都響・調布シリーズ No.17 ポール・メイエ(指揮/クラリネット) 東京都交響楽団
ポール・メイエ ©Vandoren Edith Held
名音楽家が2つの顔で魅せる至福の午後
通常の定期とはひと味違った演奏家や演目が目を引く、都響の調布シリーズ。今年12月は、世界のトップに立つクラリネット奏者にして指揮者ポール・メイエが、“両面の技”で魅了する。1965年フランス生まれの彼は、完璧な技術、芳醇かつ高貴な音色、豊かな表現力を併せ持ったソロ奏者として活躍を続け、スーパー・アンサンブル「レ・ヴァン・フランセ」の中心メンバーとしても名を馳せている。また指揮者のキャリアも着実に築き、ヨーロッパやアジアの各楽団に客演を重ねるほか、2007〜09年にはチョン・ミョンフンの薦めでソウル・フィルの准首席指揮者、10〜12年には東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者を歴任。なかでも佼成ウインドで聴かせたモーツァルトの「13管楽器のためのセレナード」は、彼の美質が最高に発揮された名演として、いまだ忘れ難い。
今回のプログラムは、モーツァルトとメンデルスゾーンの名曲選。まず前者のクラリネット協奏曲の吹き振りが、メイエならではの聴きものとなるのは言うまでもない。この天上的なまでに美しい名作を、気品に満ちた彼のクラリネットで聴けば、夢心地の陶酔必至。指揮者として特徴的な柔らかみのある音作りも強い味方となる。後者は共に代表作の序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第4番「イタリア」。ここでは北国の海と南国の陽光の対比が妙味を成しており、メイエのハイセンスなリードと都響一流の立体的サウンドで描かれる名画的な表現に期待が集まる。
“光と翳”が同居したチャーミングなプロで、素敵な休日の午後を過ごそう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)
今回のプログラムは、モーツァルトとメンデルスゾーンの名曲選。まず前者のクラリネット協奏曲の吹き振りが、メイエならではの聴きものとなるのは言うまでもない。この天上的なまでに美しい名作を、気品に満ちた彼のクラリネットで聴けば、夢心地の陶酔必至。指揮者として特徴的な柔らかみのある音作りも強い味方となる。後者は共に代表作の序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第4番「イタリア」。ここでは北国の海と南国の陽光の対比が妙味を成しており、メイエのハイセンスなリードと都響一流の立体的サウンドで描かれる名画的な表現に期待が集まる。
“光と翳”が同居したチャーミングなプロで、素敵な休日の午後を過ごそう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)
都響・調布シリーズ No.17 ポール・メイエ(指揮/クラリネット) 東京都交響楽団
12/6(日)14:00
調布市グリーンホール
問:都響ガイド03-3822-0727
http://www.tmso.or.jp