27年ぶりの共演はベットの中から! 大竹しのぶ&風間杜夫出演『リトル・ナイト・ミュージック』製作発表
大竹しのぶ、風間杜夫
2018年4月8日(日)から東京・日生劇場にて上演される、ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の製作発表が、11月20日(月)都内のスウェーデン大使館にて開催され、大竹しのぶをはじめ、風間杜夫、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士が作品にちなんでベットに入って登壇、意気込みを語った。
本作はイングマール・ベルイマン監督の『夏の夜は三度微笑む』に着想を得たミュージカル・ラブ・コメディーで、20世紀初頭のスウェーデンを舞台に、求め合いながら滑稽にすれ違う様々な男女の愛の行方を描く。作詞、作曲をスティーヴン・ソンドハイムが手掛けてた作品だ。会見では2組のカップルが揃って登壇したが、実はカップリングがおかしなことになるという!?
愛多き女優デジレ・アームフェルト役を演じる大竹は「奇妙なシチュエーションで…」と戸惑いながらも「歌はもともと好きで、初のミュージカル出演作だった『スウィニー・トッド』でミュージカルのすばらしさに感動し、そのとき市村正親さんが『今度はデジレをやりなよ』とおっしゃってくださって。それが今回実現しました。今回はマリア・フリードマンという素晴らしい演出家が来日し、演出してくださいます。“これぞミュージカル”となる作品になれば」と抱負を述べた。
大竹しのぶ
さらに劇中で歌われる愛の歌について聞かれると「愛は永遠のテーマ。クライマックスで歌われる名曲“Send in the Clowns”は、大人の女性が思い描く「もう愛することはできないのではないか?」という複雑な愛をテーマに歌いたいと思っています。以前、お友達の作詞家の方が日本語に訳したものを歌ったことはありますが、すごく難しくて。でもジュディ・デンチや名女優たちが歌ってきた名曲、あまり気負わず歌いたいです」と微笑む。
愛に迷える弁護士・フレデリック役の風間は「初のミュージカル出演。大竹しのぶさんとは古い間柄ですが、舞台で共演するのは初めてになります。恩師のつかこうへいが『お前は絶対に踊ってはいけない役者』と言われ続けてまいりましたが、今回はダンスシーンが無いという事でお引き受けいたしました。僕の長い演劇史の汚点にならないよう努力して合格点をとりたいです。気持ちは高ぶっております」と熱く語り、また役柄について「若い妻をめとり、眩しさで手が出せない気弱な男性。デジレとは昔愛人関係にあった仲で、若妻との悩みを彼女に打ち明けることによって再び愛が復活していく。二人の愛に翻弄されながらも本当の愛に目覚めていく、大変やりがいのある作品です」と意気込んだ。
風間杜夫
フレデリックの若妻・アン役の蓮佛は「今回が初舞台でしかもミュージカル。ものすごくハードルが高い挑戦になるなあと今からドキドキしながら前向きにレッスンをがんばっています。素晴らしい共演者、皆さんと一緒にいろいろな事を勉強させていただける時間になると思っています」と挨拶。
出演のきっかけを聞かれると「舞台のオファーをいただいた時、マネージャーさんから『大竹しのぶさんが主演で…』の“主”くらいで『出ます!』と返事をしました。ずっと憧れていていつか共演ができたらと願っていたので、目の前でお芝居を作っていく過程を含めてそばで見せていただける、それだけでやりたいと思いました。返事をした後にミュージカルと分かり驚きましたが(笑)」とエピソードを明かした。
蓮佛美沙子
続いてフレデリックの息子で、義理の母である同い年のアンに恋をしてしまうヘンリック役のウエンツは「不思議な感じがします…ベットシーンを見られるのは恥ずかしいですね」と照れながらも「役作りに入っているんでしょうね、蓮佛さんがベットの中で僕の手を握ろうとしてくるんです」のコメントに蓮佛はびっくり!「嘘はやめてください!」とツッコミを受けウエンツは「確信しました、この舞台上手く行きます」とニヤリ。絶妙なやり取りで会場を和ませた。
ウエンツ瑛士、蓮佛美沙子
さらに、自分の役をどう表現していきたいかと聞かれたウエンツは「この役は一直線な性格。義理の母親に恋をして恋敵が父親、苦悩していろいろなものを失うと思っても手に入れたい愛がどれだけ素晴らしいものかというものを表現したい」と想いを吐露、続けて「日本初演の時に市村正親さんが同じ役を演じていて、何かあったら聞いてと言葉をいただいた。味方がいてくれるのは心強い」と笑顔をみせた。
ウエンツ瑛士
会見では2018年に日本との国交150周年を迎えるスウェーデン大使から大竹と蓮佛に花束が贈呈され、最後に大竹が「この作品は日本では19年ぶりに復活します。本当に楽しいミュージカルです。愛についていろいろ考える作品になるよう、一生懸命皆でがんばりますので、劇場にいらしてください」と締めくくった。
ウエンツ瑛士、風間杜夫、スウェーデン大使、大竹しのぶ、蓮佛美沙子
取材・文・撮影=谷中理音
■会場:日生劇場
■作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム
■脚本:ヒュー・ホイラー
■演出:マリア・フリードマン
■出演:大竹しのぶ、蓮佛美沙子、安蘭けい、栗原英雄/安崎求、トミタ栞、瀬戸たかの/木野花、ウエンツ瑛士、風間杜夫 ほか
■公式サイト:http://www.tohostage.com/alittlenightmusic/