石川直最後の『ブラスト!』を武田真治とコジルリが熱烈サポート~『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』製作発表レポート
(左から)リサ・ライザネック・チャペル、石川直、武田真治、小島瑠璃子、米所裕夢
2019年7月10日(水)〜9月16日(月・祝)まで、全国32会場で59公演が行われる『ブラスト!ミュージック・オブ・ディズニー』。4月10日(水)には製作発表記者会見が開かれ、日本人初のメンバーとして2000年からカンパニーを支え続け今回が最後の出演となるパーカッショニストの石川直、ソリストとしても活躍するトランペットの米所裕夢、力強く美しい音色に定評のあるトロンボーンのリサ・ライザネック・チャペル、そしてスペシャルサポーターに就任した武田真治と小島瑠璃子が登壇した。なお、司会を務めたのはフジテレビアナウンサー・笠井信輔。
『ブラスト!』とは、60種類以上の金管楽器・打楽器とバトンや旗、ダンスを融合させ、アメリカの伝統的な「ドラム・コー(太鼓隊)」をショーアップした、常識を覆す衝撃的に楽しいエンターテインメントのこと。日本でいう鼓笛隊・マーチングバンドに近いが、ただのマーチングに非ず。『ブラスト!』最大の特徴は、大胆なアレンジとダイナミックなパフォーマンスなのである。ステージ上はもちろん客席も活用しながら会場全体に音色を響かせるミュージシャンたちと、色とりどりのバトンや旗、そして自らの身体を操り、音楽の魅力や世界観をさらに広げるダンサーたちの息の合ったチームワークはまさに芸術。音楽を“魅せる”こと、観客を“楽しませる”ことにこだわり、それぞれが持つ技術を惜しみなく発揮するステージは、誰もが思い切り楽しめること請け合いだ。
今回の『ブラスト!ミュージック・オブ・ディズニー』は、2016年初演の作品を、さらにパワーアップさせた最新版。「アンダー・ザ・シー(リトル・マーメイド)」、「メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード」といった定番から、ディズニーの最新作「メリー・ポピンズ・リターンズ」より「小さな火を灯せ(トリップ・ア・リトル・ライト・ファンタスティック)」といった曲まで網羅した、ワクワクするラインナップとなっている。
『ブラスト!』の魅力について尋ねられた石川は、「セリフもなく、音楽とパフォーマンスだけで感情や情熱、喜びを伝えられるのは素晴らしいと思う」と、この作品だからこそ味わえる楽しさと感動をアピール。アメリカでは“魔法にかかった時間”ともいうそうで、夢と魔法の物語を次々に世に送り出しているディズニーとの相性も抜群と自信をのぞかせ、「ベストなキャストでベストなパフォーマンスを作ります」と気合充分に意気込みを語った。米所とリサも「今回は新曲も多いのでそちらも楽しみにしていただけたら」「新しい曲を演奏できるのは私たちも楽しみ」と意欲を見せていた。
石川直
米所裕夢
リサ・ライザネック・チャペル
続いて、スペシャルサポーターの二人が登場。まず、筋肉体操で話題沸騰中、サックス奏者としても活躍する武田は、開口一番「日頃から音楽は筋肉の叫びだと思っています」と言い切り、「『ブラスト!』は数あるエンターテインメントの中でも、情熱が最も凝縮されたライブパフォーマンスができる集団。サポートできることにとても興奮している」と熱く語った。司会の笠井から「やっぱり筋肉というキーワードは入るんですね」と突っ込まれると、「言っておくと記事に取り上げてもらいやすいかなと(笑)」と武田が本音を暴露し、一同から笑いが。
続いて、小学校ではマーチング、中学校では吹奏楽部に所属していたという小島、「私もマーチングや吹奏楽をやっていたので、マーチングの最高峰の作品に興奮しています! 石川さんのラストという大切な時に、サポーターとして関わらせてもらって本当に嬉しい」とキラキラした瞳で語った。
二人はまだ本公演を観たことがないということで、初演からの大ファンだという笠井が「興奮というか、あまりの技術と音楽の高みに本当に感激! そんなことできるんですか?!みたいな」と熱弁をふるう場面も。
また、音楽にゆかりのある二人がサポーターに就任したことに対してコメントを求められた石川が「小島さんがそんなに音楽をやられていたとは知らなかったので嬉しい」と話した後、笠井が次のコーナーに行こうとしたのを武田が「ごめんなさい、私へのコメントがなかったので」と遮り、会場からはまたも笑いが。
すると石川から「以前ライブで拝見したことがあって。最近ではサックスを握り潰すくらいに筋肉がついているので、僕らもかなり頑張って筋肉をつけていこうかと」とコメントをもらうことができ、「小島さんよりも関係が深い武田です」と、事務所の後輩である小島と張り合って見せ、またも会場を沸かせた。
スペシャルパフォーマンスを待つ間のトークで好きなディズニー作品を聞かれ、小島は学生時代に文化祭で演じたという『ライオン・キング』を挙げ、武田は『パイレーツ・オブ・カリビアン』と回答。小島から「『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出てそうですよね! 登場人物の一人にいそう」と言われた武田は、「もっと褒めるといいよ!」とニコニコ。「先輩の突然の斬新な路線に後輩びっくりしております!」と困り顔をされると、「自分でもここ最近の筋肉キャラをどう受けとめたらいいかいまだに……」と苦笑いしながら、自身のキャラクターについての悩みも吐露した。
ここでキャストの準備が整い、『ブラスト!』の魅力をギュッと詰め込んだ全9曲の特別メドレーが披露された。
石川の華麗なドラムソロからスタートし、「彼こそは海賊」の重厚なメロディーが響いたかと思うと、ポップで明るくアレンジされた 「夢はひそかに」で雰囲気がガラリと変わる。続く「星に願いを」などの曲はスイングが心地よいジャズ調に。「パート・オブ・ユア・ワールド」をしっとりと叙情的に歌い上げ、「アンダー・ザ・シー」では各楽器の掛け合いとコミカルな動き・表情で和ませる。さらに石川のスティックさばきが素晴らしい「ひとりぼっちの晩餐会」など、目まぐるしく楽曲が移り変わるが、当然ながらいずれのパフォーマンスも非常に高レベル。そして、定番ともいえるディズニーのナンバーを大胆にアレンジし、新鮮な驚きと楽しさのある曲に仕上げてみせた。その素晴らしさに圧倒されたのは筆者ばかりではなかったはずだ。
3名のみという少人数ながら、音の厚みや迫力はかなりのもの。最前列で鑑賞していた武田、小島、笠井も、パフォーマンスに興奮を隠せない様子で口々に絶賛していた。「まだ3人でこのパワー! 本公演は35人ですからね!」と武田がしみじみとメンバーのパワーを讃えると、小島も「迫力もあるけど、楽器一つひとつの音色がすごく洗練されていて、音が丸くて素晴らしい」と、経験者ならではの目線でコメント。「公演が本当に楽しみ」と待ちきれない様子だった。
さらに、武田真治が8月20日(水)の東京公演初日に特別出演することも電撃的に発表された。
基本的に金管+打楽器で構成される作品のため、武田は本公演において唯一のサックスプレイヤーとなる。失敗できないというプレッシャーの中、紅白で演奏した経験があることをアピールし、「胸を借りて世界のライブパフォーマンスを学ばせていただきたい」と決意を口にする。また、武田がすっかり“筋肉キャラ”として定着していること、過去には肉体美を活かしたパフォーマンスをしたメンバーもいたということから、演奏だけでなく筋肉への言及もされた。日本語があまりわからないというリサも、笠井から「He is very muscle man! beautiful body!」と説明を受けると「見たい」と笑顔。武田は「露出高めで行きたいです!」と、期待に応えることを約束していた。
最後に石川から「自分にとっても一つの節目で、令和最初の『ブラスト!』ということで、ハッピーで縁起の良いスタートにしたい」と、改めて公演への意気込みが語られた。
公演はもちろん、休憩時間や終演後は至近距離でパフォーマンスを観ることができるなど、ライブ感たっぷりのめくるめくエンターテインメントの世界。超絶技巧を駆使するパフォーマーたちが巻き起こす熱狂を、ぜひ体感してほしい。
取材・文=吉田 沙奈
公演情報
山形公演2019年7月10日(水)シェルターなんようホール 大ホール(南陽市文化会館)
愛知公演2019年7月13日(土)~7月14日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
埼玉公演2019年7月15日(月・祝)大宮ソニックシティ 大ホール
静岡公演2019年7月18日(木)アクトシティ浜松 大ホール
栃木公演2019年7月20日(土)宇都宮市文化会館 大ホール
茨城公演2019年7月21日(日)ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール(茨城県立県民文化センター)
香川公演2019年7月23日(火)レクザムホール 大ホール(香川県県民ホール)
島根公演2019年7月24日(水)島根県民会館 大ホール
岡山公演2019年7月25日(木)岡山市民会館
山口公演2019年7月26日(金)周南市文化会館
広島公演2019年7月27日(土)ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
広島公演2019年7月28日(日)広島文化学園HBGホール
愛媛公演2019年7月30日(火)松山市民会館
群馬公演2019年8月1日(木)ベイシア文化ホール 大ホール(群馬県民会館)
福島公演2019年8月2日(金)いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
宮城公演2019年8月4日(日)東京エレクトロンホール宮城
千葉公演2019年8月6日(火)市川市文化会館 大ホール
新潟公演2019年8月8日(木)新潟テルサ
長野公演2019年8月9日(金)ホクト文化ホール 大ホール(長野県県民文化会館)
石川公演2019年8月10日(土)本多の森ホール
京都公演2019年8月11日(日)~12日(月・祝)ロームシアター京都 メインホール
大阪公演2019年8月14日(水)~16日(金)オリックス劇場
山梨公演2019年8月18日(日)コラニー文化ホール 大ホール(山梨県立県民文化ホール)
東京公演2019年8月20日(火)~9月1日(日)東急シアターオーブ (全20回)
神奈川公演2019年9月2日(月)相模女子大学グリーンホール 大ホール(相模原市文化会館)
兵庫公演2019年9月4日(水)神戸国際会館 こくさいホール
奈良公演2019年9月7日(土)~8日(日)なら100年会館 大ホール
長崎公演2019年9月11日(水)長崎ブリックホール
熊本公演2019年9月12日(木)市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
宮崎公演2019年9月13日(金)宮崎市民文化ホール
鹿児島公演2019年9月14日(土)鹿児島市民文化ホール 第1ホール
福岡公演2019年9月15日(日)~9月16日(月・祝)福岡サンパレス
※上演時間: 2時間 (予定/20分間の休憩を含む)
※ケガやその他の都合により、出演者・公演内容が予告なく変更になる場合がございます。予めご了承下さい。
「ひとりぼっちの晩餐会(美女と野獣)」
「サークル・オブ・ライフ(ライオン・キング)」
「アンダー・ザ・シー(リトル・マーメイド)」
「彼こそが海賊(パイレーツ・オブ・かリビアン)」
「メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード」
「小さな火を灯せ(トリップ・ア・リトル・ライト・ファンタスティック)」 ほか
※曲目は変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
石川直/パーカッション
米所裕夢/トランペット
本庄千穂/バトン
藤井麻由/ビジュアル・アンサンブル
他 アメリカ人キャスト(総勢35名)
■企画制作:フジテレビジョン/キョードー東京
■公式ホームページ:http://disney.jp/blast
■ブラスト!ホームページ:http://blast-tour.jp