スーパーマジシャン、セロ独占インタビュー
-
ポスト -
シェア - 送る
セロの感じたマジックのこれまでとこれから
柔軟かつ斬新な発想力で常に新しいマジックに挑む伝説のスーパーマジシャン、セロ。一年ぶりに彼がワールドツアーを開催する。日本から始まるこのツアーを前にセロに話を伺うことが出来た。彼のマジックに対する思いをお届けする。最後に小さなサプライズもくれているのでご覧頂きたい。
――約一年ぶりの日本ですが
「そうですね、去年5年ぶりのライブを日本でやりました。この5年は海外での活動が多くて日本から離れていたんですけど、今回は日本からスタートのワールドツアーになりますね」
――元々セロさんがマジックを始めたキッカケをお聞かせ願えますか?
「オフコース!僕が6~7歳の時ですが、ラスベガスに連れて行かれてそこでレビューショーを見たんです。当時は18歳未満は中に入れなかったんですけど、一緒に行った人がチップを渡して特別に入れてもらったんですよ。初めてダンサーやジャグラーやシンガーを生で見て凄い刺激を受けたんですけど、そこで見たマジックで衝撃を受けたんです。その時「あんなマジックを出来るようになりたい!」と思ったのがキッカケです」
――セロさんの登場は日本のお茶の間に衝撃を与えたと思っています。今までのスーパーマジシャンたちとセロさんは何が違うと思いますか?
「昔からあるマジックの形はお客さんが劇場に来て楽しむスタイル。でも僕は日本のテレビのために考えたのは、劇場に来るんじゃ無くてみなさんの所にマジックを持っていくって言う形。いわゆるストリートマジックというスタイルを作ったんです。そこからマジックの見方が変わってきたと思うんですけど、ほかのマジシャンもこのスタイルに乗って、ストリートマジックは世界でよく見られるようになりました。でも時代は変わっていきますからね、僕はその次のスタイルを考えていますよ」
――確かに町中にセロさんが現れてマジックを行うのはサプライズでした。お考えの新しいスタイルのマジックはどういうものになりそうですか?
「今回のツアーのタイトルは『THE SECRET』!だからまだ内緒です(笑)来てくれた人には明らかになりますよ。でも言えることとしては今回のコンセプトは「僕のパーティー」です。久しぶりに日本に戻ってきて、皆と会いたい、遊びに来て欲しい。勿論ショーもパフォーマンスも凄いものを沢山お見せしますが、盛り上がるつもりで来てもらいたいな」
――セロさんのパーソナルな部分も聞いていきたいと思います。セロさんはハーフで日本人の血が入ってらっしゃるんですよね?
「生まれはロサンゼルスですが、日本にも家があります。両方に住んでますが、最近は日本にいることが多いですよ。日本が一番だね!」
――やっぱり日本がいいですか。
「LAにもいい所があるから、日本にいるとLA帰りたいな…ってなるし、その逆も勿論あるけど(笑)」
――アジアでの活動も増えてきておりますが、好きなアジアの国とかもありますか?
「僕は旅が好きなんで色々いくんだけど、海を見て自然と一体になりたい時はタイがいいね。インスピレーションを受けたい時は香港かな…世界各国色々行くからそれぞれにいい所があると思うな」
――セロさんがテレビに出てから10年ほどがたちました、この10年でマジック界では何が変わっていったのでしょうか?
「そうだな…マジックって昔からずっと進化し続けてて、例えば江戸時代の「水芸」って凄いことだったんですよ。今から見たらそれはただのポンプとホースだけなんだけど、当時はあれは凄かったんです。近代になると初代引田天功さんが脱出系のマジックをやりだした。それで世間はびっくりしたんですけど、その後色んなマジシャンが同じ脱出系マジックをするようになって当たり前になってしまった。その後Mr.マリックさんが出て、僕がストリートマジックをやりだして、これもまた同じように演る人が増えた。そうするとやっぱり廃れてきてしまうんですよ」
――確かにそうですね、流行りはあるのかもしれません。
「テレビはその次を探していて、今は種明かしの時代なんです。「このマジックはこんな仕組みです」とかね。番組を支えるためには夢を壊さないといけない時代になってしまった。でも、マジックの本質はそこじゃなくて、道具があればマジシャンになれるわけじゃないんです」
――色々なマジックアイテムも販売されてますが、そこじゃないんですね。
「ギターを買ったからギタリストになれるわけじゃないし、絵の具を買ったからアーティストになれるわけでもないじゃないですか。それはただの機材なんですよ、僕のマジックだってタネも仕掛けもあります。でも、どういう音楽を奏でるかがミュージシャンの仕事なのと同じで、僕はマジックで人に夢と感動と世界を作品としてお送りしたいんです。元気を出して貰いたいんですよ。「このマジックの仕掛けはなんだろう?」って思うよりも「楽しかったね!また行きたいね!」って今日の一日の嫌なことを一瞬でも忘れて欲しい。それが出来たら僕のゴールだと思ってます。それがこれからのマジックに必要なことなんじゃないかなって思います」
――では、最後に未来のセロを目指す若いマジシャンにアドバイスをするとしたら?
「初めてマジックをした理由を忘れないこと!僕は初めてラスベガスで見たあの感動と衝撃を今でも忘れてません。それを忘れるとダメになっちゃうんじゃないかな?「Don't forget The reason your doing Magic!」だね!」