テリー・ギリアム演出オペラをNHK-BSで11/8深夜放送

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テリー・ギリアムがサーカス的要素をふんだんに取り入れた見世物オペラ

NHKのBS衛星放送、BSプレミアム「プレミアムシアター」で、H・ベルリオーズ作曲のオペラ『ベンヴェヌート・チェッリーニ』が、11月8日(日)深夜に放送される。

本作品は16世紀のイタリアに実在した彫金師ベンヴェヌート・チェッリーニを主人公にしたオペラ・コミック(滑稽な要素を含んだオペラ)である。1838年9月パリ・オペラ座で初演された際には不評だったが、1852年にF・リストの指揮によってヴァイマルで再演された際には好評を得たという。

2014年6月にイングリッシュ・ナショナル・オペラがネーデルランド・オペラおよびローマ歌劇場との共同制作で英語上演。この時、元モンティ・パイソンのアニメーターで現在は著名な映画監督であるテリー・ギリアムを演出に招き、大きな話題を呼んだ。

このプロダクションが翌2015年5月に、オランダはアムステルダムのネーデルランド・オペラで上演されることとなり、マーク・エルダーの指揮するロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、主役チェッリーニをジョン・オズボーン、恋人テレーザをマリアンジェラ・シチリア、仇役フィエラモスカをローラン・ナウリがそれぞれ歌った。今回NHKで放映されるのはその時の舞台映像だ。

テリー・ギリアムが「オペラらしさは敢えて求めなかった。僕が作るのはショーだ」と語っているように、祝祭的見世物としての色合いが濃い歌劇となっている。「見世物オペラ」と聞いて寺山修司の『身毒丸』を思い出すむきも多かろうが、あちらが「親の因果が子に報い…」的おどろおどろしい雰囲気なのに対して、ギリアムの『ベンヴェヌート・チェッリーニ』は本格的な西洋サーカスを前面に押し出した騒々しいドタバタオペラだ。あらゆる欧米コメディ(もちろんモンティ・パイソンも含む)の源流にサーカスの道化的笑いがあることは言うまでもないが、今回オペラ・コミックとしての『ベンヴェヌート・チェッリーニ』において、そうした面に脚光を当てたのは案外、誠実で正しい演出といえるのではないか。

それにしても、本プロダクションが英国で初演された2014年6月といえば、ギリアムも参加したモンティパイソン再結成ライヴ(於ロンドンO2アリーナ)を行なう僅か一ヶ月前。とすれば『ベンヴェヌート・チェッリーニ』とモンティパイソン再結成の準備が同時進行していた可能性も高く、それを思うとオペラファンのみならず、全コメディファンもまた、今回の放送は要チェックかも知れない。

なお、同番組の第二部はジャン・クリストフ・マイヨー振付によるモナコ公国 モンテカルロ・バレエ 「LAC~白鳥の湖~」が放映される。実は、こちらも見逃すのはもったいない内容だ。

イベント情報

NHK-BSプレミアム「プレミアムシアター」

11月9日(月)【11月8日(日)深夜】午前0時20分~
◇本日の番組紹介
◇歌劇『ベンヴェヌート・チェッリーニ』【5.1サラウンド】
◇モナコ公国 モンテカルロ・バレエ 「LAC~白鳥の湖~」

◇本日の番組紹介(0:20:00~0:21:30)
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)
◇歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」(0:21:30~3:25:00)
<演 目>
歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」 (全2幕) ベルリオーズ 作曲
<出 演>
ベンヴェヌート・チェッリーニ: ジョン・オズボーン
テレーザ: マリアンジェラ・シチリア
フィエラモスカ: ローラン・ナウリ
ジャコモ・バルドゥッチ: マウリツィオ・ムラーロ
アスカニオ: ミシェル・ロジエ
法王クレメンス7世: オルリン・アナスタソフ
フランチェスコ: ニッキー・スペンス
ベルナルディーノ: スコット・コナー
ポンペオ: アンドレ・モルシュ
居酒屋の店主: マルセル・ビークマン
 
<合 唱>ネーデルランド・オペラ合唱団
<管弦楽>ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
<指 揮>マーク・エルダー
<演 出>テリー・ギリアム
<字 幕>米沢啓子
収録: 2015年5月15、18日  ネーデルランド・オペラ(アムステルダム)
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