多国籍のパフォーマンスの祭典『KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #4「家族の系譜」』を、神戸・新長田で開催
KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #4「家族の系譜」メインビジュアル [写真]岩本順平
昭和とアジアの空気を感じる一帯で、9組のアーティストが作品を披露。
神戸の中でも、韓国やベトナムなどの他国籍な文化が混じりあうマルチエスニックタウン・新長田。ここを本拠地とするダンス系のNPO法人「DANCE BOX」が、アジア各地の現代表現にスポットを当てた芸術祭『KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #4「家族の系譜」』を、同エリアで行われるアートフェス「下町芸術祭」のパフォーマンス・プログラムとして開催する。
4回目となる今回はサブタイトル通り、主に“家族”や“ルーツ”について試行する作品を紹介。様々な国籍の人々の、様々な家族の物語をテーマにした、ダンスや朗読劇や映像作品などがそろっている。中でも長田区在住の在日ベトナム人たちの声を元にした矢内原美邦(ニブロール)の戯曲を、映画『夏至』の主演女優レ・カインと、ベテラン女優の安藤朋子が朗読する『悲劇のヒロイン』(11/11)は、1日限りの公演というのも併せて、かなりレアだろう。羊屋白玉(指輪ホテル)も、アフター・アナザー・トークゲストとして参加している。
レ・カイン
また京都が生んだマルチ・パフォーマンス集団「ダムタイプ」の、最高傑作と名高い舞台『S/N』(11/11・12)のヴィデオ・ドキュメンタリー上映も必見。本作の音楽を手がけた山中透が、サウンドオペレーションを担当するので、単なるビデオ上映会とはひと味違う迫力を味わえるだろう。エイズやLGBT問題などに肉迫し、今なお伝説的に語られる作品だけに、この機会にぜひ触れておきたい。
ダムタイプ『S/N』 [撮影]Kazuo Fukunaga
その他にも、国内外の先鋭的なアーティスト計9組が参加。その中には屋外で行う無料公演や常設展示など、気軽に観ることができる企画もある。「下町芸術祭」の鑑賞と、昭和&多国籍な雰囲気に満ちた新長田の観光を兼ねて、「家族とは何か」「故郷とは何か」などについて考えさせる作品たちに、出会いに行ってみよう。
■会場:ArtTheater dB神戸、他
※公演によって日程と会場は異なる。詳細は公式サイトでご確認を。
※ジェコ・シオンポとアジア女性舞台芸術会議Ⅰは無料
※ダムタイプは前売1,000円、当日1,500円。子ども料金の設定なし
※余越保子は子ども料金の設定なし
※山下残は当日1,700円
※長田区民とdonBuri会員は、無料以外の全公演で割引あり(一般前売のみ)
■公演特設サイト:https://kacdf2017.wixsite.com/2017