Räfvenやサニーデイ・サービスなど『朝霧JAM2015』2日目のアクトをレポート
Räfvenのライブの様子 撮影=山岡美香
『朝霧JAM2015』2日目ライブレポート
昨日に引き続き、本日もライブレポートを敢行。SPICE編集部がチョイスしたアクトのレポートを掲載いたします。
11:00 Flo Morrissey
Flo Morrisseyのライブの様子 撮影=山岡美香
UKからやってきた、まだ20歳の可愛らしいシンガーソングライター。
サポートメンバーなしの1人弾き語りでの今回のライブは、シングル曲「If You Can't Love This All Goes Away」や「Pages Of Gold」など、最近発売されたデビューアルバム「Tommrow Will Be Beautiful」の楽曲がメイン。フレンチポップスの名曲「恋はみずいろ」カバーも含めて全8曲を披露。
心の奥の柔らかいところを優しく撫でられているかのような透き通った歌声で、何度か鳥肌が立つ。
本人もMCで「ロンドンみたいね。雨は好きなの。」と言っていたとおり、今日のように雨が降り、霧が立ち込めてる朝霧アリーナと完全にマッチしていて、幻想的な雰囲気を作り出していた。
雨のフジロック、ホワイトステージやフィールドオブヘブンでも見てみたい。
12:15 T字路s
T字路sのライブの様子 撮影=久保真
雨が小降りになってきた頃、Moon Shine ステージではT字路sの演奏がスタート。
力強い歌声で「その日暮らし」を歌い切る頃には、空もその熱に圧倒されてか雨もほとんどやんでいた。
朝霧JAM初出演ということでその喜びを言葉にしつつ、カバー曲「Baby Won't You Please Come Home」「少年」を披露。
「みんな朝から遊び上手、楽しみ上手ですね。」というイトウタエコ(Gt,Vo)の言葉の通りステージの前には様々な人々がT字路sが生み出す音をお酒を飲みながら、体を揺らしながら思い思いに楽しむ。
ツアーで北海道に行った際に訪れたという襟裳岬は本当に何もなかったなどの思い出も語りつつ、森進一のカバー曲「襟裳岬」を歌い上げ、観客を大いに沸かせた。
最後にT字路sのテーマソング「T字路sのテーマ」を観客とともに歌い上げ、ブルージーでーソウルフルなサウンドに会場全体が酔いしれた。
13:30 サニーデイ・サービス
サニーデイ・サービスのライブの様子 撮影=久保真
登場して早々、「baby blue」をゆったりと歌いだす。一瞬で会場全体をしっとりとした穏やかな空気に包み込む。
「恋に落ちたら」や「スローライダー」などノスタルジックなナンバーを次々と披露し、観客からは歓喜の声もあがる。
さらに「青春狂走曲」イントロが始まると、後ろの方にいた人もステージの方に向かいシンガロングしながらリズムに合わせて踊り出す。
最後は「若者たち」で彼らのステージを締めくくった。
数々の名曲たちに「名曲セットだったなあ。」とこぼす人も。MCはほぼなかったが、限られた時間の中でタイムスリップするような、ぎゅっと詰まった約50分間のセットとなった。
あたたかい歌声と演奏に、終わる頃にはどこかほんのりと暖かく感じた。
14:45 Sam Prekop with Archer Prewitt (The Sea and Cake)
Sam Prekop with Archer Prewitt (The Sea and Cake)のライブの様子 撮影=山岡美香
去年11月にThe Sea and Cakeで来日してから約1年、今回はSam Prekop with Archer Prewittとして来日。
単一のピコピコ音から始まった曲が、何重にも緻密に重ねられていく音によって次第にその姿を現し、気づいたらスケールの大きな楽曲になっていく。
始まる前にステージを見た時はテーブルにモジュラー・シンセサイザーとギターしかなかったのに。
すごい。
本当にモジュールを付け替えやチューニングによってこの音色が奏でられてるのを目の当たりにする。ライブというか、アート作品を見ているかのような感覚。
約20分間におよぶ圧巻の一曲目の後、ギターに持ち替えて暖かみのある曲が奏でられ始めると、今日初めての日差しがステージ斜め後方から射し始め、昨日まで雪をかぶっていなかった富士山が冠雪した状態で雲の切れ目から姿を現した。
この奇跡のような、多幸感溢れるステージを見たお客さんの多くは、今回の朝霧JAMのベストアクトとして記憶すると思う。
16:20 Räfven
Räfvenのライブの様子 撮影=山岡美香
フジロック多数ステージ出演でおなじみのジプシー集団、Räfvenがフジロックに続きまさかの朝霧出演。朝霧JAMは1ステージ1本勝負。
事前のインタビューで富士山の見えるステージでライブをすることを楽しみにしていた彼ら。今日は残念ながら・・・と思いきや、ライブが始まる直前に雲の間から現れた富士山!
一曲目が始まると大勢のお客さんが一気にステージ前に集まる。
一瞬でテンションを最高潮に上げていく、瞬発力のあるパフォーマンスは何度見ても気持ち良い。下がぬかるみだろうが構わず踊るお客さんも素晴らしい。テントサイトではテントを片付けながら踊っている人も。
夕暮れの中、見え隠れする富士山と、Räfven、そして大盛り上がりのオーディエンス。最高のマジックアワー。
ラスト、フジロックでも感動の大合唱が巻き起こった「Hej Helle」が終わる頃にはすっかり日も暮れていた。
明日スウェーデンに帰るということで、しばらく寂しくなるが、また近いうちに戻ってくると約束してくれた言葉に期待!
文=山岡美香(T字路s/サニーデイ・サービス)、久保真( Flo Morrissey/Sam Prekop with Archer Prewitt (The Sea and Cake)/Räfven)
日時:2015年10月10日(土)、11日(日)
会場:静岡・朝霧アリーナ
出演者:
【10日】!!! / Dachambo / THE GO! TEAM / GLIM SPANKY / OGRE YOU ASSHOLE / DARKSTAR / The fin. / MALA & COKI -Digital Mystikz / 七尾 旅人 / Suchmos / Young Juvenile Youth
【11日】 cro-magnon / Flo Morrissey / Rafven / サニーデイ・サービス / SPECIAL OTHERS / トクマルシューゴ / 本門寺重須孝行太鼓保存会 / H ZETTRIO / Kan Sano / Kindness (DJ set) / 光風&GREEN MASSIVE / Sam Prekop with Archer Prewitt (The Sea and Cake) / T字路s