柳下大が念願の初参加! 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 ~「自分が目指していた舞台がここにあった」

インタビュー
舞台
2018.11.1
柳下 大

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2018年11月9日(金)より本年の大晦日まで上演するONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSが、本番に向けて着々と準備を進めている。disc3ではランダムスター役を浦井健治が、ランダムスター夫人役を長澤まさみが演じる。そして高杉真宙演じるレスポールJr.の教育係であるグレコ役を、劇団☆新感線初登場の柳下大が務める。

柳下にとって、劇団☆新感線の舞台に出演する事は「念願」だったと語る。その想いや、今回演じるグレコ役について、また現在の稽古の様子などを存分に語ってもらった。

ーーSNSなど様々なところで「劇団☆新感線の舞台に出るのが念願だった」とおっしゃっているのを拝見しました。その願望はいつ頃から抱いていたんですか?

僕が劇団☆新感線を知ったのは大分遅かった方なんです。通称:“ワカドクロ”と呼ばれていた『髑髏城の七人』(2011)のがどうしても取れなくて結局舞台を観に行くことが出来なくて。ゲキ×シネ(スクリーン上映)で観たのが最初なんです。そこから自分でDVDを買い集めて……いつしか劇場でも観ることができるようになりました。
新感線の舞台の中に、当時、自分が目指していた舞台の形みたいなものが見つかったように思えたんです。そしてこういう舞台に出てみたい、こんな作品に出てみたいって強く思うようになったんです。

ーー柳下さんが当時目指していた舞台とは?

エンターテインメントに満ち溢れていて、派手で、とにかくカッコよくて、それでいて感動もあって……いろいろな世代、いろいろな層のお客様が同時に楽しめる舞台。新感線が持つ独特の「色」-派手さや、音や照明を駆使したり、大きなリアクション-が好きなんです。

柳下大

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ーーでは、そんな愛してやまない新感線の舞台に出演できる、と決まったときのお気持ちは……?

驚きすぎて「なんだか信じられない、自分が本当に出ていいの?」という感覚でした。実感が湧かないというか。かなり前に出演の話を聞いたので、それからというもの、本番までに大きなケガをしないように、とか体調をすごく気にしながら過ごしていました(笑)。だって出演が決まったのに出られなくなりましたって事になったら……その恐怖心の方が強かったですよ(笑)。とはいえ、出演できることを周りに言いたくてたまらなかったですね! まだ出演する事を言ってはいけない頃でしたが、我慢できなくて家族には伝えました。ニヤニヤしちゃって隠し切れなかったんです(笑)。

ーーその時の柳下さんの顔が見えるようです(笑)! 今回共演する方々で、過去に接点がある方は?

吉田メタルさんと粟根まことさん。お二人とは『真田十勇士』でご一緒しました。ラサール石井さんは映像作品のほうで少し。あとは皆さん初共演です。メタルさんと粟根さんは僕の事をあたたかく見守ってくださっています。

ーーここまでの『メタルマクベス』disc1とdisc2をそれぞれご覧になったそうですね。この後演じるグレコが、ステージ上で動く姿を先に観てしまった事になりますが、お気持ちは?

そうですね。disc1の山口馬木也さんは『真田十勇士』でも共演していたので、まったく馬木也さんが演じるグレコと自分とは違うものだと距離感を持って観る事が出来ていました。disc2も作風がガラッと変わっていたので、そういう意味でもあまり意識せず観ることができました。

僕は他の人が自分と同じ役を演じていてもあまり気にならないタイプなんです。過去にも何度かWキャストの経験がありますが、他の役者が同じ役を演じる姿を見て、どういう風に照明が当たっているのか、どんな風に観客から見えているのか、を確認していましたね。今回も座組み内の年齢の幅とか、ランダムスターのタイプも異なるので、例え台詞が一緒でもそこで生まれる人間関係もまた変わってくるんでしょうね。

柳下大

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ーーいのうえひでのりさんからはどんな演技指導を受けていますか?

どこに向かってどのくらい声を出すのか。その時の身体の向きは、そうなる意味は……とか本当に詳しく演出してくださいます。台詞がその場で変わる事も多々あります。いのうえさんの演出が速くて、ついていくのが必死です。休憩後はすぐ次のシーンに行ってしまうし、終わるとすぐ僕らも帰っちゃう。早く家に戻って翌日の予習をしないと、という日々です。

でも浦井さんと真宙くんは芝居の稽古のほかに歌稽古もあるし、さらに真宙くんは踊りの稽古もあるから大変だと思いますよ! 僕は磯野慎吾さんと粟根さんがいたらバンドの練習をしています。あの1980年代で見せるバンド「メタルマクベス」のところは本当に演奏しているんですよ。僕は初めてベースをさわるので現在特訓中です(笑)。

ーーグレコ役を演じるにあたり、ベースの他に初めて挑戦することはありますか?

僕は西洋の長剣や日本刀のような長い剣を使ったことがないんです。これまでは斧とか鎌とか短い刃物ばかり。『真田十勇士』のときは背負い刀だったからまた特殊で。今回演じるグレコは剣の腕が立つ人物なので、長い剣をどう扱えばいいのか、一つひとつの動きをビデオに撮って研究しています。殺陣の先生の動きと見比べてどこがどう違うのか、と。

ーーそのグレコですが、柳下さんの中でグレコという人物をどう作っていこうとしていますか?

そうですね。ランダムスターが変わっていく前の人物像が見えてくるような関わり方を作りたいです。でも1980年代のマクダフ柳下のときはおもいっきりふざけたいなと思っています(笑)。

柳下大

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ーー柳下さんの目から見た、disc3のランダムスター夫妻はどんな人物に出来上がろうとしていますか? ランダムスターを演じる浦井さんは、新感線の舞台では「シャルル王子」というおバカキャラを確立されている稀有な存在ですが(笑)。

浦井さんのランダムスターは、ものすごくおもしろいし、ものすごくカッコイイですよ! ランダムスターが魅せるギャップ~カッコよさと奥さんの前で見せるもろさや弱さ~の振り幅がデカイですね。かわいくもあり魅力的。そして長澤まさみさんが演じる夫人もすごくおもしろくてカッコいいんです。稽古では、いのうえさんが夫人にさせたいことをまずやってみせて、その段階でもすでにおもしろいんですが、それを長澤さんが実演するとさらにおもしろくなるんですよ。

ーーそしてdisc3では橋本じゅんさんが再びエクスプローラー役で復活!

もう、稽古場で毎回楽しいですよ。自分が演じているときはこらえていますけど、出番でない時は素で笑って観ています(笑)。

ーー稽古中、そして本番に向けて、今個人的に準備していることはありますか? 「ステージアラウンドダイエット」と呼ばれるくらい、皆さんどんどん痩せていくと評判のステージですが(笑)。

お腹がすいてなくてもご飯を食べるようにしていますね。あと準備運動込みで、稽古場まで自転車で通っています。10kmくらいを1時間かけてゆっくりと。持久力を付けるという意味の方が強いかな。あとは帰宅したらお風呂に入って身体をストレッチして「その日の疲れはその日のうちに取る」を心がけています。これをやらないと次の日に筋肉が張っちゃうんですよ!

ーー本番が始まったら、我慢できずに出演報告をした(笑)ご家族の皆さんも観にいらっしゃいそうですね!

ええ。皆ものすごく楽しみにしているんです。親も祖父母も来ると思います。僕が新感線が大好きでよく舞台を観に行ったり、家でDVDを観ていたのを知っていたので、出演を伝えたときは「本当に良かったねえ」と言ってくれましたし……良い舞台になるよう頑張りたいと思います!

柳下大

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取材・文=こむらさき 撮影=福岡諒祠

公演情報

ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS
■作:宮藤官九郎
■演出:いのうえひでのり
■音楽:岡崎 司
■振付&ステージング:川崎悦子
(原作 ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より)
 
■出演:
浦井健治 長澤まさみ / 高杉真宙 柳下 大 /
峯村リエ 粟根まこと 右近健一 / 橋本じゅん /ラサール石井 他
 
■会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)
■公演期間:2018年11月9日(金)~12月31日(月)
料金:全席指定13,500円(税込・未就学児入場不可)
■公式サイト:http://www.tbs.co.jp/stagearound/metalmacbeth_disc3/
 
■問合せ ステージアラウンド 専用ダイヤル 0570-084-617(10:00~20:00)
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