JamFlavorインタビュー 南流石を迎えた初のワンマンツアー、ストリートからの軌跡を語る
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JamFlavor 撮影=大塚正明
2016年3月に、ミニアルバム『恋い焦がれ恋に瀕死』でメジャーデビューした、関西発の男女ユニット・JamFlavor。地元大阪での地道なストリートライブを重ねつつ、m-flowのカバーソング「come again」がラジオなどで注目を集め、今年12月には、大阪と東京で初のワンマンツアー『Just Craaazy???』を予定している。メンバーであるMA’LILとHODAKAの2名に、活動秘話やワンマンツアーへの意気込みについて、たっぷりと語ってもらった。
ーーまずは、JamFlavorが結成に至った経緯を教えてください。
MA’LIL:もともと、お互い長年ソロで活動していたんです。私はソロのほか、バンドの経験もありました。
HODAKA:僕はクラブシンガーとして、DJイベントなどに出ていました。それで、たまたま共通の知り合いにMA’LILを紹介された時、彼女はまだ高校2年生だったんです。それからしばらくは疎遠だったんですけど、僕が今の事務所に所属する時に、「女の子と組んでみたら?」と提案されて。それで久しぶりにMA’LILの音源を聴いてみたら、知りあった頃より成長して歌声も大人っぽくなっていたし、是非一緒にやりたいってなったんです。
ーーMA’LILさんの魅力とは?
HODAKA:一番は声質ですね。日本人女性の声って、細いと尖った声になって、太いと女らしさがなくなってしまう人が多いと思うんです。でも、MA’LILの声は女性らしさが残りつつもまろやかさがあって、なかなか日本人にはないような声かと思います。あとは、ルックスですね(笑)
JamFlavor 撮影=大塚正明
ーーでは、逆にMA’LILさんから見たHODAKAさんの魅力とは?
MA’LIL:私も、HODAKAの声質がすごく好きなんです。彼はブラックミュージックやヒップホップといった洋楽に詳しいし、声色も結構黒人寄りというか。いわゆる日本人男性が出す声質とは全然違って、あまり聞いたことがないタイプだなと思います。あとは、歌えてラップもできるところですね。ラッパーは歌が苦手だったり、歌えてもラップはできないという人も多いので、両方できるのは武器やなと思います。
HODAKA:僕は、ソロの時もラップはあんまりしていなかったんです。高校生の頃からヒップホップを中心に聴いていたんですけど、その後R&Bに惹かれてシンガーになったので。だから、音源としてラップを披露するのは、JamFlavorが初です。ただ、普段からカラオケとかではラップを歌ったりもしていましたけどね。
MA’LIL:うん、趣味ではよくラップやってるイメージがあった。
HODAKA:だから、ラップにはすんなり入っていけたし、そもそも僕が「JamFlavorではラップをやる!」って言い出したんですよ。というのも、男女ユニットでふたりともめっちゃ歌う感じやと、昔のデュエットっぽいようなイメージが自分の中では抜けなくて。だから、どちらかといえば、和製版ブラック・アイド・ピーズのようなイメージで、メロディーラップと歌の差が出せればいいなと思っていました。
MA’LIL 撮影=大塚正明
ーーMA’LILさんは、どのような音楽的ルーツを辿ってきたのでしょうか?
MA’LIL:私は、だいぶさまよった時期もあったんです。アヴリル・ラヴィーン的なポップロックバンドをやっていたこともあるんですけど、やっぱりR&Bが好きやなって思って。宇多田ヒカルさんの1stアルバム『First Love』みたいな音楽が、JamFlavorをやっている中での一番のルーツになっているかなと思います。でも、R&Bといっても、私とHODAKAではちょっと路線が違うんですよ。だから、それがすごくいい感じに交わってるとも思っています。
ーーJamFlavorは、大阪を中心にストリートライブも行っているそうですが、ストリートへの思い入れはありますか?
MA’LIL:最初は、普通のライブハウスに出る時よりも、ストリートの方が怖かったんです。ライブに来てる人は歌を聴きにきてくれている人がほとんどですけど、ストリートだと、みんな用事がある中で、足を止めてまで聴いてくれるかどうかっていうのがすごく怖くて。ふたりとも活動歴は長いけど、ストリートを始めた当初は震えながらやってたよね(笑)
HODAKA:そうだね。それでも、当時JamFlavorの知名度を上げるためには、たとえ局地的ではあったとしても、ストリートをやった方がいいだろうと思ったんです。
MA’LIL:あとは、実力を試したいっていうのもあったよね。私たちのパフォーマンスがどれくらいの人の足を止められるか、挑戦してみたかったんです。
HODAKA:しかも、特に大阪では、僕らのやってるような音楽ジャンルってあんまりストリートにはいなかったんですよ。
ーー今、関西ではストリートライブをやっているようなアーティストは多いんですか?
MA’LIL:めっちゃ増えてますね。それこそ、私たちみたいなジャンルのアーティストさんがめちゃめちゃ多くて、楽器を演奏するような人は少ないように思います。
JamFlavor 撮影=大塚正明
ーーそうした活動を経て、2016年3月にメジャーデビューされてから、何か変化はありましたか?
MA’LIL:デビューしてからもストリートは続けていたので、スタンスは割と変わらず初心のままでした。デビューしたからといって、ストリートに対しての思いが変わることもなく、「実力を試す場所!」と思って続けています。
ーー今回、新たなアーティスト写真とツアーは、振付師の南流石さんがプロデュースされていますが、初めてタッグを組んだ感想は?
MA’LIL:今までの自分たちだけでは考えてもみなかったことを、南さんはたくさん提案してくださるので、いい意味でパニック状態でした。「なんでそんなこと思いつくんやろ!?」って。
HODAKA:「ライブでダンサー100人つけようか」と言われたりもしてね。そんなことまったく思いつきもしなかったので、インパクトがとにかくすごかったです。僕たちが、今まですごく狭い世界で生きてきたんだなっていうのを思い知らされました。
JamFlavor 撮影=大塚正明
ーーそんな南流石さんプロデュースのワンマンツアーですが、見どころは?
MA’LIL:大阪では、「流石組」というチームをバックダンサーで付けていただいて、振付も流石さんにやっていただいています。さらに、大阪はフルバンドで演奏する予定なので、かなり豪華になるんじゃないでしょうか。東京では、同じく「流石組」のほかに、バイオリニストのSHOGOさんにもゲスト出演してもらいます。なので、大阪と東京で、全然違ったライブになるはずです。
ーー初となるワンマンツアーに向けて、心意気を聞かせてください。
MA’LIL:東京でライブをするようになって、まだ一年も経っていないので、正直不安に感じる面もあります。でも、やっぱり自分たちがどこまでできるかを試せるいい機会かなとも思っているので。今回は、自分たちが今できることよりも上の目標を立ててきたし、守り体勢ではなく、どんどん攻めていけたらなと気合を入れてやっています!
HODAKA:10月には、配信シングル「Just Craaazy??」もリリースしたのですが、この曲は、僕らが考える“カッコイイ”を純粋に詰め込めたと思うんです。だから、このシングルとツアー、両方に自分の思いを込められて、すごくラッキーだなと思っています。
JamFlavor 撮影=大塚正明
MA’LIL:それに、JamFlavorがフルバンドでやる機会は本当にワンマンライブくらいしかないと思うので、特に大阪では、普段のライブでは見られないようなパフォーマンスができるだろうって絶対の自信があるんです。その上で、南流石さんが入っていただくことによって、これまでとはガラッと変わった雰囲気の、オシャレで洗練されたJamFlavorを見ていただけたらなと思います。
取材・文=まにょ 撮影=大塚正明
【12月8日(金) 大阪・umeda TRAD】
Drums : 藤田亮介
Bass : 正垣雄治
Guitar : 堀次一輝
Keyboards : ト部美咲
Keyboards : まななん
Saxophone : 古川翼
Trumpet : 大泊久栄
Trombone : 鈴幸穂
【12月16日(土) 東京・morph-tokyo】
Violin : SHOGO