『発掘された日本列島2018 新発見考古速報』、川崎市市民ミュージアムで開催 全国17の遺跡から、546点の資料を速報展示
展覧会メインビジュアル
展覧会『発掘された日本列島2018 新発見考古速報』が、2019年1月8日(火)~2月17日(日)まで、川崎市市民ミュージアムにて開催される。
《深鉢型・浅鉢型・あわび型土器》 特別史跡 加曽利貝塚(千葉県千葉市) 縄文時代
日本列島では、毎年約8,000件の発掘調査が行われている。『発掘された日本列島2018』展では、このうち近年発掘され成果がまとまった全国17の遺跡から546点にわたる資料を速報展示する。さらに、特集展示として全国の代表的な装飾古墳を取り上げる。
古墳内部に表現された幾何学紋や器財・動物・人物等の文様は、古墳時代の死生観や葬送儀礼を知る上で極めて高い価値がある。この特集は、東日本大震災や平成28年に発生した熊本地震により装飾古墳が被災した事態を受け、装飾古墳の世界やその保護の取り組みを紹介するもの。
《みみずく土偶》 特別史跡 加曽利貝塚(千葉県千葉市) 縄文時代
川崎でも、重要な遺跡が数多く発掘されている。現在の川崎市域には、かつて古代武蔵国の橘樹郡・多磨郡・都筑郡があった。この三郡にはそれぞれ、橘樹郡に影向寺遺跡、多磨郡に菅寺尾台遺跡、都筑郡に岡上栗畑遺跡の古代仏教遺跡がある。瓦塔や「寺」と書かれた墨書土器(ぼくしょどき)などが「ムラ」の遺跡から出土し、また丘陵地帯には骨蔵器を用いた古墓群が造営された。これは古代になって新しく出現した有力氏族の墓所と考えられる。本展では、これらの遺跡から発掘された資料から、古代寺院の成立とその後仏教が「ムラ」に浸透していく過程を描きだす。
見どころ1:発掘された全国17の遺跡から546点を速報展示
《異形台付土器》 特別史跡 加曽利貝塚(千葉県千葉市)縄文時代
毎年約8,000件の発掘調査が行われている日本列島。そのうち、近年注目された全国17の遺跡から546点の資料を速報展示。新たに特別史跡になった日本最大級の貝塚である加曽利貝塚(かそりかいづか)や、「日本のポンペイ」とも呼ばれ、榛名山の火山灰に埋まった古墳時代の「ムラ」である金井東裏遺跡(かないひがしうらいせき)の資料がやってくる。
見どころ2:全国各地の装飾古墳を紹介(*パネル展示)
※パネル展示《王塚玄室》 特別史跡 王塚古墳(福岡県嘉穂郡桂川町)
古墳の内部に描かれた幾何学紋や人物像などは、われわれの祖先の死生観を知る重要な資料だ。しかしその脆弱性から、装飾図像を実際に見ることはできない。今回は、大型写真や実際の出土資料を通じて、その内部の様子を伝える。特別史跡王塚古墳の五色で彩られた石室や、赤色顔料で描かれた七重の渦巻きが有名な清戸迫横穴(きよとさくおうけつ)などを見ることができる。
見どころ3:川崎に栄えた古代仏教文化の重要資料を多数公開(*川崎地域展示)
《銅鋺》 浄元寺裏横穴墓(神奈川県川崎市)古墳時代 川崎市教育委員会蔵
古代の川崎に栄えた仏教文化は、東日本でも最古級の古代寺院である影向寺遺跡を中心として展開した。本展では、この影向寺遺跡出土の文字瓦や、市域の各地に勢力をもった有力氏族の古墓から出土した骨蔵器など、川崎市重要歴史記念物を中心とした、古代仏教関連資料約100点を一堂に公開する。
《石槍》 本ノ木遺跡(新潟県中魚沼郡津南町) 縄文時代
《銅鐸》 雲出川下流域遺跡群(三重県津市・松阪市) 弥生時代
《人物埴輪》 神田・三本木古墳群(群馬県藤岡市)古墳時代
イベント情報
会期:2019年1月8日(火)〜2月17日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし1月14日、2月11日は開館)、1月15日(火)、2月12日(火)
開館時間:9:30〜17:00(入場は閉館の30分前まで)
会場:川崎市市民ミュージアム 企画展示室1
観覧料:一般 800(640)円、65歳以上・大学生・高校生 600(480)円、中学生以下無料