【コラム】ボードゲームに恋して~ ROUND:1
「あのー......ボードゲームってなんですか?」
ワタクシ達ニッポンのボードゲーマーを最高に悩ますこの質問。
ボードゲーマーが大地に立つためには、まずこの疑問から解決しなければ!......と言うわけで、記念すべき(?)第1回目はこのコラムで今後語るであろう「ボードゲーム」とは一体どんな未確認ゲームXなのかをお伝えしたいと思います。
ご紹介が遅れました。ワタクシ、川口と申します。東京の西の方でボードゲームを遊ぶイベントを主催しております。
心の片隅に4ビットほど使って名前を残していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
海外で広く遊ばれている「ボードゲーム」とは?
日本で「ボードゲーム」と言うと、大抵「人生ゲームみたいな?」という答えが返ってきます。
決して間違いではありませんが、そこには「パズル」というくくりで表現される「ジグソーパズル」~「テトリス」間に匹敵する、太平洋級の隔たりが存在すると言っても過言ではありません。
ワタクシ達が遊んでいるボードゲームはこんな感じ (c)Dear Spiele
ワタクシ達が日々求め彷徨い続けるボードゲームとは、主にドイツを中心としたヨーロッパ諸国を中心に海外で遊ばれているもので、人生ゲームに代表されるような、いわゆる日本の「すごろく」のように「サイコロ振って出た目の数だけ進めるだけ!」といったものではなく、難易度の幅はあれど、囲碁や将棋のように戦略性のあるゲームで、多くのものはゲーム自体にテーマや世界観があり、子供から大人まで楽しめるような工夫が盛り込まれています。ゲームでありながらひとつの「作品」となっている感じです。
まあ、でも、そこまで戦略性にこだわらず、大人数でワイワイと楽しむものもたくさんあるかな?(笑)
......なんだか統一性の無い感じに見えてしまうかもしれませんが、日本の伝統的なボードゲームと違って、海外のボードゲームは、行動をプレイヤーの判断に委ねるシステムや、運(システム)と戦うのではなく「対人」を想定した遊び方が必ず用意されており、これにより、繰り返し遊びたくなる(リプレイ性)や、対人間のコミュニケーションを大切にしている点について共通しています。
ちょっと小難しくなってしまったので超高校生級に簡潔に言うと、「多少頭も使ってみんなで楽しくワッショイできるエンタテインメント」になっている感じです(乱暴にまとめたー!)
どうでしょう?日本のボードゲーム(人生ゲームなど)との違いが少しだけでも感じ取っていただけたでしょうか?
ダメかな......ダメダメ......
ボードゲームはみんな楽しくファミリーで
日本では「ファミコン」から火がついて、テレビゲームの文化が隆盛を極めましたが、これは言うなれば「1人ゲーム文化」といった発展のしかたかなと思っていて、子供が一人でも遊べるテレビゲームが日本の生活環境にマッチしたのではないかと思うわけですが、一方、ドイツを中心として広がりを見せているボードゲームは、家族で楽しむことを目的に作られ、発展してきた「ファミリー(多人数)ゲーム文化」と言えます。
今でもその流れは大切にされていて、ドイツのボードゲーム業界で最も権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」の選考基準は、難しすぎず、大人から子供まで一緒に遊んで楽しめる(=ファミリー向けである)点が重視されています。
家族で遊ぶということは、子供のころから習慣付けられるわけですから、プレイ人口はおのずと多くなり、それはもう膨大な数のプレイヤーがボードゲームを楽しむわけです。もう、わっさわっさです。
そのプレイヤー人口は毎年10月に開かれるドイツで最も大きなボードゲームのイベント「エッセン フェア」からも垣間見ることが出来ます。実に15万人を超える来場者が、世界各地からボードゲームを目当てに集まって、思い思いに過ごす4日間。大人から子供まで来場者の年齢層は幅広く、会場内のプレイスペースは常に満席!中庭のようになっている駐車搬入スペースでは、買ったばかりのゲームを地面に広げて遊んでいる家族なども伺うことができ、そのプレイ人口の多さ、幅広さ、層の厚さに感動すら覚えるほどです。
エッセン フェアの様子・・・奥まで満席!人!人!人! (c)Dear Spiele
また、ゲームにしても年間発売数はドイツ国内だけでも1,000個を越えるとも言われており、乱暴な言い方をすれば、こんな特盛な規模感の遊びが、つまらないわけがないのです!
エッセン フェアのゲーム屋(中古屋)さん、膨大なゲームの量です。 (c)Dear Spiele
そして、恋してしまいました
ワタクシ達が遊ぶ海外のボードゲームは、人と人とが顔をつき合わせて、コミュニケーションを楽しみ、共通の話題で盛り上がることのできるエンタテインメント系ツール。
そこに生まれるアンチクショウは、単純明快!
トキメキとドキドキとワクワクを絶妙に配合したアレ!
そう!恋心に他なりません!(え?)
というわけで、強引にまとめに入ると......
ボードゲームに恋した、いちプレイヤー(川口正志)が、ボードゲームの魅力や、ボードゲームをとりまく環境、人、などなど、この素晴らしき世界の素晴らしきエッセンスを、蚊に刺されたあとの痒み程度にお伝えできたら嬉しいなと思い、僭越ながらコラムを書かせていただくことになりました。
ボードゲームに恋して
ボードゲームを通じて見聞きしたこと、ちょっとした情報やゲームの紹介などを中心に、ボードゲームを知らない方にも記事を通して興味を持っていただけるように、なるべくゆるい文章で、ゆるーくかるーく頑張りますので、何卒、よろしくお願いします。
See You :-)