【9mm Parabellum Bullet・RUSH BALL 2018 クイックレポ】「平成最後の夏」という言葉に全く引けを取らなかった9mm Parabellum Bullet

レポート
音楽
2018.9.1
9mm Parabellum Bullet

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RUSH BALL 2018 9mm Parabellum Bullet

ノイズとスクリームがバキバキに決まったデジタルハードコアの登場SEが鳴り響く。テンション上がるしかない中、黒の服に身を包んだメンバーたちが両手を上げて登場。ボーカルの菅原卓郎が両手を広げただけで、絵になる。まだ何も始まってないのに、高揚感が凄い。1曲目「太陽が欲しいだけ」。後のMCで菅原が「もう、ちょっと太陽が欲しかったけど!」と笑っていたが、天候がどうであろうと、今日も滝善充のギターはヤバい。ノートには「ドゥッ! ドゥッ!」や「ギュイン! ギュイン!」などと謎の擬音走り書きがあるが、より何か、もういっちゃった感じがある。それは中村和彦のベースやかみじょうちひろのドラムにも言えるが、全員のっけからフルスロットル! 音楽で狂える事は素晴らしいし、狂った人は素敵です。

9mm Parabellum Bullet

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それこそ、続く「Black Market Blues」では《ブラックマーケットブルーズでオマエを狂わせてしまいたいのさ》と歌われるが、例えばブラックマーケットブルーズの意味がわからなかったとしても、その勢いで狂わされる様な説得力が、この曲にはある。まるで吸い寄せられるかの如く観客エリア後方からヤングキッズは目を輝かせて走ってくるし、少しアダルトなキッズも目を輝かせて歩きながら近づいてくる。シートエリアにも踊り狂ってる人たちの姿が見えた。リリースされて8年、この楽曲が如何に普遍性を持ったかが、よくわかった一場面であった。

フェスは代表曲、定番曲、有名曲を聴けただけでもお腹一杯で充分満足感があるが、やはり、その上に新曲が聴けるとお得感が増す。それも、かっこよければ尚更だ。初っ端の菅原によるギターカッティングがカッコ良すぎる……。それだけで虜になった新曲「キャリーオン」。5月に無料ダウンロードされた楽曲だが、改めて音源でも聴き返したい、そう思えた。

最近よく、どこでもかしこでも「平成最後の夏」という言葉を聞く。まさにおっしゃる通りなのだが、何でもかんでも付けたらいいってもんじゃないからと呆れる時もある。そんな中、「ハートに火をつけて」の前に、菅原は「平成最後の夏フェスでしょ!? 盛り上がっていこうか!!」と煽る。「9mmを聴ける平成最後の夏フェスだから絶対に聴き逃したらいけない!」と自然に思えたし、間違いなく、その「平成最後の夏」には重みがあった。最後は、12年前のプレデビュー盤「The World e.p.」からタイトルナンバー「The World」。初心に帰るではないが、原点的な楽曲で締められる。今のところ、5年に一度、『RUSH BALL』出場の9mmだが、もっと早く次は観たい。


文=鈴木淳史 撮影=田浦ボン

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セットリスト

RUSH BALL 2018 9mm Parabellum Bullet
1.太陽が欲しいだけ
2.Black Market Blues
3.キャリーオン
4.ハートに火をつけて
5.新しい光
6.生命のワルツ
7.The World
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