「立ち止まった時間を乗り越えた」3周年記念ライブ目前の6人組声優ユニット NOW ON AIRが語るこれから

インタビュー
アニメ/ゲーム
2019.6.14
左から岩淵桃音、飯野美紗子、鈴木陽斗実、田中有紀、神戸光歩、片平美那

左から岩淵桃音、飯野美紗子、鈴木陽斗実、田中有紀、神戸光歩、片平美那

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6人組声優ユニット・NOW ON AIRが8月4日(日)に、ライブハウス吉祥寺CLUB SEATAで「3周年記念 1st 'FULL' LIVE」を開催する。デビュー3周年を飾る記念すべきライブに先駆けてこの度、彼女たちがデビューするきっかけとなったキミコエ・オーディションから3年が経過した今の想いや、7月にリリースされる1stフルアルバム、そして、本ライブにかける意気込みなどを熱く語ってもらった。

「立ち止まった時間」を乗り越えた1年間。6人の絆がより強まった。

――キミコエ・オーディション合格から、まもなく3年が経とうとしています。この3年間を振り返っての感想を聞かせてください。

鈴木陽斗実(以下、鈴木):とにかく目の前のことに必死で、あっという間に3年間を駆け抜けた印象です。それに、みんなにも少しずつ慣れてきました。

飯野美紗子(以下、飯野):実際に活動を始めてみると、わからないことだらけでうまくいかないこともたくさんあって、その都度、メンバー全員で悩んできました。そのおかげで団結力が強まりましたね。

田中有紀(以下、田中):この3年間を通してみんなの個性がわかってきて、みんなも私のキャラクターをわかってくれるようになったと感じます。今では、6人ならではの空気感をライブで出せるようになったんじゃないかな?

片平美那(以下、片平): 3年前はまだ高校2年生でした。そこから社会人になって東京にも来て、環境もガラリと変わる中で、みんなに助けてもらい続けた3年間だったなと思います。

岩淵桃音(以下、岩淵):長く活動していくうちに、グループがすごく安心して落ち着ける場所になっていきました。「居場所ができた」という気持ちです。

神戸光歩(以下、神戸):すべてありのままをさらけ出せる人が、家族以外で初めてできたというか……今までの人生でなかった特殊で濃密な関係性を築けたように思います。長く過ごすうちに、みんなのことが大好きになった3年間でしたね。

――鈴木さんは「みんなに慣れた」とおっしゃっていましたが、いつ頃からみんなに慣れました?

鈴木:う~ん……最近ですかね……。

一同:うそー! 最近!??(笑)

――意外ですね(笑)。何かターニングポイントがあったのですか?

鈴木:3rdシングル(「わたし的Progress/restart my resolution/君が好きで好きでダメだよ」)がリリースされるまでにちょっと時間がかかったんですよ。その「止まった時間」をみんなで乗り越えたことで、絆が強まりましたね。

飯野:たしかに、立ち止まっていた時間は長かったです。私たちがデビューするきっかけになったアニメ映画『きみの声をとどけたい』(2017年8月公開)の仕事が終わってから1年くらい、何をしたら良いのかわからない時期が続きました。その時に「私たちにできることって何だろう?」と考えるようになって、「路上ライブでもしようか?」「曲も自分たちで作ろうか?」とみんなで案を出し合ったりもしましたね。

――そんな時期があったのですね。

飯野:はい。「私たちどうする?」「この先どうなる?」「どうしたら良いんだろう?」みたいに話してて……あの時期、すごく暗かったよね(笑)

田中:私たちだけでできることも少ないですしね。「こんなことをやりたい!」と思っても、「とはいえ、こういうしがらみもあるしな……」ってなっちゃって、すごい八方塞がりだった気がします。

――では、何をきっかけに苦境を乗り越えたのですか?

飯野:昨年の6~7月頃に担当のスタッフさんが変わって、「あっ、この人にやりたいことを言えばいいんだ!」とハッキリしたことが大きかったです。自分の中で「私たちはこんなに仲が良くて、歌もみんなうまいんだから、色々な人にいっぱい見てもらいたいし、聴いてもらいたい!」っていう想いがずっとあって、それを発散させる場がなかったことが一番の悩みでしたから。

――担当のスタッフさんが新しくなったことで、昨年12月の3rdシングルリリースに繋がったと。

飯野:そうですね。その頃はかなりネガティブで「どうせ曲なんてつくってもらえないだろうな……」という想いから、「私たちに曲を作らせてください!」と直談判しました。「いや、こっちで作るよ!」と却下されてしまいましたが(笑)

1stフルアルバムでは作詞に初挑戦! 恋愛ソングやメンバーを想った歌も。

――その約7ヶ月後の今年7月には、1stフルアルバムがリリースされます。以前に比べて、活動が活発になってきましたよね。

飯野:3rdシングル出せて良かったな~ってちょっと安堵していたところに「次はアルバムだよ!」って言われたので、「えー!!」って驚きました。同時に「まだやることいっぱいあるんだ!」とうれしい気持ちになりましたね。

片平: 最初に話を聞いた時は、よくわかっていなくて。「アルバム!? え……え……!!?」みたいな感じで、現実感がなかったです。

鈴木:「私たち曲少ないのに大丈夫?」とも思ったよね。そしたら、まさかのほどんど新曲っていう(笑)

神戸:私はこのアルバムが、最後だから花を持たせてやるか……みたいな感じで決まった「卒業アルバム」だったらどうしよう……とあらぬ心配をしていました(笑)

――今回のフルアルバムでは、5人が作詞に挑戦されているんですよね。

片平:はい。先に曲をいただいて、その曲調からイメージされるテーマを決めて、各自作詞に取り組みました。

田中:ちなみに、私は恋愛の曲です(笑)

――恋愛の曲はどうやってイメージを膨らませたのですか?

田中:えっ!!

一同:気になる~(笑)!

田中:……完全に空想ですね(笑)。まだ20年しか生きていなくてわからないことも多いので、空想、願望、妄想を最大限膨らませました。

神戸:(歌詞カードを見ながら)じゃあ、「はじめて味わう感覚」とかもまだ味わってないんだ(一同笑)

飯野:そういうみっちゃんの詞は……ね!

神戸:えへへへ……

飯野:この歌詞について、超恥ずかしそうに話すみっちゃんを見たい! ねぇ、みっちゃん、誰の曲なの? ねぇ、ねぇ、誰の曲?(笑)

神戸:……私はなんか、あの……その……聴いてくれた人が、恋人だったり、家族だったり、子供だったり自分の大切な人を思い浮かべてくれたらいいなと思いながら作詞したんですけど、まぁ、自分にとっての大事な人はメンバーなので……

一同:ヒュー!!

――すごく素敵な話ですね。

神戸:いや、言うかどうか迷ったんですよ! 言わなければ、恋愛ソングと捉えられる場合もあって、それはそれでいいじゃないですか。実際に、出来上がった歌詞をみさみさが読んだ時には「良いラブソングだな~」って思ってくれたらしいんですよ。でも、本当はメンバーのことを書いた歌詞だったって知ったら、笑いが止まらなかったみたいです(笑)

飯野:ほんと、普通に読んでたらちょっと切ないし、キュンとする歌詞だなぁって思ったんですよ。でも、「メンバーのことを書いた」って聞いたあとに目を通すと、たしかに「君の時計隠す」や「どちらからともなく手を繋いだ」といったフレーズは、みっちゃんが普段、私たちにやってきていることだったりするんです。「そうだったんだ!」とわかった瞬間から、「もう、かわいいな~、みっちゃん!」って思いましたね!

――ちなみに、鈴木さんはアルバムの中で楽器を演奏されるそうですね。

鈴木:そうなんです。『きみの声をとどけたい』では、ピアノの即興演奏でつくった楽曲を劇中で使っていただいたりもしました。そういうこともまたいつかできたらなと思っていましたし、何よりも、自分の好きな音楽でみんなの力になれるのがすごくうれしいです。

生のハモリとダンスを融合させたパフォーマンスをぜひ見てもらいたい。

――その想いの詰まった1stフルアルバムを引っ提げて、8月4日には3周年記念ライブが開かれます。

岩淵:頑張らなきゃいけないなって思いますね。3年間、私たちが歩んできた道も大切にしたいですし、これから続く新しい道もどんどん皆さんに見せていけるような、そういうたくさんの挑戦ができるライブにしていきたいです!

神戸:いいこというね(笑)。

鈴木:私たちは楽曲のハモリを自分たちでやっていて、ライブフォーマンスでは踊りながらの生ハモにこだわりを持っています。なので、ハモリやユニゾンの綺麗さといったNOW ON AIRらしさをもっと洗練して、お客さんも私たち自身も楽しめるライブにしていきたいです。

飯野:私にとってこのライブは「挑戦のライブ」だと思っています。会場のキャパシティが今までで最大ですし、NOW ON AIRの曲だけでワンマンライブをやるっていうのも、今までで初めてのことなので、楽しみですけど、緊張もしています。「曲が出せてうれしい」「ライブが出来てうれしい」っていう「うれしい」って言う気持ちだけでここまでやっ
てこられたんですけど、もう1度気を引き締めてライブを成功させるために、8月に向けて準備を進めていきたいです。

田中:……ふー……。

――田中さん、どうされました?

田中:なんかみさみさの今の話きいたら、めちゃくちゃ緊張してきちゃって……

飯野:何? うつしちゃった!? ごめんね!(笑)

――ちなみに、今後の目標などあれば教えてください。

神戸:ツアーをやってみたいです。それぞれの出身地で凱旋公演をやるのが夢ですね。

飯野:今までリリースした楽曲をそれぞれがソロで歌う「ソロコレクション」のような、みんなのソロアルバムが出たらいいなと思っています。NOW ON AIRは一人ひとり声質が違っていて、私は、みんなの声が大好きなので。

――最後にファンの方に向けたメッセージをお願いします。コメントする人はリーダーが指名してください。

飯野:そうですね……じゃあ、最年少コンビ2人で!

岩淵&片平:え!!

岩淵:えーと……聞いたら良いことあると思うので、絶対、アルバムを手に取って欲しいです。あとはすごくみんな頑張っているので、この“幸せ”を受け取って欲しいです!

片平:あの、えっと、そうですね……今回のアルバムにはこれまでリリースされたシングルの表題曲のみが収録されているので、聴いてみてもし「いいな」と思ったら、ぜひ、既に発売されているシングルを手に取って、カップリング曲も聴いていただきたいです。

飯野:じゃあ、せっかくなので最後にまとめさせてもらいます! やっぱりライブに来て、私たちのハーモニーだったり、MCパートでの仲の良いワチャワチャ感だったりを体感してほしいです。ライブに来て、NOW ON AIRのことを好きになっていただけるようなステージを作っていきたいと思いますので、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです! よろしくお願いします!

取材・文=こじへい 撮影=こじへい

リリース情報

「RAINBOW'S BOX」

発売日:2019年7月17日(水)
価  格:初回限定盤¥4,000(税抜)/ 通常版¥3,000(税抜)
 
表題曲「RAINBOW'S HIGHWAY」
「瞳の勇気」(DMM GAMES「装甲娘」主題歌)
「この声が届きますように」
「キボウノカケラ」
「わたし的Progress」
「Starting Station 」作詞:飯野美紗子 歌:飯野美紗子、片平美那
「純情 Phantom thief」作詞:田中有紀 歌:田中有紀、岩淵桃音
「星影の在り処 」作詞:神戸光歩 歌:神戸光歩、鈴木陽斗実
「Light escape 」作詞:岩淵桃音 歌:飯野美紗子、神戸光歩、岩淵桃音
「ツヅクココロハ 」作詞:片平美那 歌:片平美那、鈴木陽斗実、田中有紀
※曲順未定・ほか全11曲収録

ライブ情報

NOW ON AIR 3周年記念 1st ‘FULL’ LIVE

2019年8月4日(日)

CLUB SEATA (東京都)
開演:17:00~

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