展覧会『ブルーノ ・ ムナーリ―役に立たない機械をつくった男』が世田谷美術館で開催

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2018.10.20
 ブルーノ・ムナーリ 《わかったよ。みんな、買うよ ジャンニ・ロダーリ『クリスマスツリーの惑星』のための挿絵の習作》  制作年不詳(1962年)  パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《わかったよ。みんな、買うよ ジャンニ・ロダーリ『クリスマスツリーの惑星』のための挿絵の習作》  制作年不詳(1962年)  パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

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展覧会『ブルーノ ・ ムナーリ―役に立たない機械をつくった男』が、2018年11月17日(土)〜2019年1月27日(日)まで、東京・世田谷美術館で開催される。

ブルーノ・ムナーリ 《無題》 1930年 カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《無題》 1930年 カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

20世紀イタリアを代表する美術家、デザイナーのブルーノ ・ ムナーリ(1907-1998)。その活動の幅は、絵画や彫刻から、グラフィック・デザイン、インダストリアル・デザイン、絵本、著述ととても広く、さらに70歳を過ぎる頃からは、子どものための造形教育に積極的に取り組んでいった。

ムナーリの出発点は、イタリア未来派だ。1930年代初頭、ムナーリは未来派の一員として活動するなかで、《役に立たない機械》を発表する。この作品は、動きを美術に取り入れたという点で画期的なものだったが、その軽やかすぎる作品の佇まいのために、あまり理解されなかった。第2次世界大戦以降は、具体芸術運動やアルテ・プログランマータといった同時代の美術の動向と密接に関わり、若い世代の美術家たちとも交流を持った。

ブルーノ・ムナーリ 《読めない本の試作》 1955年 パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《読めない本の試作》 1955年 パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

また、戦前より広告や雑誌の仕事を手掛けていたムナーリは、戦後になると絵本やインダストリアル・デザインの作品も多く発表するようになり、イタリアで優れたデザインに与えられるコンパッソ・ドーロ賞をたびたび受賞してもいる。日本でも1950年代以降、折に触れて紹介されており、またムナーリが来日する機会も何度かあった。1985年には、東京のこどもの城で大規模な回顧展が開催され、その際には、ムナーリ自身による子どものためのワークショップも行われている。

いずれの作品や活動にも、ムナーリの一貫した美術やデザインに対する考え方が現われているといえるだろう。それは、誰もが楽しみながら美術やデザインに触れ、そして自分でも創作できるようにするというものだ。

ブルーノ・ムナーリ 《木々》 1993年 バッコリ・コレクション (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《木々》 1993年 バッコリ・コレクション (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

本展覧会は、プロローグとエピローグを含む9つのパートで構成されている。7つのパートは、ブルーノ・ムナーリが1985年に東京のこどもの城で行った子どものためのワークショップにヒントを得てテーマを設定した。こどもの城での展覧会の出品作品に、イタリア国内の複数のコレクションから拝借した約160点を加えた全300余点による、日本初となるブルーノ・ムナーリの本格的な回顧展。今年の4月に神奈川県立近代美術館葉山で開幕した巡回展の最終会場となる。

ブルーノ・ムナーリ 《役に立たない機械》 1934年/1983年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会  (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《役に立たない機械》 1934年/1983年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《陰と陽》 1953年 ジャックリーン・ヴォドツ・エ・ブルーノ・ダネーゼ財団 Photo: Roberto Marossi. Courtesy Fondazione Jacqueline Vodoz e Bruno Danese. (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《陰と陽》 1953年 ジャックリーン・ヴォドツ・エ・ブルーノ・ダネーゼ財団 Photo: Roberto Marossi. Courtesy Fondazione Jacqueline Vodoz e Bruno Danese. (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《凹凸》 1985年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《凹凸》 1985年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《『みどりずきんちゃん』のためのイラストレーションとレイアウト》 制作年不詳(1972年) パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《『みどりずきんちゃん』のためのイラストレーションとレイアウト》 制作年不詳(1972年) パルマ大学CSAC (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《みたての石》 1985年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ 《みたての石》 1985年 特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会 (C) Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

イベント情報

ブルーノ ・ ムナーリ―役に立たない機械をつくった男
会期:2018年11月17日(土)〜2019年1月27日(日)
会場:世田谷美術館
美術館公式サイト:https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
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