【“SAI”クイックレポ】Dragon Ash クライマックスに向け“バンドマン賛歌”がアリーナを歓喜で包む
Dragon Ash
ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 Dragon Ash
長かった1日もいよいよ最終盤。最新アルバムの1曲目「Majestic」をSEに登場したDragon Ashは、ステージに並ぶだけですでに圧倒的な存在感を放っていた。パフォーマーのATSUSHIがバンドロゴをかたどったフラッグ掲げると、「Stardust」からライブはスタート。激しくも美しい轟音が一瞬にしてその会場に熱狂と歓喜の渦を巻き起こしていく。間髪入れず「Mix It Up」へ。25年間にわたりライブハウスシーンの最前線を全速力で走りながら、いまなおバンドの最新形を更新し続けるバンドの最強のライブアンセムが、その名の通りアリーナをぐちゃぐちゃに搔き乱していった。
Dragon Ash
決してリスナーを置き去りにすることのないDragon Ashの強い包容力を確認するような「Ode to Joy」では、その間奏でKj(Vo/Gt)が「『SAITAMA ROCK FESTIVAL』に大きな歓声を! 20年やったACIDMANにバンドマンである証明を!」と叫ぶと、なんと途中からACIDMANの「ある証明」のカバーに変わっていた。同じ時代で共闘する盟友に寄せて、言葉ではなく音楽でその道のりを祝福するという、あまりにもDragon Ashらしい粋な計らい。これはおそらくこの先も二度と見ることのできない名シーンだったと思う。
Dragon Ash
Dragon Ash
「たとえばさ、何かの拍子に手に入るものってあると思うの。奇跡的に宝くじが当たったら1億円手に入るかもしれねえし、すげえ気があったら高嶺の花みたいな子とチューできるかもしれねえし。でも……板の上でロックバンドを365日続けて、それをかける20しないと、ロックバンドでメンバー変わんねえで、20周年なんてできねえの。マジで死ぬほど拍手してあげて」と、Kjは息を切らしながら優しく語りかける。
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「出てるやつも同期ぐらいのやつが多いから、みんな気持ちがわかる。いろいろなことをやって、いろいろな景色を見て、20年やってる。這いつくばって汗かいてるバンドマンを応援してあげてください」。そう言って届けたラストソングは「Fantasista」。そこでトーキョータナカとTAKUMA、さらに一悟もステージに乱入するというサプライズは、ひとつの時代を共に築きあげてきたバンドマンたちの強い絆を改めて確認するピースフルなフィナーレだった。
取材・文=秦理絵 撮影=石井麻木、山川哲矢
1. Stardust
2. Mix It Up
3. Ode to Joy
4. The Live
5. Jump
6. Fantasista