篠山紀信やロバート・キャパら、写真家95人の35歳までの作品を展示 東京都写真美術館『原点を、永遠に。―2018―』
篠山紀信(日本、1940) 《誕生》1968年 (C)Kishin Shinoyama
芸術における青年期の意義を問う収蔵作品展『原点を、永遠に。―2018―』展が、2018年3月24日(土)~5月13日(日)まで、東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催される。
本展は、1995年、写真と写真家のために生きる美術館として誕生した「清里フォトアートミュージアム(K MoPA=略称ケイ・モパ)」が収蔵する約1万点の作品の中から、写真家が35歳までに撮影した作品のみを選出したもの。19世紀以降の海外の著名な写真家35人、第二次世界大戦以後の日本を代表する31人、当館が世界の35歳以下を対象におこなう公募=ヤング・ポートフォリオから厳選した29人、計95人(各1〜5点出品)による409点の写真を公開する。
ロバート・キャパ(ハンガリー、アメリカ、1913-1954) 《連合軍による北フランス攻撃開始日(Dディ)、フランス、オマハ・ビーチ、1944年6月6日》1944年 (C)Robert Capa/ICP/Magnum Photos
芸術家は、青年期に強い意志と情熱をもって試行錯誤を重ねることにより、才能・資質が高められ、作品のクオリティが磨かれていく。研鑽を積んだ作家の多くは、おのずと30代には自己のスタイルを確立し、代表作となる作品を生みだしている。青年の原点とも言うべき作品が、表現の領域を開拓し、歴史を築いてきた。そこには永遠の輝きがある。
会期中、展示替えが行われ、同一作品を異なる順序で鑑賞することができる。
・前期<歴史篇>:3月24日~4月15日
1886-2016年の作品を撮影年代順に展示。青年が時代を切り拓いてきた軌跡をたどる。
・後期<作家篇>:4月17日~5月13日
作家名をほぼアルファベット順に展示。一人ひとりの個性と写真の多様性に触れられる。
荒木経惟(日本、1940) 《さっちん》1962-63年 (C)Nobuyoshi Araki
なお、本展は2018年6月、国立台湾美術館に巡回予定。また、両館の相互交流を深めるため、国立台湾美術館の収蔵作品展を7月よりにて開催する。
細江英公(日本、1933) 《おとこと女 #20》1960年 (C)Eikoh Hosoe
W.ユージン・スミス(アメリカ、1918-1978) 《楽園への歩み》1946年 (C)2017 The Heirs of W. Eugene Smith/PPS
植田正治(日本、1913-2000) 《少女たち》1945年 (C)Shoji Ueda Office