『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が森アーツセンターギャラリーで開催 壮大な画業を通覧し、真の北斎に迫る
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葛飾北斎《弘法大師修法図》紙本1幅 弘化年間(1844-47) 西新井大師總持寺 通期展示
『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が、2019年1月17日(木)~3月24日(日)まで、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)で開催される(会期中、展示替えあり)。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(新庄コレクション) 展示期間1月17日(木)~2月18日(月)
葛飾北斎(1760~1849)は、世界で最も知られた日本の芸術家のひとりだ。その評価は、近年、国内外における展覧会の相次ぐ開催や、おびただしい数の出版物によって、一段と国際的な高まりをみせている。また調査研究の面でも、多くの論文の発表、新出作品の紹介など、他のどの絵師にもまして、大きく進展してきた。このような状況をふまえ、北斎の没後170年にあたる2019年に、『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』を開催する。
江戸時代後期に浮世絵師として登場してから90歳で没するまでの約70年に及んだ北斎の画業は、常に新たな絵画の創造への挑戦の連続だった。度重なる画号の改名は有名だが、画風もまた大胆に変え続けた。つまりは自らをUPDATEし続けた人生に他ならない。
そんな北斎の姿に肉薄しようとした研究者が、永田生慈(1951~2018)だ。永田不断の調査研究と新たな作品の発掘によって北斎像のUPDATEに生涯を捧げた。本展はその集大成として、氏によって企画されたもの。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(新庄コレクション) (展示期間2月21日(木)~3月24日(日)※1月17日(木)~2月18日(月)は日本浮世絵博物館の作品を展示)
北斎の代表作としては、“Great Wave”と称されて世界的に名高い「神奈川沖浪裏」を含む「冨嶽三十六景」シリーズ、19 世紀のヨーロッパにおけるジャポニスムの流行の契機となった『北斎漫画』などが一般的に知られているが、これらは約70年に及ぶ北斎の画業のほんの一端にすぎない。
本展では、北斎の絵師人生を作風の変遷と主に用いた画号によって6期に分けて紹介。勝川派の絵師として活動した春朗期(20〜35歳頃)、勝川派を離れて肉筆画や狂歌絵本の挿絵といった新たな分野に意欲的に取り組んだ宗理期(36〜44歳頃)、読本の挿絵に傾注した葛飾北斎期(46〜50歳頃)、多彩な絵手本を手掛けた戴斗期(51〜60歳頃)、錦絵の揃物を多く制作した為一期(61〜74歳頃)、自由な発想と表現による肉筆画に専念した画狂老人卍期(75〜90歳頃)と、その壮大な画業を通覧。国内外の名品、近年発見された作品、初公開作品を通じて、真の北斎に迫る。
葛飾北斎《鯉亀図》紙本1幅 文化10年(1813) 埼玉県立歴史と民俗の博物館 展示期間2月21日(木)~3月24日(日)
見どころ1:待望の大規模北斎展
20歳のデビュー作から90歳の絶筆まで、本展に出品される作品数は約480件(会期中展示替えあり)。十数年ぶりに東京で開催される、大規模かつ網羅的な北斎展となる。国内外から集められた名品・貴重品によって、北斎の全貌を知ることのできる待望の機会となっている。
葛飾北斎「百物語 こはだ小平二」中判 天保2-3年(1831-32)頃 山口県立萩美術館・浦上記念館 (展示期間3月6日(水)~3月24日(日)※1月17日(木)~2月18日(月)は、中右コレクションの作品を展示)
見どころ2:初公開作品が続々登場!
多数の初公開作品を揃えていることも本展の特徴だ。アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する「向日葵図」(肉筆画)は、北斎が88歳の時に描いたものだが、その凛とした姿には、衰えを知らない北斎のエネルギーがみなぎっている。また同館の「かな手本忠臣蔵」(小判、10枚)は近年発見された貴重なもの。旧津和野藩主家が所蔵していた摺物(非売品の特製版画)、大小暦も必見だ。118点を4期にわけて全点を公開するが、いずれも長らく秘蔵されていたため、衝撃的なほどに美しい色彩をとどめている。
葛飾北斎《向日葵図》紙本1幅 弘化4年(1847) シンシナティ美術館 Cincinnati Art Museum, The Thoms Collection-Given by Mrs. Murat H. Davidson in Honor of her Grandfather, Joseph C. Thoms, 1982.15 通期展示
見どころ3:永田コレクション、最後の東京公開
本展監修者・永田生慈は、北斎研究のために作品の収集も行った。作品数は2,000件を超える。それらは昨年一括して、故郷の島根県に寄贈された。そして氏の遺志により、本展に出品された後は、島根県のみで公開されることとなった。つまり、本展は永田コレクションを東京で見ることができる最後の機会となる。
葛飾北斎「花くらべ弥生の雛形」大判 天明4-5年(1784-85) 島根県立美術館(永田コレクション) 展示期間2月21日(木)~3月24日(日)
葛飾北斎『北斎漫画』全15冊より初編 絵手本 半紙本 文化11年(1814) 島根県立美術館(永田コレクション) 通期展示 ※頁替えあり
葛飾北斎「風流無くてなゝくせ」 ほおずき 大判 享和年間(1801-04) 米・個人蔵 展示期間1月30日(水)~2月18日(月)
葛飾北斎《円窓の美人図》絹本額面 文化2年(1805)年頃 シンシナティ美術館 Cincinnati Art Museum, The Thoms Collection- Given by Mrs. Murat H. Davidson in honor of her grandfather, Joseph C. Thoms, 1982.4 通期展示
イベント情報
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)(〒106-6150 東京都港区六本木 6‐10‐1)
開館時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで)
休館日:1月29日(火)、2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)
※ ( )内は前売および15名以上の団体料金(添乗員は1名まで無料)
※障がい者手帳をお持ちの方と介助者(1名まで)は当日料金の半額
※前売券の販売は、11月27日(火)から2019年1月16日(水)まで