ジョン・オーウェン=ジョーンズの“怪人”が、東急シアターオーブを揺るがす!ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』開幕

レポート
舞台
2018.8.30
ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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2018年8月29日(水)東京・東急シアターオーブにてミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』が初日を迎えた。5年ぶり6度目の来日公演となる今回は、怪人(ファントム)役にイギリスの俳優で歌手、ジョン・オーウェン=ジョーンズを迎えての上演となる。
この初日直前に行われたゲネプロの模様をお届けしよう。

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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いつものシアターオーブが、この日はまさに「パリ・オペラ座」に姿を変え、天井には大きなシャンデリアが設置されていた。キャストたちは、会場の様々なところから姿を現し、ステージに登っていく。そう、まさに我々が座っているここがオペラ座なのだと言わんばかりに。

また、物語が進み、時にはクリスティーヌ、また、怪人の行方を追いかける際も、キャストたちはごく自然に会場の中を歩き回り、上階のあちこちからも誰かしらの声が聞こえてくる、非常に臨場感あふれる演出となっていた。

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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<あらすじ>
「ここには幽霊が住んでいるーー」
パリ・オペラ座の舞台裏では、こんな噂が囁かれていた。関係者たちは幽霊にまつわる慣習を守るようにと新任の支配人リシャードを諭すが、彼はまったく取り合わない。その夜、無名のコーラスガール、クリスティーンが歌姫カルロッタの代役を務めたオペラ『ファウスト』の公演で、出演者が不意の死を遂げる。遺体のそばには、幽霊からの謎のメモが添えられていた。一方、恋人クリスティーンの楽屋を訪れたリシャードの息子ラウルは、部屋の中から彼女と男の声を聞き、嫉妬に駆られる。クリスティーンは<謎の男>との不思議な体験を打ち明け、ラウルへの愛を誓うが、物陰に身を潜めてその様子を伺う人物がいた……。

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日本では、アンドリュー・ロイド・ウェバー版『オペラ座の怪人』の、怪人とクリスティーヌの愛を描いた重厚な演出がよく知られており、それと比較するとケン・ヒル版はどこか軽いタッチで、コミカルさを感じるかもしれない。ただ、実はガストン・ルルーによる原作小説のエッセンスを最も忠実に描いているのが今回のケン・ヒル版であり、ここを原点にして、アンドリュー・ロイド・ウェバー版が誕生した、という背景は踏まえておきたい。ユーモアを感じさせる人間の描き方の中に「愛するが故の悲劇」を浮かび上がらせる、この演出も実に魅力的だった。

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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怪人役のジョン・オーウェン=ジョーンズは、深みと影をにじませる声量で劇場すべてにその声を響かせていた。ジョンは1998年、イギリス・ウエストエンドでの『レ・ミゼラブル』公演で主人公ジャン・バルジャンを最年少の26歳で演じ切り、その後『オペラ座の怪人』(ロイド・ウェバー版)では、実に2000公演も怪人役を演じてきたベテラン中のベテラン。そんなジョンに、ラウルの若さと情熱にあふれた伸びのある歌声、そして不純物を一切含まない、透明感に満ち溢れたクリスティーヌのソプラノ、この3者の歌声が絡み合う1幕最後の歌「制御できない運命」は必聴。

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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この他、ビゼー、ドヴォルザーク、グノーらの珠玉のアリアを劇中にちりばめた、全17曲のミュージカル・ナンバーを心ゆくまで楽しんでいただきたい。

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』

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取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

ミュージカル『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』
 
■日程:2018年8月29日(水)~9月9日(日)
■会場:東急シアターオーブ (渋谷ヒカリエ11階)
■生演奏・英語上演・日本語字幕あり
■料金:S席11,800円/A席8,800円/B席6,800円(全席指定・税込)
■原作:ガストン・ルルー(『オペラ座の怪人』より)
■脚本・作詞:ケン・ヒル
■主催・招聘・制作:キョードー東京
■公式サイト:http://www.operaza2018.jp
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