矢井田瞳とyui(FLOWER FLOWER)のラジオ初対談から、オンエアされなかったこぼれ話がテキストに

インタビュー
音楽
2018.6.1

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矢井田瞳とyui(FLOWER FLOWER)の初対談が、先日ラジオにて放送された(TOKYO FM『大家志津香のエン活!』)。世代やデビュー時期は違えど、日本の音楽シーンで確固たる存在感を放つ女性シンガーソングライター2人。出会いのエピソードから楽曲制作に関する内容、お酒や地元トークに至るまで、和やかに語られた内容から、ラジオでは尺の都合上惜しくもカットとなった内容を中心に、テキストにまとめてみた。

矢井田:対談、初めてだよね?

yui:初めてですね。すごい嬉しいです。

矢井田:最初はとある音楽番組のスペシャルでお会いした記憶があるんだけど。あってるかな?

yui:あってます。覚えてくださってたんですね!  すごく集中されてる時に話しかけちゃったときですよね(苦笑)。

矢井田:すごく緊張していて、yuiちゃんが「昔から聴いてました」って言ってくれたのに、「あっ、ありがとう……」みたいな短い返事になっちゃって(笑)、ごめんね。yuiちゃんがデビューした頃は、まずビックリしたっていうか。可愛いのと、華奢な感じなのに意志が強い歌声で――

yui:どうしよう、録音しよう。録音(笑)。ありがとうございます。地元の福岡にいたときから、(矢井田の)CDを買って聴いていたので。こんなに声が遠くまで届くイメージがある、特徴的な歌声をどうやって出しているんだろう?と真似して歌っていました。

矢井田:本当!?  嬉しい!  yuiちゃんが出てきたときもすごくセンセーショナルだったんだけど、その後もバンドを組んだりしてるでしょ?  そこでの心持ちの違いはあるの?

yui:そこまで違いは持ちたくないなっていう気持ちはあるんです。いま結成5年くらいになるんですけど、その間に3年半くらいは出産とかもあって休ませてもらって、実質は短いんですけど、最近はすごく固まってきたなっていう間隔はなんとなくあって。

矢井田:最近もツアーしてたもんね。

yui:そうですね。今は追加公演が終わって、あとはフェスとかに出たりとか。あ、先日はヤイコ先輩のライブに行かせていただいて。感動しました。新しい曲と当時聴いていた曲を演奏ということで、すごく感じるものがあって。……大丈夫ですか、上から目線になってないですか(笑)。

矢井田:全然、全然!(笑)  なんか不思議だよね。音楽って時間とか時空とか、年齢も場所も超えて、人の思い出とか記憶に繋がってたりするから。

yui:はい。わたしもヤイコさんもデビューしてから色々なことがあり、もちろん時も経たわけですけど、スッと戻るというか。ライブを観て自分も初心に帰ったような感覚になって、あのころを思い出してもう一回頑張ろうと思えました。

矢井田:ありがとう!  その学生時代はどんなだったの?

yui:それこそ朝の7時くらいですかね、CDプレーヤーにヤイコ先輩の曲を入れて、(学校に)通ってました。朝にすごく合うんですよ。澄んだ空気に澄んだ歌声がすごく合っていて。よし、今日も頑張ろう!みたいな感じで。

矢井田:なんだかこそばゆい感じがしますね(笑)。

yui:(笑)。

矢井田:地元は福岡ということですけど、地元自慢みたいなお話も聞いていいですか?

yui:ああ~、この間ツアーで帰ったんですけど、やっぱり食べ物が美味しいかなと!

矢井田:本っ当、そうだよね!  仕事柄色々と全国に行かせてもらうけど、九州の食べ物の美味しさってずば抜けてて。

yui:お、もう虜ですね(笑)。

矢井田:お酒は飲む?

yui:お酒は、飲む人だったんですけど――

矢井田:たしなむ程度?

yui:たしなむ程度……でもないかな(笑)、まぁまぁくらい飲んでましたね。でも出産したら突然燃費が良くなりまして。3口ぐらいで大丈夫ですね。飲まれます?

矢井田:うん。九州で飲む焼酎がもう、同じ銘柄でも違うんじゃないか?っていうくらい美味しく感じるなって。(地元の)大阪も食べ物が美味しいけど、全部ソースがかかってるから(笑)。だから食べ物のコストパフォーマンスと人、大阪人の雰囲気込みで楽しいグルメみたいな感じかな。

yui:一度は行ってみた方がいいですね。

矢井田:そうだね。ちょっと話は戻るけど、福岡から上京してきて、悩んだり苦しんだりしたこと。誰にでもあると思うし、わたしにもあったけど、yuiちゃんにもあった?

yui:めちゃめちゃありましたね。右も左もわからずっていうところから始まっていたし。

矢井田:わたしも大阪から東京に出てきたから、今は全然大丈夫なんだけど、最初は東京っていう街に呑みこまれたというか。

yui:ああ!  そうですね。

矢井田:気持ちでは「全然大丈夫、頑張れる」って思ってるんだけど、人の多さにやられたり。あとは、大阪を人情の街だとしたら、東京はもっと個の集まりでクールな感じがあったから、それを冷たく感じてショックだったりもしたんだけど。

yui:たしかに、福岡ではそこらへんを歩いているとき、おじいちゃんおばあちゃんとかに「こんにちは!」って言ってたんですけど、東京で言ったらすっごい顔されました(笑)。

矢井田:はははは(笑)。

yui:ああ、そういう街なんだって思ったんですけど、それは冷たいわけじゃなくて、それぞれのパーソナルスペースみたいなものを持ってるんだっていうイメージに、今はなったんですけど。

矢井田:ね。それが分かるまでは過剰にこっちが孤独になっていたというか。

yui:そうですね。友達を作るにしても、やっぱり音楽でこっちに来ているとなかなか普通の友達ができづらいと思うんです。本当に5~6年経ってから友達ができていった気がします。独りで大戸屋に行って、独りでタワレコに行って――みたいな生活をしていて。

矢井田:(笑)。すごく忙しかっただろうしね。でもまた長く音楽を続けていると、その忙しかった時期も振り返れば宝物だし、だからこそ今の、新幹線から各駅停車に乗り換えて一つひとつの景色を見れる感じも味わい深かったり。

yui:そうですね。あの頃があったから、今の時間を楽しめるっていう。なんか、若いうちに苦労しておけ!みたいなのってあるじゃないですか。それ、すごく今になって分かったというか……苦労とは思ってないところもたくさんあるんですけど、良い言葉だったんだなって。まあ、これからもまだまだ苦労しとけ!ってことだと思うんですけど(笑)。

矢井田:そうだね、もっともっと人生の先輩方もいらっしゃるからね。

yui:先輩方が、30代はもっと楽しくなるよ、40代はもっと楽しくなるよって言ってくださっていたので、それを目標として頑張っていきたいと思っています。

矢井田:色々とお話をしてきましたけど、yuiちゃんとわたしは『TIMELESS SESSIONS in YOKOHAMA』(6月17日/神奈川県民ホール)に出るんですよね、一緒に。

yui:はい。お願いします!

矢井田:このライブのプロデューサーが武部聡志さん。わたしとyuiちゃんと、藤井フミヤさんと、NakamuraEmiさんが出ますけれども。

yui:ですね。どんな感じになるんだろう?っていう。

矢井田:ソロパートはありつつ、せっかく“SESSION”っていうタイトルがついてるし、一緒にできたらいいよね。わたしとyuiちゃんで。

yui:本当ですか、やった!

矢井田:武部さんが真ん中に入って、わたしとyuiちゃんを繋いでいただいてっていうのも楽しそう。できるといいよね。……なんか、思いつきで喋ってるけど大丈夫かな?(笑)

yui:でも“SESSION”っていうからには、その場でしかできない何かがあるでしょうね、きっと。楽しみ!


文・撮影=風間大洋

ライブ情報

「TIMELESS SESSIONS in YOKOHAMA」Produced by 武部聡志
プロデュース:武部聡志
出演:藤井フミヤ 、矢井田瞳 、yui(FLOWER FLOWER)、NakamuraEmi
日時:2018年6月17日(日) 開場 16:00  /  開演 17:00
会場:神奈川県民ホール
:全席指定 ¥6,500(税込)
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