夢眠ねむ、大好きな仲間と10年史を総括「夢眠祭」でんぱ組.incもサプライズ登場

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2018.11.29
「夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~」の様子。

「夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~」の様子。

夢眠ねむ(でんぱ組.inc)の芸能活動10周年記念イベント「夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~」が、11月22日に東京・新木場STUDIO COASTで行われた。

11月4日の“前夜祭”「カオスフェス presents 夢眠祭前夜祭 supported by ヴィレッジヴァンガード」、そしてこの“本祭”と2度にわたって行われた「夢眠祭」。“本祭”には寺嶋由芙、二丁目の魁カミングアウト、MOSAIC.WAV、ONIGAWARA、スネオヘアーといった夢眠ゆかりのゲストのほか、でんぱ組.inc内ユニットの水玉おんらいんと横縞おふらいん、でんぱ組.incの藤咲彩音と妄想キャリブレーションの星野にぁによるユニット・ニァピン、夢眠とネットラジオ「たぬぴよラジオ」を定期的に配信している元ディアステージ所属の吉河順央、DJごむおこと∴560∵(Wienners)、DJ汐りんごこと恋汐りんご(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI)、さらには夢眠のオリジナルキャラクター・たぬきゅんとその仲間のラビやん、コアラさんといった多彩なゲストが集い、合計4時間半におよぶにぎやかなステージを繰り広げた。

DJごむおのオープニングDJを経て登場した水玉おんらいん、横縞おふらいん、ニァピンの3組は、たった1人しか手に入れることができない伝説の“ララァ”なるものを探して旅をする謎の寸劇を展開する。それぞれのパフォーマンスののちに3組は花畑に到着。すると夢眠は「確か花畑の上手に……」と、伝説のララァを決める箱を見つけ出す。箱の中にはクジのような6本の札が収められており、各自1本ずつ引き抜くと、夢眠が手にした札には大きく「ララァ」と書かれていた。夢眠が札の裏に書かれた呪文「明日も明後日も あなたが笑ってますように」を唱えると、どこからともなく「あら、あなたがララァの権利を得たのね」とララァを司る女神・黒崎真音の声が。ララァを私利私欲のために使おうと考えていた夢眠に対し、女神は「ララァはみんなの笑顔のためにあります。あなたはこのララァをみんなの笑顔がずっと続くように願って歌うのです」と告げたうえで、「私、黒崎真音は昨日11月21日にニューシングル『Gravitation』をリリースしました」と告知を残して消えていく。残った6人は声を合わせて黒崎の楽曲「Wishful Garnet」を披露し、夢眠は冒頭の決めパート「ララァー!」を高らかに歌い上げた。

混沌とした3組のパフォーマンスに続いては、寺嶋由芙がたぬきゅん、ラビやん、コアラさんを引き連れステージへ。1曲目の「オブラート・オブ・ラブ」では夢眠も合流し、ラビやんと共にヲタ芸を打って盛り上げた。寺嶋はさらに、ゆるキャラ愛を表明した「ゆるキャラ舞踏会」をたぬきゅん、ラビやん、コアラさんと一緒に歌い、最後は「私のスタートの背中を押してくれたこの歌詞を歌って、ねむきゅんの10周年をお祝いしたいと思います」と、夢眠が作詞を手がけたメジャーデビュー曲「#ゆーふらいと」を披露した。3組目の二丁魁は勢いよくステージに飛び出すと、熱量のあるパフォーマンスで「三原色カタルシス」「三原色カタルシス」「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」「そっ閉じ 青春」「シワの数だけ被GAY妄想」の5曲をノンストップで連発。そしてミキティー本物は「私たちの大切な大切なお友達をお呼びします!」と夢眠を呼び込む。かねてより親交の深かった夢眠と二丁魁は、結成はしたものの披露する機会がなかった合同ユニット「夢みる二丁目」をこのステージでついに実現させ、5人で「まるもうけ」を熱唱。夢眠は前日に夜なべして作ったおそろいの衣装を着て歌い踊り、満面の笑みを見せた。

続いて登場したのは、夢眠がリスペクトする電波ソングの先駆者・MOSAIC.WAV。み~こ(Vo)と柏森進(Key)はサポートメンバーの三本木大輔(G)とダンサーの箱娘ふぉるしぃを引き連れ、1曲目の「洗脳搾取虎の巻」からコール&レスポンスで場内に一体感を作り上げる。さらに「片道きゃっちぼーる」でフロアを沸かせ、かつて夢眠が東京・秋葉原ディアステージで勤務していた際にレパートリーとして歌っていた「デジタル・ラジカル・シンドローム」を披露した。そして夢眠がステージに呼び込まれると、MOSAIC.WAVは11月21日にリリースされた夢眠のソロアルバム「夢眠時代」への提供曲「あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード」でコラボレーション。夢眠は「急に(新木場STUDIO COASTが)秋葉原になったなって。今は亡き石丸電気が見えます」と感慨深くつぶやいた。MOSAIC.WAVは夢眠に加えて古川も呼び込み、2011年のライブでも共演した「ガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト」を歌った。

幕間にはDJ汐りんごがフロアを盛り上げ、次のONIGAWARAへとバトンタッチ。竹内サティフォ(Vo, G)は甘い声とHOTEIモデルのギターで繰り出すカッティング、斉藤伸也(Vo, GAYA)はスタジアムクラスのライブさながらのパフォーマンスとガヤで観客を惹き付ける。ONIGAWARAのライブは撮影が可能で、タイトル通り曲中にシャッターチャンスを用意する「シャッターチャンス'93」には夢眠も合流して撮影タイムへ。3人はさまざまなポーズを決めてファンを喜ばせた。撮影タイムの最後には、斉藤から夢眠へサプライズで花束が。祝福ムードに包まれる中、ONIGAWARAは「タンクトップは似合わない」を歌い、さわやかにステージを去った。

DJブースには再びDJ汐りんごが上がり、その間にメインステージではスネオヘアーがスタンバイ。スネオは田中貴(B / サニーデイ・サービス)、松江潤(G)、おかもとなおこ(Dr / つばき)を従えたバンド編成で、青春時代に彼の音楽に支えられたという夢眠の思い入れたっぷりのリクエスト曲を演奏した。2曲目「フォーク」のあとには、スネオが「フォーク」のアンサーソングとして書き下ろした夢眠のソロ楽曲「ナイフ」を、夢眠を迎え入れて初披露。アウェイにならないかと気にしつつ、独特な語り口でフロアにじわじわと笑いを起こしていたスネオだったが、ひとたび演奏が始まると空気は一変し、場内をセンチメンタルなムードで包み込んだ。

たぬきゅんが「DJたぬきゅん」として夢眠仕込みのDJを披露したのち、この日最後の出演者として登場したのは、吉河順央と夢眠による「たぬぴよ」。2人はネットラジオの雰囲気をそのまま再現するかのように、テーブルと椅子を用意し、リラックスムードで語らいながらステージを進行していく。夢眠は前の晩、作業をしながらSkype通話をする“さぎょイプ”で配信した「たぬぴよ」ラジオで、この日着用した夢みる二丁目のコラボ衣装を作っていたことを告白。夢眠ねむの歴史を常にそばで見続けてきた吉河は、2010年から続く「たぬぴよ」について「芸能生活10周年、たぬぴよ生活8年……長いよね」としみじみ語り、夢眠の10年間を凝縮したようなこの日のラインナップに「エモかったなー。MOSAIC.WAVさんと歌ってた『デジラジ』なんて、ねむが1年目か2年目にめちゃくちゃ歌ってた!って思ったけど、それ観てた人この会場に何人いるんだろうって」と感慨にふけっていた。ちなみに冒頭の寸劇に声で登場した黒崎は2人にとってディアステージの先輩でもあり、2人は「伝説のララァ」について黒崎との懐かしいエピソードを交えて解説した。そして吉河はディアステ時代に歌っていた榊原ゆいのカバー「片翼のイカロス」と、ボーカルを務めるユニット・LAZY GUNGの「Strawberry Fiction」を披露。夢眠は吉河の横で踊りまくりグッタリしながらもソロ楽曲「魔法少女☆未満」を歌う。観客はおなじみの口上で盛り上げ、フロアは夢眠のイメージカラー・ミントグリーン色のサイリウムに包まれた。

これで予定されていた全出演者の出番は終了となったが、さらにもう1組、でんぱ組.incがサプライズで登場した。ユニット参加もない新メンバーの根本凪と鹿目凛も密かにスタンバイしており、最後は7人全員でステージへ。どよめく観客を前に、でんぱ組.incは「ギラメタスでんぱスターズ」「エバーグリーン」「でんでんぱっしょん」で場内を大いに沸かせた。最後は全出演者がステージ上で肩を組み、夢眠のソロアルバムに収録された「蛍の光(PandaBoY REMIX feat.夢眠ねむ)2018」で大団円。改めて全員を紹介して送り出した夢眠は、フロアを埋め尽くした観客に向け「10周年のお祝いに来てくれてありがとうございました! 幸せです!」と感謝の思いを伝え、満面の笑顔でステージをあとにした。

夢眠は2019年1月6日・7日に東京・日本武道館で行われる単独公演「でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in 日本武道館」をもってでんぱ組.incを卒業。3月には芸能界を引退する。

音楽ナタリー
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