熱量、魂が全力で込められた最高にエモーショナルな石毛輝 新バンドYap!!!

インタビュー
音楽
2017.11.14
石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

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 2015年11月に無期限活動休止したthe telephonesのボーカル石毛輝によるニューバンドYap!!!。昨年3月には新バンドlovefilmを結成しているだけに、たった2年での活発な動きに驚いている。石毛がメインボーカルを務め、ハイトーンボイスで踊れる音楽という事もあり、the telephonesを彷彿とする人も多いだろう。ただ、ひとつ一貫しているのは、石毛はソロ名義も含め、常にグッドメロディーを紡ぎ、歌詞にはエモーションやセンチメンタルなど様々な想いが込められていたという事。そして、何よりも音楽への強い気持ち強い愛を持っている。繊細さと頑固さを共に備え持つ石毛の誠実な言葉を、このインタビューで感じて頂けたら、何よりも嬉しい。

石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

――さて、今日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします!(ライターのテレコを観ながら)良いですね~。ソロの作品とかだと、1回カセットテープに落としたりするんですよ。そしたら、耳触りの良い優しい音になるので。

――へぇ~、そんな効果があるんですね。それこそ今回、ソロではなく、バンドに拘られたとこから話を伺いたいのですが。

始めはニューソロプロジェクトとして考えていたのですが、曲がドンドン出来るにつれ、生ベースと生ドラムが欲しくなっちゃって。最初はひとりでどこまでやるかが裏テーマだったけど、そういうのはいつか極めればいいかなって。今はバンドで弾けたいなと思えて。

――改めて、lovefilmについても伺いたいのですが、同じバンドでも弾けるというテーマでは無いですよね?

そうですね。弾けるより、曲の世界観を大切にする感じでしたし、アート寄りですね。lovefilmは試行錯誤して、弾けるのもやってみましたが、何か違うと思って。Yap!!!は「わしゃ、石毛じゃ! 何か!!」みたいな感じですから(笑)。僕がフォワードなんですよ。初期のthe telephonesに近いですね。あっ、僕よく天然と言われるんですよ。(ド天然です! (笑)(スタッフ))天然って才能というか、大体の人って天然だと思うんです。それぞれの色を持っているというか。

――演者の方は、色、カラーを持った人じゃないと面白くないですしね。でも、弾ける弾けない関係抜きで石毛君の作る曲は、どのバンドでもソロでも単純に良い曲なんですよ。

良い曲の条件って難しいんですよ。歌がある曲だったらアコギ1本でも歌った時に良い曲なのが、良い曲の条件だと思います。まっ、これはジョニー・マーの名言なんですけど(笑)。事務所の社長の誕生日を祝うライブでthe telephonesの「Love&DISCO」の弾き語りをやったんです。客席で(長島)涼平がコーラスしてくれました(笑)。良いメロディーだなと改めて思いました。

石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

――良いメロディーだし、良い歌詞なんですよ。今作も石毛君の悶々とした部分が入ってるじゃないですか。「If I’m a Hero」での和訳でいうと、「でも俺はヒーローじゃないのさ ごめんよ 分かってると思うけど ごめんね 俺はクソなんだ」とか。

「中学生か!」みたいな歌詞ですよね(笑)。精神年齢は歳を取ってないです。ロマンチックと言われるのが好きかどうかはわからないけど、こういうノンフィクション的な内容は出てきますね。それにクソだからこそ、音楽を作り続けているんですよ。まっとうだったら、ロックをやってないですね。ネクラのオタクが音楽という武器を手にして、「ワ~!」ってやってるのがいいんですよ。カート・コバンもジョン・フルシアンテも、そうじゃないですか。

――とにかく石毛君は音楽が好きという印象が昔からあります。

ハードロックヘビメタ生まれヒップホップ経由パンク育ちで、成人したら電子音楽が好きになってという感じですね。Yap!!!の様な弾けたロックをまたやりたくなるとは思ってましたが、こんなに早くなるとは思ってませんでした。まぁ、趣味が音楽しかないですから。それに良い音楽を聴いてるとワクワクして、クリエイティビティーに繋がって、音源を出そうかなとなるんです。

石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

――さっき涼平君の話も出ましたが、the telephonesを活動休止をしていても、しっかりと繋がりがあるのは良いですよね。

Yap!!!のベース汐碇真也くんを誘った時も涼平に相談しました。涼平が彼はいいやつかな?って言ってて)。実際、真也くんはめちゃくちゃいいやつでした。活動休止をしてようと、お互いに刺激を与え続けられてないと意味ないですし、その方がお互いにかっこよくいれますから。活動休止してから2年経ちましたが、未だにメンバー4人で定期的に呑んでいますよ。

――Yap!!!がフレンズと対バンするのも良いなって。

対バンできないと意味ないですから。ただの友達同士ではなく、ミュージシャン同士でいたいので。そういうプロのプライドは持っていたいですね。どうしてもthe telephonesと比べられますし、そこは戦いですよね。勝ちたいので。

――Yap!!!は、とにかく躍動感が伝わってくるんですよね。

2月の時点で14曲ありましたし、2日で1曲書いていましたから。聴く人に「石毛キタ~!!」と思って欲しかったので。

――特に自分でもキタ~!! と思えた楽曲は何ですか?

「If I’m a hero」ですかね。前半と後半の展開が違うし、AメロAメロ間奏サビサビみたいな構成なんですが飽きないし、高揚感があるんですよ。難しい事をしていても、サラッと聴けるのが個人的にも好きで。鮨でも鯛に隠し包丁を一寸入れてるみたいな!

――(笑)。ちゃんと難しい事というか、手間をかけてるけど、良い意味でキッズがシンプルに楽しめるみたいなのは良いですよね。

当然、Yap!!!の音楽もキッズに楽しんで欲しいですから。

石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

――あと、石毛君は昔からインタビューし甲斐があるというか、しっかりとした自分の言葉を持って自分の音楽について話してくれるから好きなんですよ。

一緒に話すライターによってもインタビューの内容って違ってくるし、相乗効果が生まれますからね。自分も気になったミュージシャンのインタビューを読むのが、当たり前のカルチャーだったので。作り手が思っている事だけが100%正しい訳じゃないので。録り終わったら、キッズにしてもライターにしても自分のモノにして欲しいんですよ。子供を社会に出すというか。

――そうやって僕らが聴きこんでライブに行くと、また違った衝撃を得れるじゃないですか。そこがライブの良いところでもあって。

ライブで演奏する事で完成しますから。一番エモーションを撒き散らかして、バーンと出しますから。物凄いエモーション、熱量、魂を込めてやるので、同期の音までエモく聴こえますしね。そういうライブをするのがとても好きです。

――特に今回はスリーピースバンドなのが良いなと思っています。

僕、人生初オリジナル曲をやるバンドがスリーピースだったんです。だから原点回帰みたいな感じで楽しいんです。それに3人だと機材車も広いですから(笑)。飯食うにしても何をするにしても、行動しやすいです。それに意見が必ず割れるのが良いんですよ、3人だと。ぶっちゃけふたりには厳しめにも追究したりしましたけど、最初だからこそ言わないとなって。出会って1年ですから、お互いを理解する上で真面目に話す事が大切なので。そこをおろそかにすると、必ずしっぺ返しがくるので。ふたりもフラットに言ってくれますしね。年齢も気にならないですよ、バンドをやる上では。

――バンドの調子が良さそうですよね。

もう既に次の曲は出来てきているので、フルアルバムも期待して欲しいですね。7割くらいは出来ていますから。曲のテーマは出来ていますしね。

――the telephones時代からですが、本当に多作というか、止まらないイメージがあります。

デビューしてからの10年、the telephonesでアルバム7枚、ミニアルバム6枚、シングル2枚、ソロ名義のアルバムを3出してますからね。普段、本当にたくさんの音楽を聴きますし、聴いていて悔しい音楽がある限りは作れます。音楽に興味があるので、作れない事は無いですよ。

石毛輝 撮影=森好弘

石毛輝 撮影=森好弘

取材・文=鈴木淳史 撮影=森好弘

イベント情報
Yap!!!1st Tour 『!!! We Dance, We Rock !!!』
 
11月28日(火)
新代田FEVER  
開場 18:30 開演 19:00
ゲスト:avengers in sci-fi
:前売3,000円(Drink代600円別)
※注意事項 ドリンク代別。入場時にドリンク代(600円)頂きます。
公演などに関する問い合わせ先 LIVE HOUSE FEVER:03-6304-7899
 

 

リリーズ情報
1st Mini Album『I Wanna Be Your Hero』
2017年10月25日(水)
品番:R1984-002
価格:¥1,800(税別価格)
レーベル:Romantic 1984 / UK.PROJECT inc.

01. Dancing in Midnight
02. Too Young for Love
03. If I’m a Hero
04. Street
05. Before You Leave
06. Kick the Door
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