“空を知る町”に佇むアートに会いに行こう 「安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄」をレポート

レポート
アート
2017.11.22

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札幌と旭川の中間ほどのエリアにある「空知」という町に、野外美術館「安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄」があります。

一歩足を踏み入れると、広々とした緑の丘が一面に広がり、空は抜けるように青く、そして、ふと思い出したように、ポツリポツリと安田侃(やすだ かん)の彫刻が点在しています。その広さは、どこかの自然公園かと思ってしまうほど。敷地に足を踏み入れた瞬間、「なんて気持ちいいんだろう」と思わず声が出てしまいました。

天聖 ,天氵禾(さんずいに「禾」),水の広場

天聖 ,天氵禾(さんずいに「禾」),水の広場

天氵禾(さんずいに「禾」)

天氵禾(さんずいに「禾」)

北海道の雄大さを贅沢に活かした空間。彫刻だけでなく、空間そのものが作品と言っても過言ではありません。

現在、アルテピアッツァ美唄には、野外・ギャラリーなどに約40点の安田侃の作品が展示されています。どの作品にも手を触れてOK! 大理石やブロンズの少しヒヤッとした滑らかな肌触りも体感することができます。子どもたちも作品を見て触って、走り回って、様々な楽しみ方をしていました。

中央の芝生の広場では、水辺でペットと過ごしている人や、水遊びをしている家族もいました。広々とした土地の中で、笑い声や歓声が心地よく響きます。

天氵禾(さんずいに「禾」)

天氵禾(さんずいに「禾」)

天氵禾(さんずいに「禾」)

天氵禾(さんずいに「禾」)

青い空の下にある大理石の彫刻は、白さが目にまぶしいほど。ギリシャの神殿を感じさせます。


広場の先も、思いがけず広いのです。
 
隠れ家のようなカフェもあり、奥の丘の上にも作品が点在しています。

隠れ家のようなカフェもあり、奥の丘の上にも作品が点在しています。

真無

真無

真無

真無

中には隠れるように森の中に設置している彫刻もあります。まるで宮沢賢治の『注文の多い料理店』のように、気づかぬうちに森の奥へ誘われます。

相響

相響

相響

相響

これ以上先に行っていいか不安になるような細道にためらっていたところ、先に森の奥を鑑賞していた方から「ぜひ行った方がいい」と後押しをしてもらいました。

少し滑る土の道を更に先に進むと、深い森の中にひっそりと佇む二本の門が。

天氵禾(さんずいに「禾」)

天氵禾(さんずいに「禾」)

門をくぐる前の私と、くぐった私はちょっと違う自分になるかもしれない……。そんな不思議な気持ちや冒険心を掻き立てる作品でした。

アルテピアッツァ美唄が誕生したのは1992年のことです。もともと炭鉱の町として栄えていた美唄でしたが、炭鉱業の衰退とともに町の活気は失われ、多くの小学校が閉校となりました。美唄出身の安田侃が「子どもたちが、心をひろげられる広場をつくりたい」と考え、閉校となった小学校や体育館を改修し、オープンさせたのがアルテピアッツァ美唄だったのです。

めざめ

めざめ

ギャラリーとして生まれ変わった木造の旧栄小学校。廊下の窓から差し込む光はとても美しく、窓の枠の影のコントラストが際立っています。真っ直ぐ伸びる木造と廊下を、靴を脱いで歩くとキュッキュッと音を立てます。理屈でなく、身体いっぱいで感じる温かさ。ギャラリーを訪れる人たちは、誰しも懐かしさを感じるはず。

妙夢,風,相響

妙夢,風,相響

作品の説明や作品名の記載もありません。それは見た人に作品の解釈を委ねているのかもしれませんね。

校舎の1階は現役の幼稚園です。その幼稚園の中にも作品が。自然とアートに囲まれながら過ごす子どもたちは、きっと想像力豊かに育つことでしょう。

天翔

天翔

自然の中で新鮮な空気を吸いながら作品を楽しんでいると、疲れが浄化され心の中が澄み、穏やかな気持ちになります。これからの季節は紅葉が美しくなっていきます。一度行ったら、きっとまた訪れたくなる、そんな素敵な空間です。


文・撮影=堀 有希子

施設情報
安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄

住所 〒072-0831 北海道美唄市落合町栄町
TEL・ FAX 0126-63-3137
開館時間 水曜日~月曜日=午前9時~午後5時
休館日 毎週火曜日、祝日の翌日(日曜日は除く)、
12月31日~1月5日
入場料 無料
駐車場 無料
公式サイト http://www.artepiazza.jp/
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