京都・清水寺で、陶芸アーティスト・桑田卓郎の作品展 先鋭的なアート作品が伝える「祈り」の風景

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2019.7.4
Tea Bowl, 2017 (C) Takuro Kuwata, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA Photo by Kazuya Sudo

Tea Bowl, 2017 (C) Takuro Kuwata, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA Photo by Kazuya Sudo

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桑田卓郎展『日々(にちにち)』が、2019年8月3日(土)〜8月25日(日)まで、京都・清水寺にて開催される。

あらゆる垣根を越えた前衛的な表現を元に、人が一心に尽くし、無心へと近づいていくその瞬間を祈りの風景と重ね合わせ、100年先、1,000年先の仏教寺院のあり方を模索していく「FEEL KIYOMIZUDERA」プロジェクト。清水寺を舞台に2012年からスタートしたこの取り組みは、写真展、音楽イベントと回を重ね、今回は世界的に注目を集めるアーティスト・桑田卓郎の作品を紹介する。

清水寺 経堂 Photo by Kazuya Sudo

清水寺 経堂 Photo by Kazuya Sudo

桑田卓郎は、陶芸の伝統と向き合いながらも、目の前にある素材や時代、その時代の中に生きる自分自身と徹底的に対話することによって、常に革新的な作品を制作、発表してきた。ビビッド、またメタリックな配色、そして一度見ると忘れられない、梅花皮(かいらぎ)や石爆(いしはぜ)といった陶芸の技術に基づきながらも、極めて独特の表現がつくりだす桑田の視覚言語は、世界各国で高く評価されている。

Tea Bowl, 2017 (C) Takuro Kuwata, Photo by Keizo Kioku Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

Tea Bowl, 2017 (C) Takuro Kuwata, Photo by Keizo Kioku Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

「制作するということは、今を生きているこの現実の中で、出会いや別れ、時に何もわからず衝動に駆られ無心になること、様々なことを感じた過程が形に現れて行く行為」。

桑田のこの言葉は、「FEEL KIYOMIZUDERA」プロジェクトが模索する、表現活動を通した「祈りのかたち」と共鳴する。それは、手を合わせる行為だけではなく、表現でも、仕事でも、遊びであっても、なにかに一心に尽くし、次第に無心へと研ぎ澄まされていくその過程こそが、仏教が理想とする「祈り」であるという考えだ。そして変化の激しいこの現代に何を表現し、どう生きるのか、ということに向かい合うことでもある。

Untitled, 2017 (C) Takuro Kuwata, Photo by Keizo Kioku Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

Untitled, 2017 (C) Takuro Kuwata, Photo by Keizo Kioku Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

桑田は「グローバルに多くの情報が飛び交う世の中だからこそ、実際に何かに触れ、何かを感じるものでありたい」と語っている。長い歴史の中でその時代時代に寄り添い、芸術創造の場であった清水寺で、新しい瞬間、可能性と出会うことができる貴重なこの機会。ぜひ足を運んでみてほしい。

清水寺 成就院 Photo by Kazuya Sudo

清水寺 成就院 Photo by Kazuya Sudo

イベント情報

桑田卓郎展『日々(にちにち)』
会期:2019年8月3日(土)〜8月25日(日)
開場時間:10:00 - 17:00(会期中無休)
会場:音羽山清水寺(経堂と成就院の2会場)
京都市東山区清水1丁目294/TEL : 075-551-1234
観覧料:無料 ※成就院は特別拝観料が別途必要(大人 600円/小・中学生 300円)
※成就院は通常非公開です
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