猪塚健太がA New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』を語る! 「ベンジャミンとして真剣に恋をしたいです」

インタビュー
舞台
2019.6.20
猪塚健太

猪塚健太

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2019年9月25日(水)から10月9日(水)まで東京・TBS赤坂ACTシアター、10月25日(金)から10月27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて、A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』(以下『FACTORY GIRLS』)が上演される。
19世紀半ばのアメリカ・ローウェル。劣悪な環境の工場を舞台に、そこで働く女性たちが、自身の尊厳と労働環境の向上を求め、ペンと団結力を武器に闘う姿を描くヒューマンストーリーだ。世界初演となる日本版脚本・演出は板垣恭一、主演に今年芸歴20周年を迎えた柚希礼音、共演にソニンを迎える。女性キャストが多い本作において、その存在が注目される男性キャストの中に猪塚健太の名があった。猪塚はソニンが演じるハリエットに恋をする男性ベンジャミン役とのことだが、今、猪塚はどのような心境でこの役とこの作品に挑もうとしているのだろうか?

■役として、そして個人的にもソニンさんと距離を縮めたい

ーーまずは、『FACTORY GIRLS』に出演が決まった時のお気持ちから聞かせてください。

僕がミュージカルに出るのがかなり久しぶりで、しかもこれだけの素晴らしいキャストの方々と大規模な作品に出演するのは初めて。嬉しかったんですが、同時にやる事が山積みだなと思いました。かなり緊張やプレッシャーを感じていますが、面白い作品が出来そうだと思っていて、今から楽しみです。

ーー確かに素晴らしいキャスト陣ですよね! 柚希さんやソニンさんとはこれまでに接点などありましたか?

共演経験はないんですが、一方的に何度も出演されている舞台を観ていたので、この方たちと一緒にミュージカルをやるんだ! という楽しさで胸がいっぱいなんです! ミュージカル界の先頭を走る方ばかりなので、僕自身得る物がいっぱいあるんじゃないかなと思っています。まだ稽古前なのでお話などはしていないのですが、お二人の芝居はしっかり盗みたいです(笑)。

ーー猪塚さんが演じるベンジャミンという人物ですが、どんな人だととらえていますか?

ベンジャミンは政治家を目指していて、裕福な生活の中育ってきた男。彼には夢があってアメリカのために政治家になりたいと願っているんですが、一方でソニンさんが演じるハリエットに恋をして、ハリエットのために何かしたい、そしてハリエットと共に未来を作りたいと純粋に思っているんです。ならばどうしたらそれが実現できるのか、と考えて動いた事が波乱の第一歩になり……。この舞台をご覧になるお客さんからしたら「あいつ、何をやってるんだよ!」って思われるかもしれませんが、「自分はいい事をしているはず」と信じて疑わない彼を憎めないやつだと思ってもらえるように役を作りたいですね。

猪塚健太

猪塚健太

ーー久しぶりのミュージカルという事で今準備している事は?

一つはもちろん技術的な点を磨かないと、と思っています。ミュージカルの中で行われるお芝居をどのようにお客様に届けるかに重きを置きたいので、どのようなアプローチでどのような芝居をしたらいちばん伝わるのかなという事を考えて、完成版の脚本が届いたら深く深く人物を作りこんでいきたいです。

ーーベンジャミンはハリエットに恋をする人物という事で、猪塚さんも憧れのソニンさんとの距離を詰めていく必要がありますよね……って聞きようによってはおかしな事を言ってますが。

(笑)。確かにソニンさんの事を役も含めてもっとたくさん知らないといけないでしょうね。いちばんコンタクトを取らなければいけない相手だと思っています。これまでも恋に落ちる役は何度かしてきましたが、役とはいえ、本当に相手をかわいいな、好きだな、と思えば思うほど、芝居にも身が入るんです。そこに嘘があるとやりづらい部分ができてしまうんです。だからこそハリエットの事も、またソニンさんの事も好きになるべきだな、と思います。真剣に恋したいですね(照)。

ーーベンジャミンとご自身について似ている点などありますか?

僕もベンジャミンみたいに女性の気持ちには敏感な方ではないので、そういう点は共通しているかもしれません。物語の中ではハリエットを想うだけでなく、ベンジャミンの事を想う存在も出てきますから、僕自身も知らないところでモテているところがあるんじゃないかなあ(一同笑)

ーーこのカンパニーは女性が圧倒的に多い現場となりそうですが、その点は大丈夫ですか?

僕は姉と妹がいる中で育ったので、女性への対応には自信があります。無難に渡り歩ける自信があります! でもこれだけ女性が多い中にいたら「いい顔しやがって」とどこかで思われているかも?(笑) 少ない男性キャスト同士で是非とも仲良くしていきたいですね。

猪塚健太

猪塚健太

■リフレッシュ方法は「温泉」そして「映画」!

ーープライベートの話も伺いたいのですが、オフはどんな事で気分転換していますか?

オフは結局映画を観にいったりしちゃいますね。でもある意味、勉強の時間でもあるのでリフレッシュ効果は半分です。完全にリフレッシュ!となると「温泉」です。遠出するのではなく、近郊にあるスーパー銭湯などでゆっくりするのが好きなんです。舞台『魔界転生』で一ヶ月博多にいた時はほぼ毎日のように通っては、サウナと水風呂を何度も往復していました。

ーーお風呂巡りに付き合ってくれる方はいらっしゃいましたか?

普段、温泉に入りに行くときは温泉仲間と一緒に動いてます。仲間といっても4,50歳くらいのおじさん……整体の先生なんですが(笑)。「身体を壊した時は温泉がいいよ。連れて行ってあげるよ」から付き合いが始まりました。先日は静岡の奥の方にある狭い浴槽が1個あるくらいの秘湯に入りに行きましたが、最高でした!

ーーあとで詳しく場所を教えてください(笑)。そして温泉だけでなく映画の話も聴きたいです!

ここ最近みた映画でいちばんよかったなと思うのは『僕たちのラストステージ』。二人のコメディアンの物語。昔は大人気だったのに、今では落ちぶれてしまった人たちが、「最後にホールツアーをしよう」そして引退しようっていう話なんですが……翌日、目がパンパンになるくらい泣いてしまって。舞台に出ている身として共感しすぎてしまったんです。映画を観ているほかのお客さんは泣いてなかったんですが、もう僕だけ嗚咽が出るくらい(笑)。マスクに水がたまるくらい泣いて、エンドロール中も泣きまくってました。

ーーちなみに、映画は洋画派? 邦画派?

どちらも観ます。でも邦画だと職業病なのか、知っている人が出ていたり、知っているロケ地だったりすると、邪念が多すぎて。つい演じる側の目線で見てしまいますね。洋画は作品を純粋に楽しむ事ができます!『アベンジャーズ』はもうリフレッシュできます。『シャザム』もね!

猪塚健太

猪塚健太

■演劇が大好きなんです

ーー演劇大好き、と先ほど話が出ていましたが、最近観劇された舞台でこれは良かった! と思える舞台は?

イキウメの『獣の柱』ですね。本当にイキウメさんが大好きで毎回観にいっているんです。今回も「はぁ~よかったー!」って思える作品でした。観るジャンルとしてはストレートプレイが多いです。もちろんいろいろな芝居を観た方が良いと思うので、ミュージカルも観にいきますが、結局ストレートプレイになってしまいます(笑)。

ーーちなみに稽古場ではどのようなスタイルでいるタイプですか?

稽古場が好きなので、なるべく早く入って遅くまで残っていたいんです。そうするといろいろな人の顔を見る事ができますし。この人はこんなことをしているんだ、という事を知る事でより一層コンタクトを取りやすくなるし、芝居の話もしやすくなるので。自分が座長であってもカンパニーの一員であってもこの点は変わらないです。

僕は演劇が大好きです。カンパニーでいられる限られた時間の中でより深く一人ひとりと関わりたいなと思います。公演が終わってしまうとそれっきりになる事が多いですから。

ーーこれまで猪塚さんが出演されてきた芝居、例えば『ウエアハウス〜Small Room〜』や今回の『FACTORY GIRLS』もそうですが、何か物語に変化をもたらす存在を演じる機会が多いように感じたのですが、その点はどう思われていますか?

確かにそうかもしれません。そういう役どころを求められているのか、偶然なのかは分からないんですが、舞台の空気を変える役って相当技量がないとできないと思うんです。難しいですからね、出来上がった空気を壊したり、思いっきり変えたりするって。そういう事が出来るよう精進したいです。

ーーさて、世界初演となる『FACTRY GIRLS』ですが、役者・猪塚健太としてどんな爪痕を残したいですか?

世界初演って前例がない訳ですから、まず自分たちがこれをやった事が一つの正解というか世界規模での指針となっていくと思うので、僕としては、ベンジャミンという役が必要な存在だったんだな、アイツがいた事で話が回ったんだなと思われる事になればいいですね。その上で、憎いけど憎めない存在にしたいです。アイツのせいで皆大変だった、でもいい奴だったなって思ってもらえるようになりたいです。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』​

音楽/詞:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
日本版脚本・演出:板垣恭一
 
出演者:
柚希礼音 ソニン
実咲凜音 清水くるみ 石田ニコル
原田優一 平野 良 猪塚健太
青野紗穂 谷口ゆうな 能條愛未
戸井勝海 剣 幸 他
 
<日程・場所>
■東京公演
2019年9月25日(水)〜10月9日(水) TBS赤坂ACTシアター 

【東京公演・料金】
S席12,500円 / A席10,000円 / B席8,500円 (税込・全席指定)
※未就学児童の入場はご遠慮頂いております。
※車いすでご来場予定のお客様は、予めご購入公演日時・座席番号をイープラスへお知らせください。

【東京公演・一般発売】
2019年6月22日(土) 10:00~
 
【東京公演・に関するお問合せ】
イープラス 0570-06-9919(10:00~18:00)
 
主催:アミューズ/イープラス
 
■大阪公演
2019年10月25日(金)~10月27日(日) 梅田芸術劇場メインホール

【大阪公演・料金】
S席12,500円 / A席10,000円 / B席8,500円 (税込・全席指定)
※未就学児童の入場はご遠慮頂いております。
※車いすでご来場予定のお客様は、予めご購入公演日時・座席番号をキョードーインフォメーションへお知らせください。

【大阪公演・一般発売日】
2019年7月20日(土) 10:00~
 
【大阪公演・に関するお問合せ】
キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)
 
企画・制作:アミューズ
 
■公演に関するお問い合わせ
アミューズ チアリングハウス03-5457-3476(祝日を除く月~金15:00~18:30)
■オフィシャルサイト
http://musical-fg.com
■オフィシャルツイッター
@factorygirlsjp
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