“ジャパニーズフェチ”の祭典が熱い ファッション、アート、サブカル、ホラーが集う『フェチフェス17』レポート
フェチフェス17
2019年9月23日、『フェチフェス17』が東京・日本橋の綿商会館にて開催された。今回も大盛況だった“ジャパニーズフェチ”の祭典をレポートしたい。
フェチなファッションアイテムと出会う
口だけ番長
フェチフェスでは、フェチな感性をくすぐるファッションアイテムと出会える。口だけ番長のブースには、棺桶や十字架をモチーフにしたアクセサリーが並ぶ。カップルが手に取ったり、コスプレイヤーが衣装用に購入したりする人気ぶりだった。
毒×惑
毒×惑では、日本で買えないデザインのアクセサリーを販売。「おしゃれな女の子を応援したい」と語るぽよるは、身につけると気持ちが上がる作品をリーズナブルな値段で提供する。
巡
巡が制作する和小物は、縄をテーマとするシンプルなデザインで、日常に溶け込む感じのおしゃれを演出する。ポートレート写真集や男性向けポーチなどは、女性ファンだけでなく男性をも魅了していた。
接吻少女
接吻少女は大阪から初出展。“汚くてカッコイイ”というパンクな作風が異彩を放っていた。デザインからプリント、裁縫までを全て自分で行うシャツは、いずれも一点物。東京への進出を目指し、“とんがっている”女性をメインターゲットとしつつ、男性が使える作品も制作する。
D/3
サイバーファッションブランドD/3は、年内にスタジオ兼アトリエを開設し、ワークショップなども開催する予定。2017年に発足したブランド「α」は「Δ-ASYL」へと進化し、ハイファッションな衣類系に特化していくという。
フェチと関係の深いアートが集結する
C-ROCK WORK
C-ROCK WORK
フェチフェスには、フェチと関係の深いアートが集結する。C-ROCK WORKは、写真を中心とした紙媒体作品集の制作を通してアングラやサブカルを追及する。主宰者の鈴木真吾は近年、アート寄りの展示で間口を広げ、写真好きの人たち以外にも活動をPR。今回は、被写体を始めたばかりのふ~ちゃん、本とメイドの店「気絶」に勤務するメイドのなご村、「かわいいものフェチを伝えたい」を目標とする「まじっくふぁくとりぃ。」工場長の3人と合同出展し、ブースを盛り上げていた。
御茶漬海苔の館
『暗黒辞典』×漫画刺繍(あー。)
御茶漬海苔のホラー似顔絵(似顔絵はみみずく)
『惨劇館』や『暗黒辞典』など、数々の傑作を世に送り出してきたホラー漫画家、御茶漬海苔がフェチフェスに参戦。大好評のオリジナルTシャツは、偶然発見された『暗黒辞典』第2巻の装画原稿をもとに製作された。漫画刺繍作家のあー。は、この原稿を刺繍したパネルを展示し、来場者の目を釘付けにしていた。ブースには御茶漬海苔ファンが殺到し、ホラー似顔絵は待機列ができるほどだった。
かざあな
かざあな
フェチフェス初出展の漫画家・イラストレーターのかざあなは、今回のキーヴィジュアルを担当。キーヴィジュアルは、見世物小屋っぽく外連味のある表現を目指しつつ、客層も考慮してポップで明るめのイメージにしたという。漫画の原作・作画やイラスト関連の仕事で知名度を上げるかざあなは、怪獣絵師・開田裕治が企画するグループ展『幻獣神話展』に出展するなど、活躍の場を広げている。「開田裕治・あやご夫妻と安田朗さんのおかげで今の自分があります」と偉大な先輩方へ敬意を表しながら邁進する。
非日常的なフェチの世界に羽ばたく
TOKYO ZENTAI CLUB
非日常的なフェチの世界に羽ばたけるのもフェチフェスの魅力だ。ゼンタイ(全身タイツ)の普及活動を行うTOKYO ZENTAI CLUBは現在、コミュニケーションツールとしてのゼンタイの可能性を模索している。ゼンタイを使用して人間の内面に迫る活動への第一歩を踏み出したばかりである。
ケロッピー前田・身体改造
身体改造ジャーナリスト・ケロッピー前田は、ビジュアルカルチャー誌『バースト・ジェネレーション』Vol.2を販売。Vol.2では、世界トップクラスの改造人間の姿を楽しめる。今年11月には、TBSの人気番組『クレイジージャーニー』に出演した改造人間、ラス・フォックスが再び来日予定だ。身体改造の最前線から目が離せない。
閉鎖研究所+琴子
閉鎖研究所は、一級建築士である木島巽によって設計された「閉ざされた空間」だ。木島の収集癖から始まった研究所には、剥製や標本、万巻の書などが収蔵されているという。木島は「自分が一生閉じこもっていたいと思って作りました」と話すが、現在は演劇やMVの収録などに場所を提供して創作活動をサポートする。今回の出展では、オリジナル和装アイテム作家の琴子を売り子に迎え、研究所の周知と物販を行った。
フェチフェスが“ジャパニーズフェチ”をリードする
フェチフェスは、ファッションやアートのジャンルに影響を及ぼしながら、“ジャパニーズフェチ”をリードし続ける。元号が変わり新たな時代を歩み出した日本において、フェチフェスの勢いはさらに増していくだろう。次回の開催も待ち遠しい。