Little Glee Monsterの輝く未来　ー5人の個性が美しく混ざり合う3rdアルバム『juice』について語る

昨年末の紅白歌合戦で、初出場にして紅組トップバッターの大役を見事つとめあげ、お茶の間への浸透率を一気に上げたLittle Glee Monster（以下、リトグリ）。昨年、新体制になった彼女たちが1月17日に3rdアルバム『juice』をリリースする。“5人の声や個性がjuiceのようにきれいに混ざり合う、多種多様な音楽的要素と純度の高い歌唱力を詰め込んだ”という今作。全体を通して歌詞に《未来》《自由》《希望》という言葉がちりばめられていることに気がつく。今、10代の女の子たちの憧れの的で、目標であるリトグリ。
シンガーとしての才能やポテンシャル、家族の応援など、活動をする上で恵まれた環境に身を置いていたことは確かだと思うが、ここまでの人気を手にいれた裏には、並々ならぬ努力があったことは想像に難くない。諦めることなく夢を叶え続ける彼女たちが歌うからこそ、今作『juice』はより説得力を増して胸に迫ってくる。SPICE第2弾インタビューでは、今作のアルバムについてメンバー全員に話を聞いた。リトグリはこれからも少女たちの道標に、ガオラー（リトグリファンの呼称）の元気と愛情の源に、親世代にはあたたかい灯火に……どの世代にとってもキラキラと輝く宝石のような存在になってゆくだろう。まずはこのアルバムを聴いて、生で彼女たちの歌声に触れに、ぜひアリーナ公演に足を運んでみてほしい。

●5人になった“リトグリ”を改めてこのアルバムで見せたい

――3rdアルバム発売おめでとうございます！

全員：ありがとうございます！

――かれんさんがブログに“『juice』は3枚目だけど1枚目のような気持ちでレコーディングした”と書いてらっしゃいました。

かれん：はい。5人になって初めてのアルバムということもあって、3枚目だけど1枚目の気持ちで、「これがリトグリなんだっていうアルバムを作ろう」という気持ちでレコーディングしました。

――6人と5人とでは、違いはありましたか？

manaka：最初は戸惑いましたね。やっぱり何年もずっとメンバー全員で頑張ってきたので、これからやっていけるのかという不安もありましたし。でも新体制になっても、今の私たちにちゃんと期待してくれてる方もいて、そういう方たちのために、今やれることを全力で頑張ろうという気持ちでした。

――そう思えたキッカケは何だったんでしょう。

manaka：5人の歌割を全部整理する合宿をしたんです。その期間にみんなそれぞれの気持ちを固めて。そこからは5人でしっかりやれるところをやっていこうと思えて、けじめがついたというか……。最初は不安だったんですけど、覚悟が出来て、前を向いて頑張っていこうという気持ちになれましたね。

Little Glee Monster 撮影＝日吉"JP"純平

――今回のアルバムは特に応援ソングが多くて、聴いていてもグッときた部分がありました。

アサヒ：私たちのファンの方が同世代の方が多いというのもあって、部活や試験を頑張ってる方も沢山いて、そういう方の背中を押せるような曲を歌ってますね。

――うんうん。だから同じように夢を持つ女の子たちの道標になってるんじゃないかなと思います。特に思い入れがある曲はありますか？

芹奈：新曲ではないんですけど、シングルにもなった「明日へ」ですね。5人の新体制になって、目に見えない不安や葛藤をメンバー同士メッセージで伝え合って、manakaがそれを歌詞にして。そこから私たち5人の気持ちも１つになったなとすごく思ったし、ファンの方たちも、“リトグリはこう思ってたんだ”と私たちの気持ちを感じてくれたみたいで。私自身、ここまで1曲に対してのめり込むということが初めてだったので、これからもずっとずっと、大切な曲になっていくんだろうなと思っています。

――作詞をされたmanakaさんは振り返ってみていかがですか。

manaka：みんなのエピソードをまとめて、書き起こした感じなんですけど、やっぱりその時に悩んでたことが1人1人あって。この先の不安だったり、見えない迷い……全員が同じ気持ちだったということにこの曲で気付けたので、すごく大きかったなと思いました。

●前に進むかどうかやるかやらないかを決めるのは自分次第。そして自分を信じること。

――「明日へ」の《汚れた靴のままでいいからと 今の 僕は言えるんだ》の部分もそうですが、アルバムを通して「キミがキミらしく」、「代わりはいない」とか、「自分らしさを大切に、やりたいことをやればいいんだよ」というメッセージが多いですよね。そうしたいと頭ではわかっていても、なかなか上手くいかなかったり、自信のなさや様々な要因でブレーキをかけてしまう人もいると思うんです。

MAYU：そうですよね。だけど、そこで進むかどうかは自分次第だと思います。結果的には全部自分が決めることやし。私たちは家族が応援してくれたりとかもありましたけど、でも現実的にうまくいかないこともあると思うんです。たとえば、親御さんが心配して反対されたりする方もいらっしゃると思うんです。でもやっぱり、そこで「やりたい！」って説得して、やるかやらないかを決めるのは自分なので、まずは自分を信じることからだと思います。私たちも、それぞれ諦めないで自分を信じた結果、こうやってリトグリを4年間やってこれてますし。諦めてたら今ここにはいない。当たり前のことかもしれないんですけど、やっぱりそうだと思います。周りに惑わされてたら、そこで終わってしまうと思うので。「それでも自分はこうしたい」という意思を通すことですかね。

Little Glee Monster 撮影＝日吉"JP"純平

――皆さんも、落ち込んだりすることはありますか？

MAYU：今も昔もそこは変わらず、やっぱりありますね。

芹奈：人間って、落ち込まないと成長しないと思っていて。自分の中で壁にぶつかることによって強くなる。だから逆に挫折っていうのはすごく大切になってくるから、夢を追いかけてる子たちにはどんどん壁にぶち当たってほしいですね。

――なるほど。たくましいです。アルバムにはスガシカオさん作詞作曲のラブソング「ヒカルカケラ」も収録されていて、主人公は素直でかわいい恋する女の子の気持ちが歌われているのですが、ラブソングを歌う時に心がけていることはありますか？

芹奈：応援ソングと違って、恋愛ソングは想像しやすいように歌うのが1番だと思うから、自分の中でストーリーを作って歌うように心がけてますね。主人公を作って自分の中でなりきるというか、演じることを心がけています。

manaka：「ヒカルカケラ」はすごく素敵なフレーズも沢山ありますし、恋してる時の気持ちがすごく忠実に表現されてて、スガシカオさんは男性なのに、女性のそういう気持ちがわかりはるんやなって驚きました。この曲は、芹奈がメインで私たちがコーラスしてるんですけど、芹奈がほんとに歌詞の中の主人公の女の子になりきってるのが聴いてても伝わってくる。すごく良い曲やと思います。

――NHK『グレーテルのかまど』のEDテーマになっている「幸せのかけら」も大人っぽい恋愛ソングですが、この曲はどんな気持ちで歌われていますか？

芹奈：この曲は作曲者の方が武道館ライブを見て下さって、私たちのファンに対する愛や感謝の気持ちを曲にしてくれたんです。ライブの時は割と「私たちが今みんなに伝えたい気持ちです」と言って歌ってるんですけど、捉え方は人それぞれ違うと思うので、恋愛ソングと捉えるのも素敵やし、『グレーテルのかまど』の番組みたいに、仕事から帰った1日の終わりに聴いてほしい曲にもなったなと思っています。

――この曲でアルバムが終わっているというのもしっとりしていいですね。

全員：ほんとにそうですね。

――あと今回「好きだ。」のremake ver.が入っていますね。2ndアルバム『Joyful Monster』にはstudio live ver.が収録されていました。

芹奈：2ndアルバムに収録されていたのはスタジオライブバージョンで、武道館に出てくれたバンドメンバーと一緒にスタジオでやったんですけど、今回はちゃんとした音源として「好きだ。」を改めて録り直したという感じです。

かれん：5人になってからの「好きだ。」バージョンみたいな感じですね。いつもライブで歌っているんですけど、今回も「いっせーのーで」で1曲丸々録る形でレコーディングしました。

Little Glee Monster 撮影＝日吉"JP"純平

――TBS日曜劇場『陸王』初回放送で事前告知なしで流れて話題になった「Jupiter」ですが、流れた時反応はいかがでしたか？

かれん：ほんとに告知なしの放送だったんですけど、沢山の方が「これってリトグリ？」みたいな感じでSNSで呟いて下さってて、結構大きい反響をいただきました。声だけで私たちだとわかってもらえるというのは、すごく嬉しかったです！

manaka：平原綾香さんの原曲も、もちろん大好きですし。

――もともと「Jupiter」カバーはされてたんですか？

アサヒ：アカペラメドレーで歌ったりしてました。

かれん：ドラマでもいつもすごく良いシーンで流していただいてますし、配信されて、いろんなサイトで1位になってすごく嬉しかったです。

――あと今回のジャケットのアートワークはTakako Noelさんが手がけられたんですね。かなり寒い中撮影されたということですが。

MAYU：そうなんです（笑）。すごく寒くて……。

芹奈：初めて泊まりでジャケットの撮影に行ったので、すごく楽しかったです。長野の山奥まで行って、日本一綺麗に星が見えるところで撮ったりもして。女性のカメラマンさんということでリラックスして臨めました。私たちとNoelさんだけの状態で撮ったりもしたので、すごく素の状態の私たちが見れるんじゃないかなと思います。

かれん：星の写真を撮るのに20秒間ずっと止まってなきゃいけなくて、それがすごい寒くて大変だったんですけど。でもその間に流れ星が何回も見られて、すごい素敵な体験でした。降ってくるぐらいの星の数で、すごい綺麗でした。

芹奈：寒くて大変だったけど楽しかったですね。

Little Glee Monster 撮影＝日吉"JP"純平

――では、改めて『juice』はどういうアルバムになったと思われますか？

MAYU：1枚目と2枚目のアルバムも、タイトルの通り“カラフル”だったり“ジョイフル”だったり、楽しさや自分たちの色がテーマで、今回も意味は似たようなものにはなってると思うんですけど、たとえば「Love To The World」には、私たちの中ではデビュー曲の「放課後ハイファイブ」のような懐かしさがあったり、初めて挑戦するサウンドの新曲「Gift」もあり、リトグリの音楽の幅広さが感じられる1枚になっていると思います。新曲もきっと私たちと同世代の女の子も好きなテイストのものだと思うので、聴いてほしいです。あともしかしたら「Jupiter」を聴きたいと思って手に取ってくださる方もいるかもしれないので、初めて聴く方たちにはこれをキッカケにリトグリを知ってもらいたいですし、ずっと応援してくださってる方には、“juice”というタイトル通り、また今までと違う私たちの色を見せれるものになっていて、新しいリトグリの名刺のようなアルバムが出来たので、たくさんの方に聴いてもらいたいです。

かれん：5人の個性が昔よりもさらに強くなってきてるので、その個性が１つになって合わさった部分も表現されていますし、1枚目や2枚目で挑戦してきた大人っぽい曲とかも、だんだん自分たちの身の丈に合った曲になってきてるんじゃないかなと思いますね。

取材・文＝久保田瑛理　撮影＝日吉“JP”純平

Little Glee Monster​『juice』サイン入りポスター 3名様プレゼント

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Little Glee Monster Arena Tour2018 -juice!!!!!-
2月3日（土）開場16:00 開演17:00
2月4日（日）開場15:00 開演16:00
会場：横浜アリーナ
3月24日（土）開場17:00 開演18:00
3月25日（日）開場15:00 開演16:00
会場：大阪城ホール
料金：6980円