マリウス葉、大塚国際美術館で「感動に溺れてしまいそう」 『Holiday at the Museum2018』アンバサダー就任式レポート
文化の日である11月3日、大塚国際美術館『Holiday at the Museum2018』アンバサダー就任式が都内で開催され、アンバサダーに就任したSexy Zoneのマリウス葉に、委嘱状が贈られた。さらに同館では、この日よりゴッホの陶板《タラスコンへの道を行く画家》が一般公開された。
約1000点、原寸大の陶板名画美術館
大塚国際美術館は、1998年に四国・徳島県鳴門市に設立された美術館だ。同館の特徴は、展示作品がすべて「陶板名画」であること。世界の美術館やコレクターより許可を得たのち、セラミックボードに原画の写真を忠実に転写。レタッチを重ね、限りなくオリジナル作品に近づける特殊技術で制作されている。
マリウス葉がアンバサダーをつとめるのは、2018年11月3日~2019年5月2日までのキャンペーン『Holiday at the Museum2018』だ。休日を美術館で過ごそう、という主旨のもの。
同館の常務理事である田中秋筰は、マリウスを選出した理由に「美術への造詣の深さ」をあげた。ポスター撮影のために同美術館を訪れた際も、同行したキュレーターと美術に関するディスカッションをしたり、最終便の飛行機の時間ギリギリまで作品鑑賞を楽しんでいたことを明かす。
マリウスは、ポスターと同じ衣装で登場。委嘱状を受け取り「アートをみるのも勉強をするのも本当に好きです。今回はより多くの皆さんにもアートに触れ合っていただきたいので、アンバサダーとしてがんばりマリウス!」と気合をみせた。
ゴッホ幻の全身自画像を細密に再現
続いてマリウスは、アンバサダー就任後の初仕事として、陶板名画による《タラスコンへの道を行く画家》のアンベール(お披露目)をした。
《タラスコンへの道を行く画家》は、ゴッホの自画像の中で、唯一の全身が描かれたもの。かつてはドイツのカイザー・フリードリッヒ美術館(現・マグデブルグ文化歴史博物館)が所蔵していたが、第二次世界大戦中に、戦火を逃れるため岩塩鉱に一時避難させたものの、その後は所在が不明となっている。
大塚国際美術館は、陶板の《タラスコンへの道を行く画家》を2点制作。1点は自館で展示し、もう1点はマグデブルグ文化歴史博物館に寄贈する。
ゴッホとマリウス葉の運命的な出会い
マリウスは今後、アンバサダーとして美術館内で撮影した写真や、ショートムービーなどを通じ、同館の魅力を発信していくという。トークセッションでのコメントからは、アートへの強い関心を感じられた。以下、その一部を一問一答形式で紹介する。
——《タラスコンへの道を行く画家》を観て、いかがですか?
ゴッホの全身が写っている自画像は、この作品しかないので、それがすごいです。黄色がきれいですね。不思議に思うのは影です。まわりの木をみると、あまり強い影はなくて、なぜゴッホだけ(強い影が)あるのか。
あとは……、脚が長いので、止まっているのかな。僕も遠足とか自然が好きで、足を止めて空気を吸うのが好きですが、そういう姿勢なのかなと思いました。
——今回2点作られた陶板名画のうち1点は、ドイツの美術館に寄贈されます。マリウスさんもドイツのご出身ですね。
そうなんです。しかも、美術館の方に聞いたところ、ゴッホさんと僕は同じ、3月30日の誕生日。運命的な出会いだと思いました!
——ほかにゴッホと共通点を感じることはありますか?
ゴッホさんは外に出て自然を描いていましたよね。自分は、ハイデルベルクという自然に囲まれた素敵な町で育って、自然との関係が深かったので、そこは似ているかもしれません。
感動に溢れた美術館で名画に触れる
——『Holiday at the Museum2018』ビジュアル、5パターンをあらためてご覧になっていかがでしょうか?
かっこいいですね! 普通はできないような「本当にここで撮影してもいいのか?」という場所で撮影をしました。
今、見ると、その時の喜びや楽しみが伝わってきます。
美術館の中は、ひとつ角を曲がったり、エスカレーターを上がったりした瞬間、一つひとつの角度にきれいな絵が飾ってあり、感動に溢れていました。感動に溺れてしまいそうなくらい楽しかったです!
——PVの撮影もされましたね。
映像でも少しうつりましたが、大塚国際美術館では、本物のサイズの絵に(陶板なので)実際に触れることができます。
子どもの時にヨーロッパで行った美術館だと、絵から少し離れて観なくてはいけなくて、細かいところが観られなかったことがありました。
僕はルネッサンスの絵が好きなのですが、背景には、本とかアクセサリーとか宝物とか細かいものが多く描かれています。それを触れる距離で、本当にきれいに観られました。今までにない経験で感動して言葉がでませんでした。
本物の大きさで目の前にあると、教科書にのっている絵ではなかった感情もありました。ぜひ皆さんにも感じていただきたいです!
大塚国際美術館「Holiday at the Museum」PV
高校2年生の頃には、美術史の授業で、ダ・ヴィンチの《岩窟の聖母》について論文を書き、小さい頃には父のレクチャーを聞きながら絵画鑑賞もしたというマリウスだからこそ、世界26か国、約1000点の西洋名画を、陶板ならではの距離で"体感"してきた様子が伺い知れた。
就任式は、「アートは知れば知るほど楽しくなり、アートを通して世界をもっと知ることができます。皆さんにも、もっともっとアートとの関係性を深くしていただき、実際に手で触れていただきたいです。ぜひ大塚国際美術館で素敵な休日を過ごして、たくさんの絵画に触れていただきたいです」と呼びかけ締めくくられた。