北斎作品から「橋」の文化的側面を探る 『北斎の橋 すみだの橋』展
葛飾北斎『諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし』(通期)すみだ北斎美術館蔵
展覧会『北斎の橋 すみだの橋』が、9月11日から東京・両国のすみだ北斎美術館で開催される。
古来から、人々が交通のために川や谷といった自然を克服する一手段として架設され、その時代の政治的、技術技術的制約の中で様々に発展してきた「橋」に注目する同展。葛飾北斎が描いた橋を通して、インフラという本来の意義を超えた、橋の文化的側面を紹介する。
会場では、名所の橋だけではなく江戸時代の様々な橋の構造に注目した北斎の代表作『諸国名橋奇覧』の風景画シリーズ全11点を前後期に分けて展示。さらに北斎が夢の中で見た橋を1図にした『百橋一覧』や、『冨嶽三十六景』の『御厩河岸より両国橋夕陽見』なども出展されるほか、北斎と門人たちが描いた橋が一堂に会す。また第2章では墨田の橋に焦点を当て、錦絵や絵葉書、図面、立体物など多様な関連資料を通して北斎が生きた時代以降の橋の変遷を探る。