技に期待がかかる。一方で、メインとなる他のキャストは大幅に入れ替わり、ロベスピエールとプリンス・オブ・ウェールズの二役を務める上原理生のほか、デュハースト 泉見洋平、アルマン・サンジュスト 松下洸平、オジー 久保貫太郎、ベン 久保田秀敏、エルトン 多和田秀弥、ハル 東 啓介、ファーレイ 藤田 玲というピンパーネル団の7名は全員初参加。則松亜海は、前回に引き続きマリー・グロショルツとしてピンパーネル団の活躍を陰ながら支え、彩を添える。
この度、ビジュアル撮影が行なわれたので、その模様を3回に分けてお届けする。
オジー役(ピンパーネル団) 久保貫太郎
オジー役(ピンパーネル団) 久保貫太郎
ピンパーネル団の中でもとりわけキャラクターとしての存在感を放つ役と言えば、オジーが浮かぶ。今回はどのように演じられるのだろう?と今から楽しみだが、カメラの前の久保のポージングは早くもオジーとしての片鱗をのぞかせていた。表情豊かにころころとポーズを変え、カメラマンが思わず「すごいですね~」と言ったほどだ。ユーモラスな雰囲気を持ちつつ真剣に取り組む姿勢は見ていて気持ちがいい。
オジー役(ピンパーネル団) 久保貫太郎
<久保貫太郎コメント>
『スカーレット・ピンパーネル』の出演が決まった時には嬉しくて、久しぶりに飛び跳ねました(笑)。僕にとって本格的なグランドミュージカルはこれが初めてなので、先生の所に通って歌を習い、空き時間にはカラオケで自主練習しています。先生から、「こういう気持ちを込めて」「これを意識して」とアドバイスをもらうと、下手ながらもどんどん上達するような気がして、思わず「先生!ミュージカルって楽しいですね!」と言ってしまいました(笑)。これから他のキャストと一緒に合わせて歌うのも楽しみですし、それをお客様に届けるという体験を早くしたくてしょうがないんです。
今日、衣裳を着てみて意外と貴族に見えるんじゃないかなと思いましたが、いかがでしょうか?(笑) プロデューサーからも、オジーというキャラクター的に「やせてはだめだ」と言われているので、筋肉を付けながら食べまくりたいと思います。普段なかなか着ることがないフリフリの衣裳もあるので楽しみです。
新たなピンパーネル団が一丸となって初日に向けて進化出来るように、毎日挑戦し続けたいと思います。劇場でお待ちしています。
ベン役(ピンパーネル団) 久保田秀敏
ベン役(ピンパーネル団) 久保田秀敏
この衣裳を着ると端正な顔立ちが一段と映える。「目線をはずしてみて」「ニヤリと笑って」「余裕な感じでこちらを見て」と次々に出されるカメラマンからのオーダーに、真摯に向き合って表情を作っていく。ひとつひとつの動きがなんとも美しい。真面目で一生懸命というベンのキャラクターに通じるような芯の強さを感じた。
ベン役(ピンパーネル団) 久保田秀敏
<久保田秀敏コメント>
自分の中で歌が苦手という意識があり、そこから逃げていては何も成長しないので、殻を破る為に挑戦してみようという気持ちでこのオーディションを受けました。正直、ダメもとでという感じではあったのですが、合格の知らせを受けた時は本当に嬉しかったです。30歳という節目を迎え、今年の最後をこの作品でいい感じに締めくくれるといいなと思っています。
今日の撮影で、役者は鬘や衣裳を着けることによって、役に落ちることが出来るんだなと思いました。こういう衣裳は着慣れていませんが、なんだか力がみなぎってきます。公演が近付くにつれて自分の中で焦りや緊張もありますが、今日は安心した気持ちで撮影に臨むことが出来ました。
再演ですが、新たなカンパニーとして『スカーレット・ピンパーネル』をお届け出来ると思いますので、是非観にいらして下さい。
エルトン役(ピンパーネル団) 多和田秀弥
エルトン役(ピンパーネル団) 多和田秀弥
「企んでいる感じで」「パッとひらめいた感じで」というオーダーを出される度に、瞬時に表情を変えていく。ふとした瞬間に見せる、はじけるような笑顔が印象的。きっと憧れのミュージカル作品に出演する喜びを舞台上で爆発させるに違いない。もしかしたらみんなを明るく照らすような、陽気なエルトンが誕生するかもしれない。
エルトン役(ピンパーネル団) 多和田秀弥
<多和田秀弥コメント>
ブロードウェイミュージカルのオーディションを受けるのは初めてだったので、めちゃくちゃ緊張して思ったように出来ずに悔しさを募らせていましたが、合格の連絡をいただき、芝居を評価してくださったと聞いた時は本当に嬉しかったです。これからの伸びしろも考慮して選んでいただいたと思っているので、その期待に応えられるように頑張りたいと思います。ピンパーネル団は、みんなで力を合わせて活動する集団です。その中でも個性を出していかなきゃなと思います。再演ということもあり、楽しみな気持ちと同時に作品に対しての重みや責任も感じます。前回ご覧になった方たちに「今回のピンパーネル団も素敵だね」と言って頂けるように頑張りたいです。
今日の撮影をむちゃくちゃ楽しみにしていたんですよ。ピンパーネル団の衣裳も華やかで、それを自分が着られると思うと嬉しくて。衣裳を着たとたんに背筋が伸びて身長が(更に)高くなったような気がします(笑)。衣裳や鬘を着けると、自分じゃないような感じもしますが、いよいよ始まるんだなという実感も湧いてきました。このようなミュージカルに憧れていたので、自分の大切なスタートラインになればいいなと思います。たくさんの方に愛されているこの作品の世界観を壊さずに、なおかつ新しい魅力を出していきたいです。
ハル役(ピンパーネル団) 東 啓介
ハル役(ピンパーネル団) 東 啓介
おそらくこのカンパニーで一番の高身長。パーシー役の石丸幹ニが思わず「大きいね~」と声を掛けたほどだが、ブーツを履いたら190センチを超えるのだからそれもそのはずだ。東は貴族らしさを出すのは難しいと言いつつも、手や顔の角度で次々とポーズを決めていく。時々見せる、おどけた表情はハルの可愛らしい持ち味にも通じるような気がした。
ハル役(ピンパーネル団) 東 啓介
<東 啓介コメント>
出演が決まってからしばらく時間が経ち、こうして撮影に臨むと身が引き締まる思いでいっぱいです。これから稽古が始まり、本番に向けて進んでいくのだなと、改めて実感しているところです。今日初めてお会いした方もいますが、まだ出会っていない方もいますので、そのような方たちとどのような作品を創り上げることになるのだろうかと、今からとても楽しみです。
この作品の衣裳はとても素敵で華やかですよね。衣裳を着けて舞台上で演じたりアクションしたりするのを想像するだけで楽しい気持ちになります。普段このような衣裳を着ることはまずないので(笑)、すごく貴重な機会となりそうです。今日はカメラマンの方の声に応えられるようにイメージしながらポーズをしていきましたが、やはりヨーロッパの貴族の動きを表現するのは難しかったですね。かっこいいながらも可愛くというところが、ハルという役のキャラクターでもあると思うので、どのように表現するかをこれから考えていきたいと思います。
『スカーレット・ピンパーネル』は、皆様がすごく愛している作品だと思います。僕も精一杯作品を愛し、更にこの作品が愛されるように頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ファーレイ役(ピンパーネル団) 藤田 玲
ファーレイ役(ピンパーネル団) 藤田 玲
「キリッとした表情を付けて」「誘う感じで」「ニヤリと笑って」と言われると、藤田は淡々と表情を変えていく。静かな中にみなぎる闘志。その目力からもふつふつと湧き上がるようなエネルギーを感じる。「男の子は大好きな世界だし、女の子はかっこいい男の子たちを観られる舞台だと思う」と、この舞台の魅力を語るその表情から、早く稽古をしたいという意志を読みとれた。
ファーレイ役(ピンパーネル団) 藤田 玲
<藤田 玲コメント>
出演が決まった時はとても嬉しかったのと同時に、誰もが知っているような名作なのでプレッシャーも感じました。「何役だろう?」とドキドキしていましたが、ファーレイという役を頂きました。初演は、植原卓也くんがやっていた役なんですよね。ウエタク(植原)とは、共演したこともありますし、実は高校時代の同級生なんです。僕の前の前の席に彼は座っていました(笑)。ウエタクから「殺陣などは大変だけど、名優のみなさんのお芝居を近くで見て勉強出来る、刺激的な毎日を送れる場所だよ」という話を聞き、今からワクワクしています。今日の撮影で衣裳を着て、より身が引き締まりました。猫背にならないように意識しないと、素敵な感じには見えないなと思いましたので、そのあたりを気を付けたいです。
ミュージカルの王道としても、エンターテインメントとしても、お芝居としても、どんな方がご覧になっても刺さるようなメッセージが込められている作品だと思います。ミュージカルを観たことがない方にも楽しんで頂ける舞台になると思いますので、是非この機会にご覧頂けたらと思います。
マリー・グロショルツ役 則松亜海
マリー・グロショルツ役 則松亜海
まるで絵画から抜け出てきたような美しい貴婦人が目の前に現れた。動きを付けてのポーズもエレガントに決めていく。全ての動きに無駄がなく、思わず見とれてしまうほどだ。しかしマリー・グロショルツは、アクティブな女性として描かれているため、舞台上ではかなり活発に行動する。ピンパーネル団にとっても大きな活躍を見せる役なので要注目だ。
マリー・グロショルツ役 則松亜海
<則松亜海コメント>
初演に引き続きマリー・グロショルツ役で出演出来ることを本当に嬉しく思っています。こういう形で同じ役を演じるのは初めてで、同じことをなぞるだけではいけないという焦りや不安も感じています。ガブリエルさんに加え、今回は石丸さち子さんが演出に入られるので、吸収出来ることは全部して、更に深められたらと思っています。マリーは、アクションシーンにもたくさん参加していますが、動きだけにとらわれずに、人との繋がりやそれまで生きてきた人生が見えるようにしっかり深めて演じたいと思います。
今日の撮影もとても楽しかったです。再びこのお衣裳を着ることによって『スカーレット・ピンパーネル』のセットや照明の感じを思い出しました。再演ではありますが、新たな作品が生まれることを私自身も期待しているので、そういうところをお客様にも楽しみにして頂けたらいいなと思います。
取材・文・撮影=住川絵理
【ビジュアル撮影レポート】
★vol.1 石丸幹二、安蘭けい、石井一孝
★vol.2 上原理生、 泉見洋平、松下洸平
2017年11月13(月)~15日(水) 梅田芸術劇場メインホール
2017年11月20日(月)~12月5日(火) TBS赤坂ACTシアター
■出演者
石丸幹二/安蘭けい/石井一孝/上原理生 泉見洋平 松下洸平
久保貫太郎 久保田秀敏 多和田秀弥 東啓介 藤田玲 則松亜海 ほか
脚本・作詞:ナン・ナイトン
作曲:フランク・ワイルドホーン
訳詞・翻訳・潤色:木内宏昌
潤色・演出:ガブリエル・バリー
演出:石丸さち子
公式HP http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/
公式ツイッター @pimpernel_2017
東京公演主催:TBS・梅田芸術劇場
大阪公演主催:朝日放送・梅田芸術劇場
企画・制作:梅田芸術劇場