野田秀樹・近藤良平・木ノ下裕一らが参加、「東京キャラバン」が豊田、高知、秋田へ
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オタミラムズによる「東京キャラバン」メインビジュアル
「東京キャラバン」は、野田秀樹・監修のもと、言語や国境、表現ジャンルを越えた多種多様なアーティストたちへの参加を呼びかけ、これまでおおよそ交わることのなかった表現者同士の“文化混流”を実現させることで、2015年より今日まで「東京キャラバン」でしか見ることのできない新しい表現によるパフォーマンスを創出し続けている文化ムーブメントだ。
その「東京キャラバン」が、2018年7月22日(日)豊田市、9月16日(日)高知県、2019年2月16日(土)・17日(日)秋田県での開催される。今年度は秋田で野田秀樹を、豊田では近藤良平を、そして高知では新たに木ノ下裕一(ドラマトゥルク・「木ノ下歌舞伎」主宰)をリーディングアーティストとしてそれぞれ派遣する。
さらに「東京キャラバン」のメインビジュアルを気鋭のイラストレーター・オタミラムズが手掛けることとなった。オタミラムズは白玖ヨしひろと平岡佐知⌘Bからなる、主に映像/グラフィック・デザイン/イラストレーションを主軸に、デザイン制作を担う気鋭のクリエイティブ・チームだ。「この度、私たちOTAMIRAMSも、東京キャラバンのコンセプトに共鳴し、“2015年から2020年へ…そして更なる未来へ”と、その後も文化遺産(レガシー)を産み落とし続けるべく、世界各地を大移動していく「文化大サーカス団」の一員となりました。私たちは、東京キャラバンの壮大なコンセプトから、今年度のメインビジュアルに、「引き続いていく“文化混流”の果てなき道」というテーマを込め、紙面奥から駒沢(2015年)⇒ リオデジャネイロ(2016年)⇒豊田(会期:夏)⇒高知(秋)⇒秋田(冬)⇒そして東京(2020年)へと向かい、更なる未来へと越えていく、旅する3地域の“キャラバン・デコ車”たちを、即ち、“場所”を移動するにつれ、“時間(季節)”も移ろっていく果てなき“キャラバン・ロード”を描きました」と述べる。
オタミラムズ
野田秀樹の発案により2015年に発足した「東京キャラバン」は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の文化プログラムを先導する東京都のリーディングプロジェクトだ。これまで多くのアーティストを巻き込み、日本全国から地球の反対側(リオデジャネイロ)までを巡り、展開してきた。各地のパフォーマンスを率いるリーディングアーティストが地域の伝統芸能の担い手やアーティストらとともに、新しい表現を探り、ひとつのパフォーマンスを創作する。また「演者が試行錯誤し、ぶつかり合う姿から、物作りへの興味を持ってもらえたら」という願いから、創作過程となるワークショップも公開。それぞれ異なる存在感を放つアーティストが交わり、やがて全体がひとつの大きなうねりとなっていく。そんなワークショップの様子を目撃した観覧者からは「文化が生まれる瞬間に立ち会うことが出来た」との声が多数寄せられてきた。人間の創造力と肉体が生み出す新たな“文化”の面白さを、多くの人々に生で伝え、見たことのないパフォーマンスに“どきどき”・“わくわく”してもらうという文化の種蒔き。それが「東京キャラバン」が紡ぐ『物語』であり、このプロジェクトの最大の醍醐味だという。
野田秀樹は次のように語る。「必要なのは、今、2020年にむけての『物語』、そして、その『物語』が2020年を超えても続いていけるような、そんな『物語』を作ることはできないのか? 1964年の東京オリンピックには、これで戦後が終わっていくのだ、日本がいよいよ世界に向かって復帰できるのだ、といった確固たる物語があったように思う。今回の東京オリンピックには、今、日本人を動かすべき、そうした大義名分のような『物語』を簡単に見つけることは難しいだろう。ただ、ある程度の大きさの『物語』を積み重ねることで、人々の「気運」を作ることはできる。そして、盛り上がった「気運」の中からしか、壮大な物語は生まれないと思う。(中略)そして、この東京キャラバンが日本にばらまいた、目の前にある文化=ライブの面白さ。それを 経験した小さな子供たちの心の中に種が撒かれる。インターネットの普及で偏りがちになった文化とは、全く違う姿、目の前で息をしている人間が生み出す文化への興味を示してくれるようになり、その中から、新たな形態の文化を生み出すとき、この「東京キャラバン」という物語は、本当に壮大な物語になるだろう」
全国各地でのキャラバンを経て、「東京2020 オリンピック・パラリンピック」が開会を迎えるとき、「東京キャラバン」が東京2020大会の遺産(レガシー)として、未来へと続く文化活動のプラットフォームになることを目指し、活動が続けられている。
イベント情報
東京キャラバン in 豊田
■会場:鞍ケ池公園 プレイハウス芝生広場(愛知県豊田市矢並町法沢714-5)
■参加アーティスト:近藤良平、豊田市棒の手保存会(棒の手)、RODA GIGANTE(サンバ・太鼓等)、芳泉会&民謡パラダイス(民謡・三味線等)、GIANT STEPS(傀儡)、山本富章(現代美術)ほか
■主催:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、豊田市
■協力:公益財団法人豊田市文化振興財団
■リーディングアーティスト プロフィール
近藤良平:「コンドルズ」主宰。振付家・ダンサー。男性のみ、学ラン姿でダンス、映像、コントなどを展開するダンスカンパニー「コンドルズ」は、2016年、20周年記念となるNHKホール公演を即日完売超満員に。追加公演も行う。世界30カ国以上で公演。NHK「サラリーマンNEO」、「からだであそぼ」などに振付出演。同「てっぱん」オープニングの振付も担当。東京スポーツ国体2013開会式式典演 技総演出担当。第4回朝日舞台芸術賞寺山修司賞受賞。第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。女子美術大学、立教大学などでダンスの指導も行う。現在、NHKエデュケーショナルと共に0歳児からの子ども向け観客参加型公演「コンドルズの遊育計画」や埼玉県と組んで行う「近藤良平と障害者によるダンス公演」ハンドルズ公演など、多様なアプローチでコンテンポラリーダンスの社会貢献に取り組んでいる。南米育ち。愛犬家。
撮影:HARU
■会場:高知県立美術館・中庭(予定)
■参加アーティスト:木ノ下裕一(ドラマトゥルク・「木ノ下歌舞伎」主宰)、北尾亘(振付家・ダンサー・俳優・「Baobab」主宰) ほか
■主催(予定):東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、高知県、公益財団法人高知県文化財団
■リーディングアーティスト プロフィール
木ノ下裕一:1985年和歌山市生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受け、古典芸能への関心を広げていく。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科で現代の舞台芸術を学び、2006年に古典演目の現代的上演を行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。作品の補綴・監修という立場を取りつつ、様々な演出家とタッグを組みながら創作するスタイルを取っている。団体の代表作に『黒塚』『東 海道四谷怪談-通し上演-』『三人吉三』『心中天の網島』『義経千本桜-渡海屋・大物浦-』などがあり、2015年に再演した『三人吉三』にて読売演劇大賞2015年上半期作品賞にノミネートされる。2016年に上演した『勧進帳』の成果に対して、平成28年度文化庁芸術祭新人賞を受賞。その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。2016年に博士号(芸術博士)取得。平成29年度芸術文化特別奨励制度奨励者。
撮影:東直子(Naoko Azuma)
■会場:秋田ふるさと村・ドーム劇場(横手市)
■参加アーティスト:野田秀樹 ほか
■主催(予定):東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、秋田県、横手市
■監修者プロフィール
野田秀樹:1955年、長崎県生まれ。劇作家・演出家・役者。2009年より、東京芸術劇場芸術監督に就任。多摩美術大学教授。東京大学在学中に「劇団夢の遊眠社」を結成。92年劇団解散後、ロンドンへ留学。帰国後、「NODA・MAP」を設立し、『キル』『オイル』 『THE BEE』 『エッグ』『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』などを発表し高い評価を得る。海外での創作活動や、歌 舞伎を手掛ける。2015年より 『東京キャラバン』の総監修を務め、「人と人が交わるところに文化が生まれる」をコンセプトにした文化サーカスを日本各地で展開。コンセプトに賛同する多種多様な表現者らと、文化「混流」による独自のパフォーマンスを創作、発表し多くの観客を魅了した。2017年、八月納涼歌舞伎 『野田版 桜の森の満開の下』を上演。表現のジャンル、国境を越え、精力的に創作活動を行う。
※出演者やプログラム内容は予告なく変更になる場合があり。