妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太らがNODA・MAP最新作に集結!『贋作 桜の森の満開の下』製作発表
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『贋作 桜の森の満開の下』製作発表
野田秀樹率いるNODA・MAPの第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』が2018年9月、東京芸術劇場プレイハウスを皮切りに、大阪、北九州、そしてフランス・パリにて上演されることが明らかとなった。4月5日(木)、都内にて製作発表会見が行われ、野田と、本作に出演する妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、村岡希美、門脇麦、池田成志、銀粉蝶といういずれ劣らぬ個性的かつ実力溢れる俳優陣が勢ぞろいした。
本作は坂口安吾が手がけた『贋作 桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』をベースとし、さらに坂口の様々な作品のエッセンスを散りばめて野田が生み出した壮大な戯曲。1992年には劇団夢の遊眠社として、その後2001年には新国立劇場主催公演として、さらに2017年には東京・歌舞伎座にて『八月歌舞伎』の演目として歌舞伎版が上演されてきた。いずれの公演でも大きな反響を得、再演が望まれていた本作がついにNODA・MAP公演として蘇る。
野田秀樹
作・演出ならびにヒダの王役を務める野田は今回の上演にあたり「今年の秋に『ジャポニズム2018』というフランス・パリで行われる日仏連携による大規模な複合型文化芸術イベントの公式プログラムとして本作を上演してほしいと逆指名されたので、それならば日本を代表するキャストを揃えたいとあちこちに “あたってくだけろ” という気持ちでオファーをしたところ、皆さまご了解いただき、これ以上ないメンバーが揃いました」と喜びを言葉にした。
妻夫木聡
本作の主人公、耳男役を演じる妻夫木は「以前、NODA・MAPの『エッグ』をやっていたときに共演していた大倉さんと本作の話をして、『もし再演があったら観てみたいなあ』と話していたんですが、まさか自分が作品に関わる方になるとは思いませんでした。NODA・MAPの熱に溶けないように頑張ります」と意気込みをみせた。また、耳男役としては4代目となることの心境について「プレッシャーはあります。でも作品を知らない、観ていないが故の『強み』が出せるかも。出たとこ勝負といいますか(笑)」と語っていた。
深津絵里
夜長姫を17年振りに演じる深津は「以前演じたときの記憶がまったくありません」と笑う。「こんなにすばらしく強烈にかっこいい共演者とご一緒できるのが嬉しいです」と述べた。そして夜長姫が恋をするオオアマ役の天海との共演については「この作品で共演するために、これまで他の作品で共演がなかったんだと思うくらいです」と喜んでいた。
天海祐希
そのオオアマ王子を演じる天海は「この話をいただいたときに『絶対やりたい!』と言いました。その後ふと、オオアマって確か市川染五郎(当時)さんがやっていた役……ということは男役か!と気がつきまして(笑)。宝塚歌劇団を退団してから初めて男役。ちょっと鈍っているかもしれませんが、頑張ります。野田さんの作品なら男役でも女役でもなんでも引き受けます。観客として舞台を観ていたときは、なんで私はあっち側(出演者側)に行けないんだろうと悔しく思っていたんです」とやる気をみなぎらせていた。
ちなみに野田は「王子様」という役に生理的にはまる人を探していたが当初は男性の役者で探していたとのこと。「天海祐希、という名前が思いうかんだ瞬間、これだ!と思いました」とキャスティングについて説明していた。
古田新太
マナコ役を演じる古田は、新国立劇場版に出演したときの思い出に触れる。「当時(新国立劇場で)会見をしたとき、野田さんが会見をすっぽかしたことを思い出しました」。この発言に大笑いするキャストたちと苦笑する野田。野田は「あの時、前夜に古田と飲んでいて、明日の会見が憂鬱だな、と愚痴っていたら、それなら出なければいいじゃん! 俺が何とかしておきますよって古田が言ったのでその通りにしたんです。そうしたら大事になっていて(笑)。何とかする、といっていた古田も『どうしたんでしょうねえ』と知らない顔をしてて」と逆襲。そんな暴露話に今度は古田が大受け。「野田さんちの部屋の鍵が壊されたんですよね……」と野田の居場所を捜索するために大騒ぎになった話で盛り上がっていた。
このほかの登壇者の挨拶を順に紹介する。
秋山菜津子
秋山(ハンニャ役)「野田さんの作品を呑気に観ていましたが、まさが自分が出る側となるとは思わなかったです。野田さんの舞台は相当な体力がいるので、頑張ります」
大倉孝二
大倉(青名人役)「自分もかなりおっさんなんですが、この座組みでは下から3番目なんです……。フレッシュ感を出していきたいです(笑)」
藤井隆
藤井(赤名人役)「先輩方に食らいついていきたいと思います。ぜひ劇場にお越しください」
村岡希美
村岡(エナコ役)「心も体もひとくくりになる野田さんの舞台。それに自分が加わると思うと楽しみです」
門脇麦
門脇(早寝姫役)「初めてのNODA・MAP出演でとても緊張していますし、どうなるか予想もつかないです、25歳になりましたがなかなかできる経験ではないと思いますので、皆さんに食らいついていきたいと思います。(オオアマ王子に対して)恋をする準備完了です!美しくピュアな気持ちになれると思います」
池田成志
池田(エンマ役)「よく考えたら7月の稽古で秋の公演…ということで(個人的に)ものすごい酷暑になると思います。身体に気を付けてがんばります」
銀粉蝶
銀粉蝶(アナマロ役)「過去2回の公演を拝見しています。自分がまさか出演するとは思っていませんでしたが、やるとなったら頑張ります」
野田は耳男役に妻夫木をキャスティングした理由についてこう語った。「妻夫木くんの過去の舞台を袖から見ていて『彼が耳男をやるといいだろうなあ』と思っていたんです。妻夫木くんて、どこか弱っちいんですよ。いじめられる対象になりやすく、まじめに生きれば生きるほど力が強いものに抑圧されやすいキャラで」、と口にすると妻夫木が苦笑しながらも「光栄なことです」と応えていた。
フランス公演に向けての演出について聞かれた野田は、「もちろんたくさん桜は降らせるつもりですが、あんたたちフランス人が思っているような桜は見せないよ、日本には違うテイストの桜がたくさんあるんだよ!と伝えたいです」と力を込めていた。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
坂口安吾作品集より
※ジャポニズム2018公式企画